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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


4.1.2 実行登録時のマクロ変数の指定

実行登録時にマクロ変数名と値(引き継ぎ情報)を指定できます。実行登録時に指定したマクロ変数名を配下のユニットで使用していた場合,指定した引き継ぎ情報に置き換えられて実行されます。この機能を使用すると,一部のパラメーターが異なるジョブネットを複数作成する必要がありません。例えば,要求ごとに環境変数を指定したい場合,ジョブネットのコピー(ajscopyコマンド),環境変数の変更(ajschangeコマンド),実行登録(ajsentryコマンド)をスクリプト内で繰り返す処理は必要なく,実行登録時に値を指定するだけで実現できます。実行登録時にマクロ変数を指定した場合の処理を,次の図に示します。

図4‒8 実行登録時にマクロ変数を指定した場合の処理

[図データ]

実行登録時のマクロ変数の指定は,JP1/AJS3 - View,Web GUI,APIおよびajsentryコマンドで行います。指定方法については,次の個所を参照してください。

マクロ変数の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 2.2.6 マクロ変数の使用を検討する」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 実行登録時のマクロ変数の有効範囲

実行登録時に指定したマクロ変数が有効となる範囲は,次のとおりです。

(2) 再起動

再起動時の動作について次に説明します。

(a) サービス起動モードでコールドスタートを指定している場合

再起動直前のジョブネットおよびジョブの定義情報だけを引き継ぎ,ジョブネットはすべて未登録状態に変更されるため,実行登録時に指定したマクロ変数名と値は解除されます。

(b) サービス起動モードでウォームスタートを指定している場合

ジョブネットの状態は「中断」になります。開始されていなかったジョブネットは予定どおり運用され,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。ウォームスタートによって異常終了したジョブネットは,状態の変更を確認したあと,手動で再実行してください。再実行した場合,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。

(c) サービス起動モードでホットスタートを指定している場合

再起動直前の状態を引き継ぎ動作します。ジョブの実際の状態が取得できた場合は,ジョブネットの定義内容に従って自動的に継続実行し,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。ジョブ実行先サーバから情報を求められなかった場合は,ジョブの状態は異常終了になります。この場合は,ジョブの状態を確認し,手動で再実行してください。再実行した場合,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。

(d) サービス起動モードでディザスターリカバリースタートを指定している場合

ジョブネットの状態は「中断」になります。開始されていなかったジョブネットは実行が抑止されます。実行抑止を解除したあとでジョブネットが実行されるとき,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。ディザスターリカバリースタートによって異常終了したジョブネットは,状態の変更を確認したあと,手動で再実行してください。再実行したときは,実行登録時に指定したマクロ変数名と値が適用されます。

(3) 注意事項

実行登録時にマクロ変数を指定する場合の注意を次に示します。