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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


3.4.5 監視世代の多重起動

監視世代が「監視中」状態で再びジョブネットの開始時刻になると,新しく監視世代が生成されます。デフォルトでは次の図のように監視世代が多重起動されます。

図3‒53 監視世代が多重起動する例

[図データ]

この例では,10:00,11:00,12:00に監視を開始して,それぞれ起動条件の有効範囲を2回に設定しています。10:00〜11:00に2回目の事象が発生しないと,監視世代1の監視が11:00までに終了しないで監視世代2の監視が開始されます。

〈この項の構成〉

(1) 監視世代の多重起動の設定方法

監視世代を多重起動させるかどうかの設定には,次の3種類があります。

監視世代の多重起動は,[詳細定義−[起動条件]]ダイアログボックスの[監視世代の多重起動]で設定できます。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 12.4.5 [詳細定義−[起動条件]]ダイアログボックス」を参照してください。

次に,それぞれの動作を説明します。なお,監視世代に対して保留が設定されている場合は保留が優先され,監視世代の多重起動の設定は有効になりません。

(2) 監視を開始しないように指定した場合の動作

監視を開始しないように指定した場合の監視世代の動作を次の図に示します。

図3‒54 起動条件の定義で監視を開始しないように指定した場合の動作

[図データ]

監視世代2が「監視中」状態のまま次の開始時刻になると,監視世代3は開始されないで「繰り越し未実行」状態に遷移します。ジョブネットに処理サイクルを設定していて,かつ起動条件の有効範囲を無制限にしている場合は,この動作を指定することを推奨します。

(3) 監視の終了を待つように指定した場合の動作

監視の終了を待つように指定した場合の監視世代の動作を次の図に示します。

図3‒55 起動条件の定義で監視の終了を待つように指定した場合の動作

[図データ]

監視世代2が「監視中」状態のまま次の開始時刻になると,監視世代3は「開始時刻待ち」状態に遷移します。監視世代2の監視が終了すると,監視世代3は「開始時刻待ち」状態から「監視中」状態に遷移します。

なお,「開始時刻待ち」状態のまま打ち切り時間を過ぎると起動条件の監視を打ち切り,「繰り越し未実行」状態に遷移します。

(4) 監視を開始するように指定した場合の動作

監視を開始するように指定した場合の監視世代の動作を次の図に示します。

図3‒56 起動条件の定義で監視を開始するように指定した場合の動作

[図データ]

監視世代2が「監視中」状態のまま次の開始時刻になっても,監視世代3は「監視中」状態に遷移します。デフォルトでは,この動作が選択されています。

監視世代2と監視世代3が同時に起動しているときにイベントが発生すると,監視世代2と監視世代3のそれぞれで実行世代が実行されます。

ジョブネットに処理サイクルを設定していて起動条件の有効範囲を無制限にしている場合にこの動作を選択すると,不要な監視世代が大量に多重起動して実行世代が大量に生成されるおそれがあるため,注意が必要です。