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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


3.3.1 ルートジョブネットの時間制とスケジュールルール

ルートジョブネットには,24時間制スケジュールと48時間制スケジュールの二つのスケジュール運用があります。

〈この項の構成〉

(1) 24時間制スケジュール

ルートジョブネットが24時間制スケジュールを採用した場合の,ルートジョブネットの有効範囲を次の図に示します。

図3‒26 ルートジョブネットが24時間制スケジュールの場合(基準時刻が0:00の場合)

[図データ]

ルートジョブネットが24時間制スケジュールを採用していて,実行開始時刻に24:00以降(24:00〜47:59)を指定した場合は翌日扱いとなります。例えば,実行開始時刻を8月1日の25:00とした場合は,24時間制スケジュールのルートジョブネットの有効範囲を超えることから,8月2日の1:00に実行開始するジョブネットとして扱われます。また,[マンスリースケジュール]ウィンドウで実行予定を確認する際にも,8月2日分の予定として表示されます。

補足事項

ルートジョブネットが24時間制スケジュールを採用していて,実行開始時刻に24:00以降を指定した場合は翌日扱いとなりますが,カレンダーは当日の設定に従って実行されます。例えば,実行開始時刻を8月1日の25:00とした場合は,8月2日の1:00に実行開始するジョブネットとして扱われますが,カレンダーは8月1日の設定に従います。8月1日が運用日であれば,8月2日が休業日であっても実行され,8月1日が休業日であれば,8月2日が運用日であっても実行されません。

(2) 48時間制スケジュール

ルートジョブネットが48時間制スケジュールを採用した場合の,ルートジョブネットの有効範囲を次の図に示します。

図3‒27 ルートジョブネットが48時間制スケジュールの場合(基準時刻が0:00の場合)

[図データ]

ルートジョブネットが48時間制スケジュールを採用している場合は,0:00〜47:59(基準時刻が0:00の場合)を1日として扱います。したがって,例えば実行開始時刻を8月1日の25:00とした場合でも8月1日分のジョブネットとして扱われ,[マンスリースケジュール]ウィンドウでも8月1日分の予定として表示されます。

補足事項
  • 日付をまたぐようなスケジュールや24:00以降のスケジュールを組むような場合には,48時間制スケジュールを採用することを推奨します。また,48時間制スケジュールで基準時刻を設定(基準時刻が0:00以外)すると,時刻の考え方が複雑になり,指定しなければならない日時とJP1/AJS3運用上の日時とにずれが生じるおそれがあります。そのため,48時間制スケジュールを採用した場合は,基準時刻を設定しない(基準時刻が0:00)方法で運用することを推奨します。詳細については,「3.3.2(1) スケジュールルールの定義」の実行開始時刻の設定についての説明,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 3.5.1(1) 48時間制スケジュールによる日またがり業務の定義」を参照してください。

  • ルートジョブネットを48時間制スケジュールで運用していて,かつルートジョブネットの打ち切り時間を「1日」で定義している場合,打ち切り時間は実行予定の開始予定時刻によって次のようになります。

    ・開始予定時刻が0:00〜23:59(基準時刻が0:00)の場合

     24時間制スケジュールの有効範囲での「1日」が,実行予定の打ち切り時間になります。

    ・開始予定時刻が24:00〜47:59(基準時刻が0:00)の場合

     48時間制スケジュールの有効範囲での「1日」が,実行予定の打ち切り時間になります。

    詳細については,「3.1.1(2) ジョブネット」の打ち切り時間についての説明,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 3.5.1(1) 48時間制スケジュールによる日またがり業務の定義」を参照してください。

(3) ネストジョブネットの扱われ方

ネストジョブネットは,ルートジョブネットのスケジュールが24時間制か,48時間制かに関係なく48時間制でスケジュール運用されます。

(a) ルートジョブネットが24時間制スケジュールの場合

ルートジョブネットが24時間制スケジュールを採用した場合の,ネストジョブネットの有効範囲を次の図に示します。

図3‒28 24時間制スケジュールでのネストジョブネットの有効範囲(基準時刻が0:00の場合)

[図データ]

ルートジョブネットの有効範囲は24時間でも,ネストジョブネットの有効範囲は48時間であるため,双方の実行開始時刻に24:00以降(24:00〜47:59)の時刻を設定した場合,それぞれの実行日が異なります。例えば,双方の実行開始時刻を8月1日の25:00と設定した場合,ルートジョブネットの実行予定は8月2日となりますが,ネストジョブネットは8月1日分の扱いとなります。

双方の実行日が一致しないことから,[デイリースケジュール]ウィンドウおよび[マンスリースケジュール]ウィンドウで実行予定を確認した場合,ネストジョブネットのスケジュールは表示されません。

(b) ルートジョブネットが48時間制スケジュールの場合

ルートジョブネットが48時間制スケジュールを採用した場合の,ネストジョブネットの有効範囲を次の図に示します。

図3‒29 48時間制スケジュールでのネストジョブネットの有効範囲(基準時刻が0:00の場合)

[図データ]

ルートジョブネットが48時間制スケジュールを採用している場合は,ルートジョブネットとネストジョブネットの有効範囲が一致するため,双方の実行開始時刻に24:00以降(24:00〜47:59)の時刻を設定しても,実行日は同じです。

[デイリースケジュール]ウィンドウおよび[マンスリースケジュール]ウィンドウには,ネストジョブネットのスケジュールも表示されます。

したがって,実行開始時刻を24時間以降とするようなスケジュール運用をする場合は,ルートジョブネットを48時間制にすることを推奨します。