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JP1 Version 12 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


4.5.14 指定した日時から自動的にジョブネットの定義を切り替える

実行登録中のジョブネットの定義を変更したいとき,ある日時から自動的に定義を切り替えられます。

実行登録中のジョブネットの定義をある日時から自動的に切り替えるには,ジョブネットリリースという機能を使います。ジョブネットリリース機能では,切り替え予定のジョブネットをあらかじめ定義し,切り替え日時を指定しておくことで,ジョブネットの定義を自動的に切り替えられます。ジョブネットリリース機能は,次のような運用をしたい場合に適しています。

ジョブネットリリース機能の各操作は,JP1/AJS3 - Viewまたはajsreleaseコマンドで実行できます。JP1/AJS3 - Viewでの操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 9.14 運用中のジョブネットの定義内容を計画的に切り替える(ジョブネットリリース)」を参照してください。コマンドでの操作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 3. 通常の運用で使用するコマンド ajsrelease」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブネットリリース機能の概要

ジョブネットリリース機能でジョブネットの定義を切り替えるには,まず,切り替え前のジョブネットと切り替え予定のジョブネットをそれぞれ定義しておきます。一方のジョブネットは実行登録によって通常どおりに運用し,切り替え予定のジョブネットには,切り替え先のジョブネットと切り替え日時を指定しておきます。指定した日時に到達すると,次の図のように,これらのジョブネットの定義が自動的に切り替わります。

図4‒41 ジョブネットリリース機能を使用したジョブネットの定義切り替えの概要

[図データ]

あらかじめ定義したジョブネットの定義が指定した日時に運用中のジョブネットと切り替わるように登録しておく操作を,リリース登録といいます。あらかじめ定義した切り替え予定のジョブネットをリリース元ジョブネットといい,切り替える前の運用中のジョブネットをリリース先ジョブネットといいます。また,リリース登録で指定した日時になったときにジョブネットの定義が切り替わることをリリースといいます。

(2) ジョブネットリリース機能を使用したジョブネットの定義切り替え

ジョブネットリリース機能では,切り替えるジョブネットの定義をリリースIDで区別します。リリース登録の際には,リリースIDのほか,リリースのタイミングを決めるリリース日時,リリースの対象である運用中のリリース先ジョブネットなどを指定します。

リリース登録をすると,リリース元ジョブネットの定義がコピーされ,指定したリリースIDと関連づけられます。指定したリリース日時になると,リリースIDに関連づけられたジョブネットの定義がリリースされ,運用中のリリース先ジョブネットの定義が切り替わります。

リリース登録時にコピーされたジョブネット定義は,リリース先ジョブネットの定義の一つとして管理されます。リリース元ジョブネットのコピーであるため,リリース元ジョブネットを編集および削除してもリリース先ジョブネットに影響はありません。ただし,リリース元ジョブネットはリリース先ジョブネットの定義を変更するときのマスターとなるため,必要に応じてリリース元ジョブネットの定義は保存しておいてください。ジョブネットリリース機能の運用方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 7.3.8 ジョブネットリリース機能の運用方法」を参照してください。

ジョブネットリリース機能を使用したジョブネットの定義切り替えのイメージを次の図に示します。

図4‒42 ジョブネットリリース機能を使用したジョブネットの定義切り替えのイメージ

[図データ]

この図は,「jobnetAについて4/2 00:00になったらjobnetBの定義をリリースする」場合のイメージです。リリースIDを「001」とし,4/2 00:00にリリースされるようにリリース登録すると,次の二つのリリースIDが作成されます。

「AJS_AUTO」

運用中のジョブネットの定義に関連づけられるリリースIDです。リリース登録した際に自動的に作成されます

「001」

リリース元ジョブネットであるjobnetBをコピーした定義に関連づけられるリリースIDです。

4/1 23:59までは「AJS_AUTO」の定義が適用されます。4/2 00:00になると「001」に関連づけられたjobnetBをコピーした定義がリリースされ,jobnetAの定義が切り替わります。リリース後もジョブネット名はjobnetAのままです。

注※

リリースID「AJS_AUTO」は,新規にリリース登録するときだけ作成されます。2回目以降にリリース登録するときは作成されません。リリース登録後のジョブネットの状態および状態遷移については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 7.3.3 リリース登録後のジョブネット定義の状態」を参照してください。

ジョブネットリリース機能の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 7.3 実行登録中にジョブネットの定義を切り替える」を参照してください。