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JP1 Version 12 ジョブ管理 基本ガイド(ジョブスケジューラー編)


2.3.4 前提製品をセットアップする

JP1/BaseにJP1専用のアカウントであるJP1ユーザーを登録したり,JP1ユーザーの操作権限を設定したりします。また,JP1ユーザーとOSユーザーを対応づけて,JP1ユーザーがOS資源にアクセスできるようにします。

マネージャーホストのJP1/Baseのセットアップでは,次の4つの設定を実施します。

認証サーバの設定

認証サーバは,JP1ユーザーのアクセス権限を管理するサーバです。JP1/Baseをインストールしたサーバを,認証サーバとして設定します。

認証サーバへのJP1ユーザーの登録

JP1ユーザーを認証サーバに登録します。

JP1ユーザーの操作権限の設定

JP1ユーザーに対して,業務の定義や実行の権限(JP1権限レベル)を設定します。

ユーザーマッピングの設定

ユーザーマッピングとは,処理の実行先ホスト上でJP1ユーザーとOSユーザーを対応づける操作のことです。

JP1/AJS3では,ジョブを実行する際に,JP1ユーザーに対応づけられているOSユーザーの権限で実行ファイルなどのOS資源にアクセスし,処理を実行します。そのため,処理の実行先ホスト上でJP1ユーザーとOSユーザーを対応づけておく必要があります。

ユーザーマッピングの概略を,次の図に示します。

図2‒2 ユーザーマッピング

[図データ]

この図の場合,JP1/AJS3 - ViewでJP1ユーザー「user01」が実行したジョブは,マネージャーホストではOSユーザー「MAN_OSuser」として実行されます。ジョブがエージェントホストに転送される場合は,エージェントホストのOSユーザー「AGT_OSuser」として実行されます。

ヒント

JP1/Baseを新規にインストールすると,次の情報が自動で初期設定されます。このユーザーを使って運用する場合,JP1/Baseのセットアップは不要です。

項番

設定項目

初期設定内容

1

認証サーバの設定

認証サーバ名

自ホスト名

2

認証サーバへのJP1ユーザーの登録

JP1ユーザー名

jp1admin

3

パスワード

jp1admin

4

JP1ユーザーの操作権限の設定

JP1資源グループ

*(アスタリスク)

5

所有する権限

すべての管理者権限

6

ユーザーマッピングの設定

マッピングされるJP1ユーザー

jp1admin

7

マッピングされるOSユーザー

root

8

サーバホスト名

*(アスタリスク)

関連項目

〈この項の構成〉

(1) 認証サーバを設定する

認証サーバとして使用するホストの名称を,JP1/Baseに設定します。自ホストを認証サーバに設定する場合,この操作は不要です。

前提条件

マネージャーホストにはスーパーユーザー権限を所有するOSユーザーでログインしてください。

操作手順

  1. 次のコマンドを実行する。

    jbssetusrsrv 認証サーバのホスト名

操作結果

マネージャーホストが認証サーバとして設定されました。

次の作業

認証サーバへJP1ユーザーを登録します。

関連項目

(2) 認証サーバへJP1ユーザーを登録する

認証サーバへJP1ユーザーを登録します。

前提条件

マネージャーホストにはスーパーユーザー権限を所有するOSユーザーでログインしてください。

操作手順

  1. 次のコマンドを実行する。

    jbsadduser JP1ユーザー名
  2. 指示に従ってJP1ユーザーのパスワードを入力する。

操作結果

JP1ユーザーが登録されました。

次の作業

JP1ユーザーの操作権限を設定します。

関連項目

(3) JP1ユーザーの操作権限を設定する

JP1ユーザーのJP1権限レベルを設定します。JP1権限レベルを設定するには,JP1ユーザーに対して「JP1資源グループ」と「JP1権限レベル名」を定義します。

前提条件

マネージャーホストにはスーパーユーザー権限を所有するOSユーザーでログインしてください。

操作手順

  1. 次のファイル(ユーザー権限レベルファイル)をviなどのテキストエディターで開く。

    /etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_UserLevel

    ファイルには,デフォルトとして次の定義が記載されています。

    jp1admin:*=JP1_AJS_Admin,JP1_Console_Admin,JP1_JPQ_Admin
  2. JP1資源グループとJP1権限レベルを設定する。

    ユーザー権限レベルファイルを編集して,JP1権限レベルを設定します。

    ユーザー権限レベルファイルの記載形式を次に示します。

    JP1ユーザー名:JP1資源グループ名=JP1権限レベル名:JP1資源グループ名=JP1権限レベル名...

    JP1ユーザー「user01」に対してJP1資源グループ「*」の管理者権限を与える場合は,次のように記載します。

    user01:*=JP1_AJS_Admin,JP1_JPQ_Admin
  3. ファイルを保存して閉じる。

  4. jbsaclreloadコマンドを実行する。

操作結果

JP1ユーザーにJP1権限レベルが設定されました。

次の作業

ユーザーマッピングを設定します。

関連項目

(4) ユーザーマッピングを設定する

JP1ユーザーとマネージャーホストのOSユーザーをマッピングして,JP1ユーザーがマネージャーホストのOS資源にアクセスできるようにします。

前提条件

マネージャーホストにはスーパーユーザー権限を所有するOSユーザーでログインしてください。

操作手順

  1. 次のファイル(ユーザーマッピング定義ファイル)をviなどのテキストエディターで開く。

    /etc/opt/jp1base/conf/user_acl/jp1BsUmap.conf
  2. ユーザーマッピングを設定する。

    ユーザーマッピング定義ファイルを編集して,ユーザーマッピングを設定します。

    ユーザーマッピング定義ファイルの記載形式を次に示します。

    JP1ユーザー名:ジョブ実行要求を受け付けるホスト名:OSユーザー名

    JP1ユーザー「user01」とマネージャーホストのOSユーザー「MAN_OSuser」をマッピングする場合は,次のように記載します。

    user01:*:MAN_OSuser
  3. ファイルを保存して閉じる。

  4. 次のコマンドを実行する。

    jbsmkumap

操作結果

JP1ユーザーとマネージャーホストのOSユーザーがマッピングされました。

次の作業

マネージャーホストのJP1/AJS3 - Managerをセットアップします。

関連項目

(5) ユーザー権限レベルファイルの記載形式

ユーザー権限レベルファイルを編集することで,JP1権限レベルを設定できます。ユーザー権限レベルファイルの記載形式について説明します。

ファイルのパス

/etc/opt/jp1base/conf/user_acl/JP1_UserLevel

記載形式

JP1ユーザー名:JP1資源グループ名=JP1権限レベル名:JP1資源グループ名=JP1権限レベル名...

設定例

JP1ユーザー「user01」と「user02」に対してJP1権限レベルを設定する例を,次に示します。

ファイルの編集例
jp1admin:*=JP1_AJS_Admin,JP1_Console_Admin,JP1_JPQ_Admin
user01:unit01=JP1_AJS_Operator,JP1_JPQ_Operator:unit02=JP1_AJS_Operator,JP1_JPQ_Operator
user02:*=JP1_AJS_Admin,JP1_JPQ_Admin

関連項目

(6) ユーザーマッピング定義ファイルの記載形式

ユーザーマッピング定義ファイルを編集してjbsmkumapコマンドを実行することで,ユーザーマッピングを設定できます。ユーザーマッピング定義ファイルの記載形式について説明します。

ファイルのパス

/etc/opt/jp1base/conf/user_acl/jp1BsUmap.conf

記載形式

JP1ユーザー名:ジョブ実行要求を受け付けるホスト名:OSユーザー名

設定例

JP1ユーザー「user01」と「user02」のユーザーマッピングを設定する例を,次に示します。

ファイルの編集例
user01:MAN01:MAN_OSuser
user02:*:MAN_OSuser

関連項目