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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.11.37 仮想サーバのマイグレーション

機能

VMware vSphere環境で,指定された仮想サーバをマイグレーションします。

vSphere Clientの仮想サーバおよびテンプレートの画面で,仮想サーバの表示される位置を指定されたフォルダに変更します。

仮想サーバを移動する場合は,仮想サーバの移動先(VMware.destinationNameプロパティ)を指定します。

移動先には,VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)またはリソースプール,クラスタを指定できます。

また,vSphere Clientの仮想マシンおよびテンプレートの画面において,仮想サーバを移動する場合は,仮想サーバの移動先にフォルダの名称を指定してください。

仮想サーバを配置するデータストアを移動する場合は,仮想サーバの移動先(データストア)名(VMware.destinationDataStoreNameプロパティ)を指定します。

移動先には,データストアの名称を指定してください。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・ESXサーバ

 VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)によって管理されている仮想サーバです。

プロパティ設定の留意点を次に示します。

・ESXサーバのバージョンが"5.0"以前の場合

 起動している仮想サーバを仮想サーバ名(VMware.vmNameプロパティ)に指定する場合,仮想サーバの移動先(VMware.destinationNameプロパティ)と仮想サーバの移動先(データストア)名(VMware.destinationDataStoreNameプロパティ)を同時に指定することはできません。

利用場面

・この部品は,物理マシンのメモリ増設やCPU交換などのメンテナンス時や,特定のVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)が高負荷によって処理性能不足となった場合に,仮想サーバをマイグレーションする際に利用できます。

・この部品は,仮想サーバの追加やデータストアの容量変更などによって,仮想サーバの再配置が必要になった場合,仮想サーバを配置するデータストアを別のデータストアにマイグレーションする際に使用できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-10以降

【実行対象システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)

 ・VMware vSphere ESXi 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 6 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 7 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 8 (64-bit x86_64)

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下で,仮想サーバ名が重複しないこと。

 ・仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。

 ・同一のvCenterの管理下で,データストア名が重複していないこと。 

(3)VMware vSphere ESX上の設定に関する条件

 ・VMware vSphere ESXのバージョンが5.0以前の場合

  仮想サーバのマイグレーションをする場合は,対象となる仮想サーバの環境が,vMotionの前提条件を満たしていること。

  仮想サーバを配置するデータストアを移動する場合は,対象となる仮想サーバの環境が,Storage vMotionの前提条件を満たしていること。

 ・VMware vSphere ESXのバージョンが5.1以降の場合

  仮想サーバのマイグレーションをする場合は,対象となる仮想サーバの環境が,vMotionまたはCross-Host Storage vMotionの前提条件を満たしていること。

  仮想サーバを配置するデータストアを移動する場合は,対象となる仮想サーバの環境が,Storage vMotionまたはCross-Host Storage vMotionの前提条件を満たしていること。  

【実行対象サーバ内前提製品】

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.3 Release1,6.0 Release3,6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

 ・VMware PowerCLI 6.5 Release1

 ・VMware PowerCLI 6.5.1,6.5.4

 ・VMware PowerCLI 10.1.0,10.1.1,11.3.0,12.0.0,12.1.0

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

注意事項

(1)この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。

(2)移動元と移動先の仮想化ソフトウェアは同一製品である必要があります。

(3)仮想サーバが動作する仮想化ソフトウェアが起動している必要があります。

(4)仮想サーバ名,クラスタ名,vApp名,リソースプール名,データストア名は,vCenter Server内で一意である必要があります。

 クラスタとvApp,クラスタとリソースプールの組み合わせなど,種別が異なっていても同じ名前にすることはできません。

(5)仮想サーバの移行先にクラスタを指定する場合,移行する仮想サーバが移行先として指定するクラスタ配下のリソースプールに存在している必要があります。

(6)仮想サーバの移行先にフォルダを指定する場合,vSphere Clientの仮想サーバおよびテンプレートの画面に,移行先として指定するフォルダが存在している必要があります。

(7)VMware vCenter Server 4.1 U2より前のバージョンの環境では,停止状態の仮想サーバを異なるデータセンターのESXに対してマイグレーションした場合に,エラーとなるおそれがあり,部品の実行に失敗します。対処方法は,VMware Knowledge Baseの" Migrating a powered off virtual machine across hosts in different datacenters fails with the error: A specified parameter was not correct. host"をご確認ください。

(8)仮想サーバの移動先(VMware.destinationNameプロパティ),仮想サーバの移動先(データストア)名(VMware.destinationDataStoreNameプロパティ)はどちらかもしくは両方を指定してください。どちらの指定も無い場合,この部品は異常終了します。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 対象とする仮想サーバに対して「vMotionのクエリ」と「移行」「再配置」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール

バージョン

02.11.00

部品のタグ

Migrate VM,VMware vSphere

タスクログに表示される部品の名称

vsphereMigration

戻り値

戻り値

説明

0

正常

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

VMware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

443

入力

△ 

VMware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

https

入力

○ 

VMware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

VMware.destinationName

仮想サーバの移動先

移動先のVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)またはリソースプール,クラスタ,フォルダの名称を指定します。

− 

入力

△ 

VMware.destinationDataStoreName

仮想サーバの移動先(データストア)名

仮想サーバの移動先のデータストアの名称を指定します。

− 

入力

△ 

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△