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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


4.13.10 OSサービスの操作

機能

WindowsまたはLinux環境において,OSサービスに対する操作を実行します。

このドキュメント内で使用している用語を次に示します。

・OSサービス

 JP1/AOで実行するサービスと区別するため,WindowsのサービスおよびLinuxのサービスを総称してOSサービスと記載します。

この部品では,次のサーバを前提とします。

・実行対象サーバ

 この部品を実行する対象となるサーバです。

指定するOSサービス名(common.serviceNameプロパティ)は,実行対象サーバのOS種別によって異なります。

・OSがWindowsの場合:「コントロール パネル」−「管理ツール」−「サービス」の名前欄に表示される名称,サービス表示名。

・OSがLinuxの場合:/etc/init.dディレクトリ配下のサービススクリプト名。

実行するOSサービス操作(common.serviceCommandプロパティ)は,次の6つです。他の操作は指定できません。

・start(開始)

・stop(停止)

・restart(再起動)

・status(状態取得)

・suspend(一時中断)*

・resume(再開)*

 *:一時中断と再開は,実行対象サーバがWindowsの場合のみ操作可能です。

各操作の仕様は,実行対象サーバのOSの仕様に従います。例えば,既に実行中のOSサービスに対するstart操作,および既に停止しているOSサービスに対するstop操作は,エラーにはならず正常終了します。また,既に停止しているOSサービスに対するrestart操作は,起動処理だけを実行します。

status操作を実行した場合は,取得結果をOSサービスの状態(common.serviceStatusプロパティ)に数字で格納します。数字の意味を次に示します。

・Windowsの場合:

 1: サービスは停止しています。

 2: サービスは開始処理中です。

 3: サービスは停止処理中です。

 4: サービスは実行中です。

 5: サービスの継続は保留中です。

 6: サービスは一時中断処理中です。

 7: サービスは一時中断しています。

 99: サービスは状態不明です。

・Linuxの場合:

 OSサービス名に指定したサービススクリプトの仕様に従います。例として,Red Hat Enterprise Linuxの一般的なサービススクリプトの仕様を次に示します。

 0: プログラムは実行中。

 1: プログラムは停止していますが,プロセス ID ファイルが残っています。

 2: プログラムは停止していますが,ロックファイルが残っています。

 3: プログラムは停止しています。

 4: プロセスIDファイルを読み込む権限が無いため,プログラムの実行状態を判定できません。

suspend操作を実行した場合,指定したOSサービスの状態によって次のような実行結果となります。

・OSサービスの状態が「一時停止」の場合,OSサービスの状態は「一時停止」のまま,この部品は正常終了します。

・OSサービスの状態が「開始」の場合,OSサービスの状態は「一時停止」になり,この部品は正常終了します。

・OSサービスの状態が「停止」の場合,OSサービスの状態は「停止」のまま,この部品は異常終了します。

resume操作を実行した場合,指定したOSサービスの状態によって次のような実行結果となります。

・OSサービスの状態が「一時停止」の場合,OSサービスの状態は「開始」になり,この部品は正常終了します。

・OSサービスの状態が「開始」の場合,OSサービスの状態は「開始」になり,この部品は正常終了します。

・OSサービスの状態が「停止」の場合,OSサービスの状態は「停止」のまま,この部品は異常終了します。

利用場面

この部品は,OSサービスの状態取得や制御を行う場合に利用できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバの稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-00以降

【実行対象サーバ内前提製品】

なし。

【実行対象サーバの稼働OS】

 (1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 (2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 (3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 (4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 (5) Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

 (6) Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 (7) Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

 (8) CentOS 6 (64-bit x86_64)

 (9) CentOS 7 (64-bit x86_64)

 (10) CentOS 8 (64-bit x86_64)

 (11) Oracle Linux 8 (64-bit x86_64)

【実行対象サーバの使用条件】

 なし。

注意事項

(1) 実行対象サーバの稼働OSがWindowsの場合,エージェントレス接続先に定義された接続ユーザーに,操作対象のOSサービスに対するアクセス許可が必要です。

(2) 実行対象サーバの稼働OSがWindowsの場合,開始および再起動できるOSサービスは,スタートアップの種類が「手動」または「自動」のOSサービスだけです。スタートアップの種類が「無効」のOSサービスは開始できません。

(3) 実行対象サーバの稼働OSがWindowsの場合,指定したOSサービスと依存関係のある他のOSサービスに対する操作は実行しません。そのため,指定したOSサービスに対する操作が失敗する場合があります。

(4) 実行対象サーバの稼働OSがWindowsの場合,次の条件が重なると,この部品が異常終了します。

 ・他のOSサービスが依存しているOSサービスに対して,停止または再起動を実行する。

 ・依存関係にあるOSサービスの停止要否(Windows.dependOnServiceStopプロパティ)にfalseと指定する。

(5) 実行対象サーバの稼働OSがWindowsの場合,プロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。指定した場合,この部品が異常終了します。

(6) 実行対象サーバの稼働OSがLinuxの場合,プロパティには「"」(ダブルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。指定した場合,この部品が異常終了します。

(7) 実行対象サーバの稼働OSとは関係なく,OSサービス名(common.serviceNameプロパティ)は完全名で指定してください。部分一致やワイルドカードによる指定はできません。特にOSがLinuxの場合は,大文字・小文字も区別されます。

(8) 一時中断,再開操作を実行する際に,一時中断および再開をサポートしていないOSサービスを指定した場合,この部品は異常終了します。

実行権限

Windowsの場合:Administrator権限

Linuxの場合:root権限

バージョン

02.01.00

部品のタグ

Control OS,Windows,Linux

タスクログに表示される部品の名称

osOperateService

戻り値

戻り値

説明

0

正常

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

21

異常(環境不正) コマンドが見つからない/実行できない(部品スクリプトでエラーを検知)

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

common.serviceName

OSサービス名

操作するOSサービス名を指定します。OSがWindowsの場合はサービス表示名,Linuxの場合はサービススクリプト名が該当します。

− 

入力

○ 

common.serviceCommand

OSサービスの操作

OSサービスに対する操作(start/stop/restart/status/suspend/resume)を指定します。

status

入力

○ 

Windows.dependOnServiceStop

依存関係にあるOSサービスの停止要否:Windows固有

実行対象サーバのOSがWindowsの場合に,指定したOSサービスに対して他のOSサービスが依存していても停止または再起動を行う場合はtrue,停止または再起動を行わない場合はfalseを指定します。省略した場合はfalseが設定されます。OSサービスの開始または状態取得を行う場合および,OSがLinuxの場合は指定しても無視されます。

− 

入力

△ 

common.serviceStatus

OSサービスの状態

OSサービスの状態取得を実行した場合に,取得したOSサービスの状態が格納されます。

− 

出力

△ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△