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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


4.12.1 インスタントリカバリ実行(JP1/VERITAS)

機能

この部品は,JP1/VERITAS NetBackupサーバで作成した仮想サーバの最新のバックアップを用いて,バックアップ元と同じJP1/VERITAS NetBackupサーバで仮想サーバのインスタントリカバリ(nbrestorevm -ir_activateコマンド)を実行します。インスタントリカバリジョブが正常に起動したことを確認(nbrestorevm -ir_listvmコマンドの出力結果に指定した仮想サーバ名のインスタントリカバリジョブが存在することを確認)したあと,実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト(nbrestorevm -ir_listvmコマンドの出力結果)を実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト出力ファイル名(JP1VERITAS.jobListOutputFileName)に出力します。指定した仮想サーバが,バックアップされた際に管理されているESXサーバにインスタントリカバリされます。

プロパティ設定の留意点を次に示します。

・仮想サーバの起動要否(JP1VERITAS.startVMプロパティ)に"true"を指定した場合,インスタントリカバリジョブ実行後に仮想サーバを起動します。"true"以外を指定した場合は,仮想サーバを起動しません。

・一時データストア名(JP1VERITAS.dataStoreNameプロパティ)には作成済みのデータストアを指定してください。

・JP1/VERITAS NetBackupのマスターサーバとメディアサーバが異なるサーバ上に存在する場合はメディアサーバのホスト名(JP1VERITAS.mediaServerHostプロパティ)にメディアサーバのホスト名を指定してください。

・仮想サーバ名(JP1VERITAS.vmNameプロパティ)は大文字小文字を区別しません。

・インスタントリカバリが正常に起動したことを確認するために,インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ間隔(JP1VERITAS.waitJobActIntervalプロパティ)に指定した秒数待ち,ジョブが起動したか確認する動作をインスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ回数(JP1VERITAS.waitJobActCountプロパティ)に指定した回数実行します。指定した回数の実行までにジョブが起動した場合は部品が正常終了し,ジョブが起動しなかった場合は部品が異常終了します。

・一時データストア名(JP1VERITAS.dataStoreNameプロパティ)にはインスタントリカバリ先のESXサーバが管理するデータストアの名前を指定してください。

この部品では,次のサーバを前提とします。

・JP1/VERITAS NetBackupサーバ(実行対象サーバ)

 JP1/VERITAS NetBackup(マスターサーバ)が動作するサーバです。

利用場面

JP1/VERITAS NetBackupサーバでバックアップされたVMWare仮想サーバを迅速に回復するため,インスタンスリカバリを開始する際に使用します。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバの稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 11-00以降

【実行対象サーバ内前提製品】

 (1)JP1/VERITAS NetBackup 7.6,7.7

 (2)JP1/VERITAS NetBackup 8.0,8.1,8.2,8.3

 (3)JP1/VERITAS NetBackup 9.0,9.1

【実行対象サーバの稼働OS】

(1) Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

(2) Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

(3) Windows Server 2016 Standard/Datacenter

(4) Windows Server 2019 Standard/Datacenter

(5) Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

(6) Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

(7) Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

【実行対象サーバの使用条件】

(1) JP1/VERITAS NetBackupサーバで仮想サーバ名(JP1VERITAS.vmNameプロパティ)に指定した仮想サーバのバックアップが作成されていること。バックアップは次の条件で作成してください。

 ・バックアップポリシーでPrimary VM identifierとしてVM display Nameを指定していること。

 ・バックアップポリシーでバックアップホストとしてWindowsサーバを指定していること。

(2) 仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名が重複しないこと。

 ・同一のvCenterの管理下において,仮想サーバ名(JP1VERITAS.vmNameプロパティ)に指定した仮想サーバが存在しないこと。

注意事項

(1)この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。

(2)同一の仮想サーバ名(JP1VERITAS.vmNameプロパティ)を指定してこの部品,およびこの部品とnbrestorevm -ir_activateコマンドは同時実行しないでください。同時実行した場合,部品が正常終了してもインスタントリカバリジョブが正常に起動していないおそれがあるため,実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストで仮想サーバ名(VM Display Name),一時データストア名(Temporary datastore name for writes),メディアサーバ名(Media Server Name)(メディアサーバのホスト名(JP1VERITAS.mediaServerHostプロパティ)を指定している場合だけ)がこの部品で指定した値になっていることを確認してください。

(3)仮想サーバ名(JP1VERITAS.vmNameプロパティ)にインスタントリカバリジョブが実行中の仮想サーバを指定した場合,部品が異常終了します。

(4)実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト出力ファイル名(JP1VERITAS.jobListOutputFileNameプロパティ)に指定したファイルが既に存在する場合,既存のファイルを上書きします。そのため,指定したファイル名に誤りがないか,十分に確認してください。

(5)作成するファイルのパスに含まれるフォルダが存在しない場合は,そのフォルダを作成します。

実行権限

・Windowsの場合は,Administratorsグループに属するユーザーであること。

・UNIXの場合は,root権限を持つユーザーであること。

バージョン

02.00.00

部品のタグ

Control JP1,VERITAS,Windows,Linux

タスクログに表示される部品の名称

jp1veritasStartInstantRecovery

戻り値

戻り値

説明

0

正常

12

異常(ユーザーミス) プロパティ不正

21

異常(環境不正) コマンドが見つからない(部品スクリプトでエラーを検知)

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

JP1VERITAS.mediaServerHost

メディアサーバのホスト名

JP1/VERITAS NetBackUpのメディアサーバのホスト名を指定します。マスターサーバとメディアサーバが異なるサーバ上に存在する場合は指定してください。

− 

入力

△ 

JP1VERITAS.dataStoreName

一時データストア名

仮想サーバがリストアされるまで,スナップショットの書き込みが行われるESXサーバ上の一時データストアを指定します。作成済みのデータストアを指定してください。

− 

入力

○ 

JP1VERITAS.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

JP1VERITAS.startVM

仮想サーバの起動要否

インスタントリカバリ後に仮想サーバを起動する場合は"true"を指定します。"true"以外の場合は,仮想サーバを起動せずに終了します。

true

入力

○ 

JP1VERITAS.jobListOutputFileName

実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リスト出力ファイル名

実行中のインスタントリカバリジョブの詳細リストを出力するファイル名をフルパスで指定します。

− 

入力

○ 

JP1VERITAS.waitJobActCount

インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ回数

インスタントリカバリジョブの起動を確認する回数を1〜3600で指定します。

60

入力

○ 

JP1VERITAS.waitJobActInterval

インスタントリカバリジョブ起動待ち合わせ間隔

インスタントリカバリジョブの起動を確認する間隔(秒)を1〜60で指定します。

10

入力

○ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△