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JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


3.16.12 仮想サーバ追加(デプロイ/OS初期設定)環境確認

機能

仮想サーバ追加(デプロイ/OS初期化)サービスの前提環境を確認します。

このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXによって管理されている仮想サーバです。

処理の概要を次に示します。

(1) vCenter操作サーバからvCenterサーバに接続できるかどうか確認します。

(2) 指定されたテンプレートから仮想サーバを作成できるかどうか確認します。

 このサービスで確認している項目を次に示します。

 ・指定されたテンプレートがvCenterサーバ上に登録されているかを確認します。

  テンプレートがvCenterサーバ上に登録されていない場合はNGとなります。

 ・指定されたESXサーバがvCenterサーバ上に登録されているかを確認します。

  ESXサーバがvCenterサーバ上に登録されていない場合はNGとなります。

 ・指定されたデータストアがESXサーバ上に登録されているかを確認します。

  データストアがESXサーバ上に登録されていない場合はNGとなります。

 ・指定されたESXサーバ上のデータストアに,テンプレートを展開できる容量が空いているかを確認します。

  テンプレートの容量が,データストアの空き容量を超過している場合はNGとなります。

  比較に使用するテンプレートの容量は,テンプレートに設定している仮想ディスクの「プロビジョニングしたストレージ」の容量です。

 ・指定されたリソースプール(リソースプール,クラスタ,vApp)がvCenterサーバ上に登録されているかを確認します。

  リソースプールがvCenterサーバ上に登録されていない場合はNGとなります。

 ・指定された仮想サーバ名がvCenterサーバ内で使用されていないかを確認します。

  仮想サーバ名がvCenterサーバ内で既に使用されている場合はNGとなります。

(3) 指定されたIPアドレスに対してICMPエコー要求を送信し,応答があるかどうか確認します。

  応答がなかった場合,IPアドレスはOK(未使用中)とします。

  応答があった場合,IPアドレスはNG(使用中)とします。

前提条件

【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 12-00以降

【サービステンプレート実行システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)

 ・VMware vSphere ESXi 7.0,6.7,6.5,6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)vCenter操作サーバの前提製品

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.3 Release1,6.0 Release3,6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

 ・VMware PowerCLI 6.5 Release1

 ・VMware PowerCLI 6.5.1,6.5.4

 ・VMware PowerCLI 10.1.0,10.1.1,11.3.0,12.0.0,12.1.0

【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】

(1)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)(vCenter4.1以降。vCenter4.0では未サポート)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 7 (64-bit x86_64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 6 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 7 (64-bit x86_64)

 ・CentOS 8 (64-bit x86_64)

(2)vCenter操作サーバの前提OS

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2016 Standard/Datacenter

 ・Windows Server 2019 Standard/Datacenter

【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)上の設定に関する条件

 ・ポートグループが設定済みであること。仮想サーバに設定するポートグループは,標準仮想スイッチ(vNetwork 標準スイッチ/vSphere 標準スイッチ)を使ったネットワーク上のポートグループを指定してください。

 ・デプロイに使用するテンプレートが作成済みであること。

 ・仮想サーバをリソースプールに格納する場合,リソースプール,クラスタ,vAppの名称が一意であること。

  クラスタとvApp,クラスタとリソースプールの組み合わせなど,種別が異なっていても,同じ名前にすることはできません。

 ・VMwareに関連する次の名称について,VMware上では英字の大文字・小文字は区別されますが,このサービスが実行するvSphere Power CLIからは,指定した名称の英字の大文字・小文字を区別できません。

  そのため,英字の大文字・小文字が異なる同名の名称を使用している環境に対して,このサービスを使用することはできません。

  ・データストア名

  ・リソースプール名

  ・vApp名

(2)デプロイに使用するテンプレートに関する条件

 ・VMware Toolsがインストール済みであること。

 ・リモートコマンドが実行可能な設定であること。Windowsの場合は管理共有,Linuxの場合はSSHが有効になっていること。

 ・NICが設定してあること(最大2個まで)。

 ・pingの受付,応答を許可していること。

 ・仮想サーバのテンプレート化を実施する際には,仮想サーバが停止した状態でテンプレート化を行ってください。

(3)仮想サーバに関する条件

 ・同一のVMware vCenter Serverの管理下で,仮想サーバ名が重複しないこと。

(4)本製品に関する条件

 ・デプロイする仮想サーバは,「管理」タブのエージェントレス接続先定義に,事前に認証情報を登録してあること。

注意事項

(1)指定するポートグループは,ローカルサーバと通信可能なポートグループを指定する必要があります。仮想サーバのNICが複数ある場合は,どれかのNICをローカルサーバと通信可能なポートグループに設定してください。

(2)IPアドレス(管理用)には,仮想サーバのOSにIPアドレスとして設定できない値は入力しないでください。例えば,ネットワークアドレスやブロードキャストアドレス,「0.0.0.0」や「255.255.255.255」などの特殊なアドレスは指定できません。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

 システム管理者ロール

(2)vCenter操作サーバに接続するユーザーに、次の権限が必要です。

 ビルトイン Administrator

バージョン

03.00.00

タグ

Gather VM information,VMware vSphere

プロパティ一覧

プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。

プロパティグループ

説明

初期表示

仮想システム環境情報

VMware vCenter Serverの情報を指定してください。

表示されます。

確認用仮想環境情報

確認する仮想サーバ情報を指定してください。

表示されます。

実行時オプション

仮想サーバ情報の確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。

表示されません。

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

(凡例)

○:プロパティの指定は必須です。

△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.targetHost

VMware vCenter操作サーバのホスト名

VMware vCenter Serverを操作するサーバ(vSphere PowerCLIインストール済みサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

vmware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

入力

無効

△ 

仮想システム環境情報

vmware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

入力

無効

○ 

仮想システム環境情報

common.icmpEchoTimeout

ICMPエコー要求のタイムアウト時間

IPアドレスの空き確認で実施する,ICMPエコー要求に対する応答を待つ時間をミリ秒単位で指定します。

入力

無効

○ 

実行時オプション

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

必須区分

プロパティグループ

vmware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

入力

無効

○ 

確認用仮想環境情報

vmware.templateName

テンプレート名

仮想サーバの基となるテンプレート名を指定します。

入力

無効

○ 

確認用仮想環境情報

vmware.vmHostName

ESXサーバ名

VMware vCenter Serverが管理する[ホストおよびクラスタ]に表示されるESXサーバ名を指定します。

入力

無効

○ 

確認用仮想環境情報

vmware.dataStoreName

データストア名

データストアの名称を指定します。

入力

無効

○ 

確認用仮想環境情報

vmware.resourcePoolName

リソースプール名

仮想サーバを格納するリソースプール,vApp,クラスタを指定します。

入力

無効

△ 

確認用仮想環境情報

vmware.portGroupName

ポートグループ名

仮想サーバに現在設定されているポートグループ名(変更前)を指定します。

入力

無効

△ 

確認用仮想環境情報

vmware.portGroupNameNew

ポートグループ名(更新時)

仮想サーバに新しく設定するポートグループ名を指定します。

入力

無効

△ 

確認用仮想環境情報

OS.ipAddressMan

IPアドレス(管理用)

仮想サーバに設定する管理用LANのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

入力

無効

△ 

確認用仮想環境情報

[タスク詳細]画面にだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

入出力種別

共有設定

vmware.checkConnectResult

vSphere接続確認のチェック結果

VMware vCenter Serverに接続できるかどうか確認した結果を格納します。

出力

無効

vmware.checkTemplateResult

仮想サーバ作成確認のチェック結果

仮想サーバを作成できるかどうか確認した結果を格納します。

出力

無効

os.checkICMPResult

ICMP確認のチェック結果

指定されたIPアドレスが使用されていないかどうか確認した結果を格納します。

出力

無効

[サービス設定]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.targetHost

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.vCenterServerName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.userName

512文字以内の半角英数字および半角記号。 ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「/」,「:」,「=」,「,」,「+」,「%」を除く。

vmware.password

127文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portNumber

1〜65535の整数値。

vmware.protocol

次の値のどれかを選択する。

http,https

common.icmpEchoTimeout

1〜214783647の整数値。

[サービス設定]画面および[サービス実行]画面に表示されるプロパティの入力制限を次に示します。

プロパティキー

入力可能文字

vmware.vmName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「,」,「%」を除く。

vmware.templateName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.vmHostName

256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。

vmware.dataStoreName

42文字以内の半角英数記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.resourcePoolName

60文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」を除く。

vmware.portGroupName

49文字以内の半角英数字。 および,「 (スペース)」,「-」,「.」,「/」,「_」。

vmware.portGroupNameNew

49文字以内の半角英数字。 および,「 (スペース)」,「-」,「.」,「/」,「_」。

OS.ipAddressMan

15文字以内の半角数字および「.」。

フロー仕様詳細

フロー仕様詳細を次の表に示します。

階層

[タスク詳細]画面での表示名

ステップ名

部品

部品名

説明

エラー時の回復方法

1

vSphere接続確認

vSphere接続確認

VMware vCenter Server接続確認

vCenterサーバに接続できるかどうか確認します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

2

仮想サーバ作成確認

仮想サーバ作成確認

仮想サーバ作成確認

指定されたテンプレートから仮想サーバを作成できるかどうか確認します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

3

IPアドレス確認

IPアドレス確認

階層フロー部品

IPアドレスが使用されていないことを確認します。

− 

3-3

値判定分岐部品

出力文字列が存在するか判定します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。

3-4

ICMPエコー要求メッセージの送信 (無応答確認)

指定されたIPアドレスにICMPエコー要求を発行します。応答が無いことを確認します。

エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行してください。