Hitachi

JP1 Version 12 JP1/Automatic Operation 構築ガイド 


2.6 接続先プロパティファイル(接続先名.properties)

次の部品を実行する際に,操作対象の機器との接続に使用する情報を設定するための定義ファイルです。

形式

指定キー名=設定値

格納先フォルダ

非クラスタシステムの場合

JP1/AOのインストール先フォルダ\conf\plugin\destinationsまたは/opt/jp1ao/conf/plugin/destinations

クラスタシステムの場合

共有フォルダ名\jp1ao\conf\plugin\destinationsまたは共有フォルダ名/jp1ao/conf/plugin/destinations

定義の反映契機

接続先プロパティファイルを参照する部品の実行時

記述内容

指定キー名と設定値を1行に1つずつ指定します。接続先プロパティファイルを記述するときは,次の点に注意してください。

設定項目

表2‒9 接続先プロパティファイルの設定項目

キー名

設定項目

設定できる値

terminal.charset

通信で使用する文字セットを指定する。

  • EUC-JP

  • eucjp

  • ibm-943C

  • ISO-8859-1

  • MS932

  • PCK

  • Shift_JIS

  • UTF-8

  • windows-31j

telnet.port

ターミナル接続部品を使用して,Telnet接続する際のポート番号を指定する。ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のtelnet.port.numberより優先される。

0~65535

ssh.port

次の部品を使用して,SSH接続する際のポート番号を指定する。

  • 汎用コマンド実行部品

  • ファイル転送部品

  • ターミナル接続部品

  • コンテンツ部品

ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のssh.port.numberより優先される。

0~65535

telnet.prompt.account

ターミナル接続部品で接続先の機器に接続する場合,ユーザーIDの入力を求める際に出力される文字列を検出するための正規表現パターンを1~1,024文字で指定する。例えば,「Username:」など。

正規表現パターンで使用できる文字列

telnet.prompt.password

ターミナル接続部品で接続先の機器に接続する場合,パスワードの入力を求める際に出力される文字列を検出するための正規表現パターンを1~1,024文字で指定する。例えば,「Password:」など。

正規表現パターンで使用できる文字列

telnet.noStdout.port.list

ターミナル接続部品で接続したあと,標準出力を返さないサービスのポート番号を1~1,024文字で指定する。ポート番号を複数列挙する場合は「,」で区切って指定する。

0~65535および「,」

wmi.workDirectory.sharedPath

汎用コマンド実行部品,ファイル転送部品,およびコンテンツ部品を実行する場合,コマンドの実行時に転送されるファイルが格納される共有フォルダの絶対パスを指定する。絶対パスは0~80文字で指定する。

このプロパティで指定した値\Hitachi\CMALib\JP1AO」フォルダが作成され,その配下に「home」と「launcher」フォルダが作成される。

このプロパティは,次の場合に指定する必要がある。

  • 操作対象の機器のOSがWindows Serverでクラスタ構成の場合

  • 論理ホスト名または論理IPアドレスを使用して,操作対象の機器に接続する場合

このプロパティを指定する場合,wmi.workDirectory.sharedNameも指定する必要がある。またwmi.workDirectory.sharedNameで指定したフォルダ名と一致させる必要がある。

指定を省略した場合,次のフォルダが作成される。

  • JP1/AOが非クラスタ構成の場合,またはクラスタ構成の現用系の場合

    %windir%\Hitachi\CMALib\JP1AO

  • JP1/AOがクラスタ構成の待機系の場合

    %windir%\Hitachi\CMALib\JP1AO_2

半角英数字,「\」,「:」,「-」,「_」,「.」

wmi.workDirectory.sharedName

汎用コマンド実行部品,ファイル転送部品,およびコンテンツ部品を実行する場合,コマンドの実行時に転送されるファイルが格納される共有フォルダの名称(共有名)を指定する。共有フォルダの名称は0~80文字で指定する。

このプロパティで指定した値\Hitachi\CMALib\JP1AO」フォルダが作成され,その配下に「home」と「launcher」フォルダが作成される。

このプロパティは,次の場合に指定する必要がある。

  • 操作対象の機器のOSがWindows Serverでクラスタ構成の場合

  • 論理ホスト名または論理IPアドレスを使用して,操作対象の機器に接続する場合

このプロパティは,wmi.workDirectory.sharedPathを指定した場合に指定する。指定例を次に示す。

wmi.workDirectory.sharedPath = F:\\work

wmi.workDirectory.sharedName = work

半角英数字,「-」,「_」,「.」

wmi.adapter.id

Windows環境で複数のJP1/AOから,汎用コマンド実行部品,ファイル転送部品,またはコンテンツ部品を実行する場合に指定する。システム上に存在するほかのJP1/AOとは異なる値を指定する必要がある。なお,Windows環境に同時に接続できるJP1/AOは2台までである。

また,Windows環境で同一ホスト上の物理ホストと論理ホストに存在する操作対象の機器に対して,汎用コマンド実行部品,ファイル転送部品,またはコンテンツ部品を同時に実行したい場合に指定する。このプロパティは,各論理ホストの接続先プロパティファイルで,論理ホストごとに異なる値を指定する。

プロパティの値は1~2文字で指定する。

なお,プロパティの値に「2」(一文字)を指定してはいけない。

このプロパティで指定した値は,接続先Windows上のサービス名や,共有フォルダ配下に作成するフォルダ名の一部に使用される。

wmi.workDirectory.sharedPathで指定したプロパティ\Hitachi\CMALib\JP1AO_このプロパティで指定した値」フォルダが作成され,その配下に「home」と「launcher」フォルダが作成される。

ローカル実行機能が有効で,操作対象の機器がローカルホストの場合は,本プロパティの指定は無効となります。

半角英数字
wmi.win32.UACAdministratorsExec 操作対象の機器のOSがWindowsで,UACが有効な場合にSystemアカウント以外のユーザーで部品を実行するための設定を有効にするかどうかを指定する。ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のplugin.wmi.win32.UACAdministratorsExecより優先される。
  • true:有効にする

  • false:無効にする

wmi.win32.CreationFlags.CREATE_NO_WINDOW 操作対象の機器のOSがWindowsの場合,Systemアカウント以外のユーザーでプログレスバーを表示するようなコマンドを実行すると,正しく動作コマンドを実行すると,正しく動作しない場合があるときに有効にする。ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のplugin.wmi.win32.CreationFlags.CREATE_NO_WINDOWより優先される。
  • true:有効にする

  • false:無効にする

ssh.workDirectory

OSがUNIXの操作対象の機器に対して,ファイル転送部品およびコンテンツ部品を実行する場合の作業用フォルダのパスを絶対パスで指定する。※1絶対パスは0~128文字で指定する。

フォルダまたはシンボリックリンクを指定する。また,パスにシンボリックリンクを含めることができる。指定した値が不正の場合,ファイル転送部品およびコンテンツ部品は異常終了となる。

このプロパティで指定したパスや,親フォルダに対してファイル転送部品を実行した場合は,製品サポートの対象外である。

作業用フォルダには,接続ユーザーに対して,読み込み権限,書き込み権限および実行権限が必要である。

ファイル転送部品やコンテンツ部品を実行したときに,このプロパティで指定したパスが存在しない場合は,部品実行時にフォルダを作成する。フォルダが作成できなかった場合は,部品は異常終了となる。フォルダを新規作成するかどうかに関わらず,作業用フォルダのパーミッションを777に変更すること。

半角英数字,「/」,「-」,「_」,「.」

common.executionDirectory

操作対象の機器のOSがWindowsの場合※2

コンテンツ部品を実行するための実行ディレクトリのパスを指定する。なお,実行ディレクトリは,作業用フォルダと同じドライブ配下に事前に作成し,必要に応じてパーミッションを変更する必要がある。少なくとも,部品を実行するユーザーのパーミッションを付与する必要がある。

コンテンツ部品の「実行モード」が「スクリプト」の場合,ここで指定した値と,スクリプトファイル名の合計の文字列長が140文字以下になるようにする必要がある。140文字を超える場合,スクリプトファイルの転送に失敗することがある。なお,スクリプトファイル名は90文字以内で指定するため,ここで指定する値は,50文字以内とすることをお勧めする。

操作対象の機器のOSがLinuxの場合※3

コンテンツ部品を実行するための実行ディレクトリのパスを指定する。なお,実行ディレクトリは事前に作成し,必要に応じてパーミッションを変更する必要がある。少なくとも,部品を実行するユーザーのパーミッションを付与する必要がある。

0~128文字の文字列

注※1

作業用ディレクトリは次の優先順位で決定します。

優先順位

設定値

1

ssh.workDirectoryで指定した値

2

ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のplugin.remoteCommand.workDirectory.sshで設定した値

3

/tmp/Hitachi_AO

注※2

実行ディレクトリは次の優先順位で決定します。

優先順位

設定値

1

部品に定義された実行ディレクトリの値

2

common.executionDirectoryで指定した値

3

ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のplugin.remoteCommand.executionDirectory.wmiで指定した値

4

操作対象の機器の接続先のWindowsの環境変数%TEMP%の値

注※3

実行ディレクトリは次の優先順位で決定します。

優先順位

設定値

1

部品に定義された実行ディレクトリの値

2

common.executionDirectoryで指定した値

3

ユーザー設定プロパティファイル(config_user.properties)のplugin.remoteCommand.executionDirectory.sshで指定した値

4

/tmp

定義例

terminal.charset=UTF-8
telnet.port=23
ssh.port=22
telnet.prompt.account=login
telnet.prompt.password=password
telnet.noStdout.port.list=25,80,110