Hitachi

JP1 Version 11 JP1/Advanced Shell 


12.4.1 エラーの詳細(Windowsの場合)

JP1/Advanced Shellが出力するメッセージは,Cランタイムの関数およびWin32(R) APIのエラー情報を含む場合があります。

JP1/Advanced Shellの環境で発生しやすい,代表的なCランタイム関数のエラー情報に対する原因と対策(Windowsの場合)を次の表に示します。表にないエラーおよびWin32 APIのエラー情報については,使用しているWindowsのマニュアルを参照してください。

表12‒5 Cランタイム関数のエラー情報に対する原因と対策(Windowsの場合)

ニモニック

エラーの詳細

原因

対策

ENOENT

No such file or directory

次の原因が考えられます。

  • ファイル,またはディレクトリが見つかりません。

  • シンボリックリンクのネストが深過ぎます。

次の対策を実施します。

  • ファイルの存在を確認してください。

  • シンボリックリンクのネスト数がOSの上限を超えないように変更してください。

EIO

Input/Output error

入出力エラーが発生しました。

Windowsまたはハードウェアの情報に従ってください。

ENXIO

No such device or address

ファイルに対するアクセス権がありません。

デバイスがあるか,またはデバイスを有効にしているかを確認してください。デバイスを有効にしていない場合は,有効にしてください。それ以外の原因の場合は,使用しているWindowsのマニュアルを参照してください。

E2BIG

Arg list too long

処理プログラムの引数または環境変数用の領域が不足しています。

処理プログラムの引数を確認します。

exportパラメーターなどによる環境変数の設定やファイル管理機能のスクリプト拡張コマンドの使用方法を見直し,不要な環境変数の設定を削除します。

EAGAIN

Resource temporarily unavailable

プロセスの数が多過ぎるか,または一時的なメモリ不足が発生しています。

再実行してもエラーが発生する場合は,不要なプロセスを停止させてください。

ENOMEM

Not enough space

次の原因が考えられます。

  • スワップ領域または仮想メモリの不足のため,プロセスを新しく生成できません。

  • プロセスの数が多過ぎるか,または一部のプロセスが大量のメモリを消費しています。

次の対策を実施します。

  • スワップ領域または仮想メモリが足りない場合は,拡張してください。拡張できない場合は,不要なプロセスを停止させてください。

  • 一部のプロセスが大量のメモリを消費している場合は,該当するプロセスをいったん停止できないかどうかを検討してください。

EACCES

Permission denied

次の原因が考えられます。

  • アクセス権限が不正です。

  • JP1/Advanced Shellのコマンドの引数として,ファイルを指定する場所にディレクトリを指定しました。

  • コマンドとして実行しようとしたファイルの拡張子がexe,bat,cmd,またはcomではありません。

  • ファイルへのシンボリックリンクのリンク先がディレクトリ,またはディレクトリへのシンボリックリンクのリンク先が通常ファイルのシンボリックリンクにアクセスしました。

次の対策を実施します。

  • ファイルに対するアクセス権限が正しいかどうかを確認してください。

  • JP1/Advanced Shellのコマンドの引数を見直し,ファイルを指定する場所にディレクトリを指定していないかどうかを確認してください。

  • CHILDJOB_SHEBANGパラメーターを指定している場合,パラメーターの指定値,および,実行しようとしたファイルの先頭の「#! 実行プログラムパス」を確認してください。

  • CHILDJOB_EXTパラメーターを指定している場合は,パラメーターの指定値,および,実行しようとしたファイルの拡張子を確認してください。

  • シンボリックリンクの参照先が正しいか確認してください。

EFAULT

Bad address

アクセスできない領域に書き込みをしようとしました。書き込みをしようとしたディスクが切り離された場合があります。

系切り替えに伴うディスクの切り替え中の場合は,問題ないので無視してください。

誤ってディスクを切り離してしまった場合は,該当するファイルをバックアップから回復するか,または初期化してから使用してください。

上記以外の場合は,システム管理者に連絡してください。

EEXIST

File exists

作成しようとしたファイルはすでにあります。

ファイル名を変更して再実行します。既存のファイルが不要の場合,削除してから再実行してください。

EINVAL

Invalid argument

次の原因が考えられます。

  • メモリ管理情報の不正を検知しました。

  • シンボリックリンクのネストが深すぎます。

  • シンボリックリンク作成権限を持たないユーザでシンボリックリンクの作成,コピー,または移動を行おうとしました。

  • NTFS以外のファイルシステム上にシンボリックリンクの作成,コピー,または移動を行おうとしました。

次の対策を実施します。

  • システム管理者に連絡してください。

  • シンボリックリンクのネスト数がOSの上限を超えないように変更してください。

  • シンボリックリンク作成権限を持つユーザで実行してください。

  • シンボリックリンクを使用する場合は,NTFSを使用してください。

ENFILE

Too many open files in system

ファイルのオープン数がシステムの上限を超えました。

システム全体で使用中のファイルの数を確認し,不要なファイルを閉じてください。

EMFILE

Too many open files

該当するプロセスでオープンしているファイル数が多過ぎます。

システム管理者に連絡してください。

EFBIG

File too large

ファイルの大きさがシステム制限値を超えました。

使用するファイルサイズを見直してください。

ENOSPC

No space left on device

ファイルシステムに十分な空き領域がありません。

空き領域を確保してください。