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JP1 Version 11 ョブ管理 基本ガイド(スクリプト言語編)


付録C 用語解説

このマニュアルで使用する用語について解説します。

(英字)

exportパラメーター

環境ファイルに設定するパラメーターのうち,コマンド起動時に環境変数を設定するために指定するパラメーターです。

JP1/Advanced Shell

バッチジョブのためのジョブ定義スクリプトを作成・実行するための製品です。JP1/Advanced Shellは,JP1/Advanced ShellとJP1/Advanced Shell - Developerとに分けられます。JP1/Advanced Shellでは,バッチジョブのためのジョブ定義スクリプトを実行でき,狭義にはJP1/Advanced Shellを実行環境と呼びます。同じジョブ定義スクリプトのバッチジョブをWindowsおよびUNIXの両方で実行できます。

JP1/Advanced Shell - Developer

バッチジョブのためのジョブ定義スクリプトを開発するための製品です。ジョブ定義スクリプトを開発するため,開発環境と呼ぶこともあります。

JP1/AJS3

JP1/Automatic Job Management System 3の略で,JP1/AJS2の後継製品です。JP1/Advanced Shellは,JP1/AJS3と連携することで,複数のPC間での分散処理が実現できます。

UNIX互換コマンド

JP1/Advanced Shellでは,UNIXでよく使用されるコマンドの一部を使用できます。Windows環境でも使用でき,UNIXからWindowsへの移行性を向上できます。lsコマンドなどがあります。

(ア行)

一時ファイル

ジョブ実行時に一時的に使用するファイルです。ジョブまたはジョブステップによって作成され,ジョブ終了時には自動的に削除されます。#-adsh_file_tempコマンドで定義できます。

エディタ

開発環境に付属するさまざまな機能を利用して,効率良くジョブ定義スクリプトを作成できます。

オプション

コンピュータの入力装置から入力する指示に対して,選択的な機能を付け加えます。このことをオプションといいます。

JP1/Advanced Shellでは,1個のハイフン(-)に続く1文字のコマンド引数をショートオプション,連続する2個のハイフン(--)に続くコマンド引数をロングオプションと呼んでいます。

オプションの右側に指定する引数のことをオプションの値と呼びます。

オペランド

コマンドラインに指定するコマンド引数のうち,オプション名とオプション値のほかに指定する,規定のコマンド引数のことです。また,パラメーターの値もオペランドと呼びます。

(カ行)

開発環境

JP1/Advanced Shell - Developerが提供する,バッチ処理のためのジョブ定義スクリプトを開発するための環境です。

外部コマンド

シェルの組み込みコマンドではない,UNIX互換コマンド,OSが提供するコマンドおよびユーザーによって作成される実行ファイルやプログラムのことを指します。

カスタムジョブ

ある特定の機能を持つジョブをJP1/AJSで実行できるように定義したジョブです。JP1/Advanced ShellでJP1/AJSのカスタムジョブ機能を利用するには,JP1/Advanced Shell用のカスタムジョブコンポーネントが必要です。

カバレージ情報

プログラムのテストがどれだけ網羅されているかを示す指標です。C0(ステートメントカバレージ情報)とC1(ブランチカバレージ情報)とがあります。

C0は,ジョブ定義スクリプトのコマンドをどれだけ実行したかの指標(%)です。

C1は,ジョブ定義スクリプトの分岐をどれだけ実行したかの指標(%)です。

環境情報

JP1/Advanced Shellを起動する前に設定が必要な,環境変数や環境ファイルのパラメーターなどの情報のことです。

環境設定パラメーター

環境ファイルに設定するパラメーターのうち,「#-adsh_conf パラメーター 値」という形式で指定し,JP1/Advanced Shellの実行環境を定義するパラメーターのことです。

環境ファイル

環境情報を格納したファイルのことです。

環境変数

ユーザーが設定できるシステムの各種の設定を格納した変数のことです。

組み込みコマンド

シェル本体に組み込まれたコマンドであり,シェル自身によって実行できます。JP1/Advanced Shellではシェル標準コマンド(特殊組み込みコマンドおよび正規組み込みコマンド),シェル拡張コマンドを提供します。特殊組み込みコマンドは,コマンドの構文を誤るとコマンドを実行しているシェルが終了する特徴を持ちます。正規組み込みコマンドは,コマンドの構文を誤ってもコマンドを実行しているシェルは終了しないで継続します。

コマンド

シェル,コマンドプロンプトまたはジョブ定義スクリプトから実行するJP1/Advanced Shellで使用できるコマンドの総称のことです。

コマンドプロンプト

Windows環境でコマンドの入力を促すものです。

コマンドライン

ユーザーがコマンドを入力するための行です。Windowsでは,コマンドプロンプトにあり,行は>の次から入力します。UNIXでは,シェルにあり,行は%の次から入力します。

(サ行)

シェル

コンピュータの入力装置から入力された指示を解釈して,OSに伝えるプログラムのことです。

シェルスクリプト

テキストファイルにコマンドを並べて記載しておき,シェルからそのコマンドを続けて実行できるようにしたテキストファイルを,シェルスクリプトといいます。JP1/Advanced Shellのシェルスクリプトは,Windows環境とUNIX環境で実行でき,ジョブ定義スクリプトといいます。

シェル標準コマンド

シェル本体に組み込まれたコマンドであり,シェル自身のプロセスで実行されます。ジョブ定義スクリプトで使用できるコマンドです。

シェル変数

ジョブ定義スクリプト内で値を代入する領域のことです。変数の作成変数の値を参照できます。

シグナル

UNIXの場合にプロセス間で非同期イベントの発生を伝える機構です。JP1/Advanced Shellでは,ジョブの強制終了などに使用します。

システム実行ログ

システム管理者がJP1/Advanced Shellによるジョブ実行状況を統合管理するため,ジョブコントローラから出力されるログのことです。複数のジョブコントローラが出力するログを,1つのログにまとめて出力できます。

子孫ジョブ

ルートジョブの子孫プロセスとして実行されるジョブ定義スクリプトのうち,次のどれかのパラメーターの指定,またはパラメーターのデフォルト定義によって実行されたジョブのことです。

  • CHILDJOB_EXTパラメーター

  • CHILDJOB_PGMパラメーター

  • CHILDJOB_SHEBANGパラメーター

実行環境

JP1/Advanced Shellが提供する,バッチ業務を実行するための環境です。狭義には,JP1/Advanced Shellのことです。

終了コード

ジョブ定義スクリプトまたはコマンドを実行した場合に返信されるコードのことです。

条件式

ジョブ定義スクリプトで使用する,数値比較,文字列比較,ファイル属性,論理結合の演算子および三項演算子を使って表す計算式のことです。

ジョブコントローラ

ジョブ実行時にジョブをコントロールするためのプログラムです。adshexecコマンドがジョブコントローラに該当します。

ジョブ識別子

ジョブ実行時にJP1/Advanced Shellが与える000001から999999の識別番号です。各ジョブには別々の識別子が与えられ,ジョブ識別子によって一意にジョブを特定できます。ジョブ識別子を999999まで使用すると,ラップアラウンドして000001以降の未使用のジョブ識別子を使用します。

ジョブ実行ログ

ジョブやジョブステップの開始・終了メッセージなどの,ジョブが出力したメッセージの集まりです。ジョブ実行ログの内容は,ジョブ終了時にジョブコントローラの標準エラー出力に出力します。

ジョブ情報

ジョブに付随した情報のことです。ジョブ名,ジョブ識別子およびジョブステップ名などがあります。

ジョブスケジューラ

ジョブのスケジュールを行う製品であり,JP1/Advanced Shellでは関連製品としてJP1/AJSと連携できます。

ジョブステップ

ある業務(仕事)を行うための最小単位で,JP1/Advanced Shellではジョブ定義スクリプトで記載されたジョブ内で,ある処理の単位で区切った範囲をいいます。ジョブステップの集まりがジョブになります。#-adsh_step_startコマンド,#-adsh_step_errorコマンド(省略できます),および#-adsh_step_endコマンドを記述して定義できます。

ジョブ定義スクリプトファイル

ジョブ定義スクリプトで作成した,ジョブを定義したプログラムのファイルのことです。

ジョブネット

実行順序を関連づけたジョブの集まりです。ジョブネット内のジョブは,あらかじめ定義した実行順序に従って自動的に実行されます。ジョブネットは,JP1/AJSの機能です。

シンボリックリンク

実際のファイルパスを格納したファイルを使ってリンクすることです。

スクリプト

テキストファイルにコマンドを並べて記載しておき,シェルからそのコマンドを続けて実行できるようにしたテキストファイルを,スクリプトといいます。JP1/Advanced Shellのスクリプトは,Windows環境とUNIX環境で実行でき,ジョブ定義スクリプトともいいます。

スクリプト拡張コマンド

ジョブ定義スクリプトで実行するコマンドです。通常のシェルスクリプトのコマンドに対してバッチジョブの実行を制御するための機能を付け加えたコマンドです。ジョブ実行制御コマンドともいいます。JP1/Advanced Shellでは,#-adshで始まるコマンドがあります。

スクリプトファイル

作成したスクリプトを保存したファイルです。

スクリプト予約語コマンド

ジョブ定義スクリプトで予約語として使用できるコマンドのことです。timeコマンドがあります。

スプール

JP1/Advanced Shellでジョブの実行結果やジョブ実行ログを格納する場所です。

スプールジョブ

スプールディレクトリに作成されたジョブごとの実行結果のことです。

正規組み込みコマンド

シェル標準コマンドの組み込みコマンドの一種です。コマンドの構文を誤ってもコマンドを実行しているシェルが終了しないコマンドです。

(タ行)

ダイアログボックス

ユーザーに応答を促すウィンドウのことです。

通常ファイル

ジョブ定義スクリプトの入力および出力に使用するファイルです。ジョブ終了後にジョブ結果として残すファイルですが,ジョブの実行中に削除することもできます。#-adsh_fileコマンドまたはadshfileコマンドで定義できます。

定義ファイル

トラブルシューティングのための資料を採取するディレクトリを定義しておくファイルです。

デバッガ

開発環境で作成したジョブ定義スクリプトをテストして不具合を調査するプログラムです。Windows環境では,JP1/Advanced Shellエディタのデバッグ機能を使います。UNIX環境では,adshexecコマンドに-dオプションを指定してデバッガを起動します。

デバッグ

開発環境で作成したジョブ定義スクリプトをテストして不具合を調査することです。デバッガを起動して調査します。

特殊組み込みコマンド

シェル標準コマンドの組み込みコマンドの一種です。コマンドの構文を誤るとコマンドを実行しているシェルが終了するコマンドです。

トレースログ

JP1/Advanced Shellでトラブルが発生した場合に,問題点を解明するために採取する情報のことです。

(ハ行)

バッチ業務サーバ

JP1/Advanced Shellをインストールしてバッチジョブを実行するサーバのことです。JP1/AJSを使用する場合,JP1/AJS - AgentまたはJP1/AJS - Managerをインストールします。

バッチジョブ

バッチ処理で実行するジョブのことです。

バッチ処理

収集したデータやトランザクションを1日分,1週間分,1か月分などにまとめて一括処理することです。

引数

コマンドラインやジョブ定義スクリプトにコマンドを実行する記述をする場合,コマンド名の後ろに区切り文字で区切って指定する項目の総称を引数といいます。

標準エラー出力(stderr)

プログラムがエラーなどのメッセージを出力するストリームです。

標準出力(stdout)

プログラムがデータを出力するストリームです。

標準入力(stdin)

プログラムへデータを入力するストリームです。

ファイルの割り当て

JP1/Advanced Shellでは,ファイルの後処理を登録することを含めてファイルの割り当てといいます。

ブレークポイント

ジョブ定義スクリプトの開発時にジョブ定義スクリプトの動作状態を確認するために,ジョブ定義スクリプト中に挿入される強制実行停止コードのことです。ブレークポイントではデバッガが処理を停止するため,開発者は停止直前の変数を確認できます。

プログラム出力データファイル

ユーザープログラムの出力結果をシステム実行ログと同様に一元管理するために,JP1/Advanced Shellが自動的にファイル名を作成して,ユーザープログラムが実行結果を出力するためのファイルです。

変数

ジョブ定義スクリプト内で値を扱うために使用する領域および配列のことです。変数にはシェル変数および環境変数も含まれます。

(ラ行)

リダイレクト

ジョブ定義スクリプトでは,コマンド実行前に実行結果の出力先の変更やコマンド実行に必要な情報の入力先を変更できます。これをリダイレクトといいます。通常,標準入力はキーボードに,標準出力は画面に割り当てられていますが,リダイレクトではこれらの割り当てを変更します。

ルートジョブ

JP1/AJSやログインシェルなどから実行するジョブのうち,子孫ジョブ以外のジョブのことです。

ログ

コンピュータが出力する記録情報のことです。ログには記録した時間やメッセージなどが出力されます。