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JP1 Version 11 ョブ管理 基本ガイド(スクリプト言語編)


4.2.2 バッチジョブの実行結果を確認する

環境ファイルに設定されたスプールルートディレクトリに,ジョブごとのディレクトリを作成し,ジョブの実行結果を出力します。ジョブごとのディレクトリには,ジョブ実行ログやジョブステップのプログラムが出力したファイルが出力されます。

スプールディレクトリの構造を次に示します。なお,次の説明では,このマニュアルで説明するディレクトリおよびファイルだけを載せています。スプールディレクトリの構造の全体については,マニュアル「JP1/Advanced Shell」の「ジョブの実行結果をスプールに出力する」の説明を参照してください。

スプールルートディレクトリロックファイルスプールジョブディレクト
    JOBLOG※1
    ├JOBLOG_ジョブ識別子_通番
    ├JOBLOG_子孫ジョブ起動順序通し番号※2
    ├SCRIPT※1
    ├SCRIPT_子孫ジョブ起動順序通し番号※2
    ├STDERR※1
    ├STDOUT※1ステップ番号_ステップ名_STDOUT※1ステップ番号_ステップ名_STDERR※1
注※1

このファイルの内容はジョブ実行ログにも出力されます。ジョブ実行ログの出力内容については,「4.2.1 ジョブ実行ログ」を参照してください。

注※2

ジョブの実行中に一時的に作成されるファイルです。内容を次に示します。

ファイル名

JOBLOG_子孫ジョブ起動順序通し番号

環境ファイルのSPOOLJOB_CHILDJOBパラメーターにMERGEを指定(子孫ジョブのスプールジョブをルートジョブのスプールジョブにマージする)した場合に出力される,マージ用の子孫ジョブのジョブ実行ログ

SCRIPT_子孫ジョブ起動順序通し番号

UNIXのSIGKILLやWindowsのTerminateProcessなどによってジョブが即時終了した場合,これらのファイルがスプールジョブディレクトリ内に残ることがあります。スプールジョブディレクトリが不要になって削除する際は,これらのファイルも一緒に削除してください。

一時ファイル以外のファイルおよびディレクトリについて次に説明します。

〈この項の構成〉

(1) スプールルートディレクトリ

ディレクトリ名は環境ファイルのSPOOL_DIRパラメーターで設定します。

(2) スプールジョブディレクトリ

ジョブ通し番号と同じ名称のディレクトリで,ジョブ単位に作成されます。ジョブ終了時に「ジョブ識別子-ジョブ名」に変更されます。

蓄積されたスプールジョブはadshhkコマンドで削除できます。adshhkコマンドについては「4.2.3 スプールジョブを削除する」を参照してください。

ジョブ終了後のスプールジョブディレクトリリネーム時,同一名のディレクトリがすでに存在すると,リネームに失敗します。リネームに失敗すると「ジョブ識別子」のディレクトリ名のまま残ります。ジョブの動作は完了しており後続ジョブが続行できるためrc=0で終了しますが,ディレクトリが残ったままである間,そのジョブ識別子は使用できなくなると同時にadshhkコマンドによる削除がされなくなります。

(3) JOBLOG

コマンドの実行結果やファイルの割り当て結果など,ジョブの動作状況を示すメッセージが出力されます。

(4) JOBLOG_ジョブ識別子_通番

子孫ジョブのジョブ実行ログです。

子孫ジョブ起動時に次のどちらかの方法で,子孫ジョブを最小出力モードで指定した場合だけ作成されます。

ただし,SPOOLJOB_CHILDJOBパラメーターにMERGE(子孫ジョブのスプールジョブをルートジョブのスプールジョブにマージする)を指定した場合は作成されません。

(5) SCRIPT

スクリプトイメージファイルです。最初に起動したジョブ定義スクリプトファイルと,#-adsh_scriptコマンドで指定した外部のジョブ定義スクリプトファイルの内容が出力されます。その他の.(ドット)コマンドなどで指定する外部のジョブ定義スクリプトファイルは出力されません。ログとしてジョブ定義スクリプトの内容を出力したい場合は,#-adsh_scriptコマンドを使用します。

なお,SPOOLJOB_CHILDJOBパラメーターでMERGEを指定し,ルートジョブを拡張出力モード,子孫ジョブを最小出力モードで動作する場合は,子孫ジョブのSCRIPTはルートジョブのSCRIPTにマージされません。詳細については,マニュアル「JP1/Advanced Shell」の「子孫ジョブのスプールジョブをルートジョブのスプールジョブへマージした場合」の説明を参照してください。

(6) STDERR

ジョブの標準エラー出力です。ルートジョブ起動時に次のどちらかの方法で,ルートジョブを最小出力モードで指定した場合は作成されません。

ファイルの先頭行には次に示すヘッダが出力されます。

********   実行ジョブのSTDERRファイルの内容    ********

(7) STDOUT

ジョブの標準出力です。adshexecコマンドの-sオプションおよび環境ファイルのOUTPUT_STDOUTパラメーターにSPOOLを指定した場合に作成されます。ルートジョブ起動時に次のどちらかの方法で,ルートジョブを最小出力モードで指定した場合は作成されません。

ファイルの先頭行には次に示すヘッダが出力されます。

********   実行ジョブのSTDOUTファイルの内容    ********

(8) ステップ番号_ステップ名_STDOUT

ジョブステップを定義した場合の,該当するジョブステップ中の標準出力です。ジョブステップ名が8バイトを超える場合,ファイル名に含むステップ名は,ジョブステップ名の最初の8バイトになります。

adshexecコマンドの-sオプションおよび環境ファイルのOUTPUT_STDOUTパラメーターにSPOOLを指定した場合に作成されます。ルートジョブ起動時に次のどちらかの方法で,ルートジョブを最小出力モードで指定した場合は作成されません。

(9) ステップ番号_ステップ名_STDERR

ジョブステップを定義した場合の,該当するジョブステップ中の標準エラー出力です。ジョブステップ名が8バイトを超える場合,ファイル名に含むステップ名は,ジョブステップ名の最初の8バイトになります。

ルートジョブ起動時に次のどちらかの方法で,ルートジョブを最小出力モードで指定した場合は作成されません。