付録C.2 バージョン11-00で初期値が推奨値に変更された環境設定パラメーター一覧
バージョン11-00のJP1/AJS3で初期値が推奨値に変更された環境設定パラメーターについて説明します。
表中でバージョン11-00以降の初期値(推奨値)での動作や条件を記載しています。これらを判断基準として,初期値で運用するかどうか検討し,必要に応じて値を変更してください。
(1) スケジューラーサービスに関する環境設定
スケジューラーサービスに関する環境設定パラメーターのうち,バージョン11-00のJP1/AJS3で初期値が推奨値に変更された環境設定パラメーターを次の表に示します。
- 注意事項
-
バージョン10-50以前のJP1/AJS3をバージョン11-00以降にバージョンアップインストールする場合,次の表の環境設定パラメーターの初期値は,バージョンアップ前の初期値を引き継ぎます。ただし,スケジューラーサービスを新規に追加した場合,そのスケジューラーサービスについては,バージョン11-00以降の初期値(推奨値)が適用されます。バージョン11-00以降でスケジューラーサービスを新規に追加するときに,バージョン10-50以前の設定値を適用したい場合は,設定を見直してください。
表C‒4 スケジューラーサービスに関する環境設定パラメーター 項番
定義キー
環境設定パラメーター
バージョン10-50以前の初期値
バージョン11-00以降の初期値
バージョン11-00以降の初期値での動作・条件
1
JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名
"UNITDEFDIVIDEUPDATE"
no
yes
ユニット操作時のデータベースへの書き込みを分割して行います。これによって,排他リソース不足による障害を回避できます。
バージョン10-50以前の環境で「no」を指定していた場合は,そのままの運用でも問題ありません。
2
"AJSPRINTSORTUNITINF"
no
yes
ajsprintコマンドで出力される関連線情報をソートします。出力結果同士を比較するような運用で便利です。
バージョン10-50以前の出力形式で運用したい場合は「no」を設定してください。
(2) ジョブ実行環境に関する環境設定
ジョブ実行環境に関する環境設定パラメーターのうち,バージョン11-00のJP1/AJS3で初期値が推奨値に変更された環境設定パラメーターを次の表に示します。
- 注意事項
-
バージョン10-50以前のJP1/AJS3をバージョン11-00以降にバージョンアップインストールする場合,次の表の環境設定パラメーターの初期値は,バージョンアップ前の初期値を引き継ぎます。設定値を推奨値に変更したい場合は,設定を見直してください。
表C‒5 ジョブ実行環境に関する環境設定パラメーター 項番
定義キー
環境設定パラメーター
バージョン10-50以前の初期値
バージョン11-00以降の初期値
バージョン11-00以降の初期値での動作・条件
1
-
JP1_DEFAULT\JP1AJS2\SCHEDULER\QUEUE\MANAGER\Job
-
JP1_DEFAULT\JP1NBQMANAGER\Job
"ReceiveFileSizeStatus"
0
3
ファイル受信サイズが上限値に達した場合,ファイルの受信処理を中止します。
ジョブ実行時の受信ファイルのサイズが5メガバイト※1を超えない運用では,値を変更する必要はありません。初期値のまま使用してください。
ジョブ実行時の受信ファイルのサイズが5メガバイト※1を超える場合は,上限値を超えたデータが破棄されたり受信できなかったりすることがあります。また,5メガバイト※1を超える標準出力ファイルを使用して引き継ぎ情報設定ジョブを実行する場合,情報を正しく引き継げないことがあります。「6.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(Windowsの場合)または「15.2.7 ファイル受信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照して,必要に応じて値を変更してください。
2
JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Job
"LoadUserProfile"※2
0
1
ジョブを実行するOSユーザーのユーザープロファイル情報を,ジョブ実行時に読み込みます。
ユーザープロファイルが必要なジョブの異常終了を回避できるため,「1」を指定して運用してください。
3
"IsAccessTokenCache"※2
0
2
ジョブ実行時にアクセストークンを再利用します。デスクトップヒープ領域は,OSユーザーごとに確保します。
環境設定パラメーターLoadUserProfileが「1」の場合は,「1」または「2」を設定してください。
4
"MergeEnvMode"※2
0
1
システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を無効にします。
ジョブに環境変数を指定していて,以前の環境やシステム内のほかのホストと同じ動作にしたい場合は,「0」を指定してください。
5
JP1_DEFAULT\JP1NBQAGENT\Network
"NotfyJobStateCount"
288
2
ジョブの結果ファイルの再送回数を指定します。
長時間の通信リトライ処理の負荷によってジョブの実行が遅延するのを防止するため,初期値のまま運用してください。
6
JP1_DEFAULT\JP1NBQCLIENT\Process
"PassingInfoUsePreRc"
1
0
引き継ぎ情報設定ジョブを使用している場合に,先行ジョブの戻り値に関係なく,引き継ぎ情報設定ジョブ自体の戻り値を設定します。
引き継ぎ情報設定ジョブを使用していて,以前の環境やシステム内のほかのホストと同じ動作にしたい場合は,「1」を設定してください。
-
- 注※1
-
環境設定パラメーターLimitReceiveFileSizeで設定できます。初期値は5メガバイトです。設定を変更している場合は,変更した値に読み替えてください。
- 注※2
-
Windows限定です。
(3) イベント・アクション制御に関する環境設定
イベント・アクション制御に関する環境設定パラメーターのうち,バージョン11-00のJP1/AJS3で初期値が推奨値に変更された環境設定パラメーターを次の表に示します。
- 注意事項
-
バージョン10-50以前のJP1/AJS3をバージョン11-00以降にバージョンアップインストールする場合,次の表の環境設定パラメーターの初期値は,バージョンアップ前の初期値を引き継ぎます。設定値を推奨値に変更したい場合は,設定を見直してください。
表C‒6 イベント・アクション制御に関するパラメーター 項番
定義キー
環境設定パラメーター
バージョン10-50以前の初期値
バージョン11-00以降の初期値
バージョン11-00以降の初期値での動作・条件
1
-
JP1_DEFAULT\JP1AJS2\SCHEDULER\EV\MANAGER
-
JP1_DEFAULT\JP1AOMMANAGER
-
JP1_DEFAULT\JP1AOMAGENT
"FileWriteMode"
nosync
sync
-
ファイル更新時に,常に同期書き込みを実行します。この方法で書き込みを実行した場合,信頼性は向上しますが,性能は低下します。
クラスタ対応など信頼性を優先する場合の設定です。
-
システム内(マネージャーとエージェントすべて)で設定を統一する必要があります。
2
"ResolveAgentInfo"
host
exec
-
エージェントホストのIPアドレス変更時に,マネージャーホストで必要な作業を省略できます。マネージャーホストでのJP1/AJS3サービスの再起動が不要です。
-
システム内(マネージャーとエージェントすべて)で設定を統一する必要があります。
3
JP1_DEFAULT\JP1AOMAGENT
"RetryAgtStartNotification"
N
Y
起動通知の送信に失敗した場合,起動通知を再送します。障害発生時に自動で回復する機能のため,常に「Y」(有効)を指定して運用してください。
-