17.2.1 クラスタシステムの環境設定の項目
ここでは,環境設定で設定する項目について説明します。実際の設定手順については,次の個所で説明します。
JP1/AJS3 - Web Consoleの場合は,「(1) 共有ディスクへの共有ファイルの作成」だけを実施してください。
(1) 共有ディスクへの共有ファイルの作成
実行系・待機系の切り替え時に情報を共有するために,ディレクトリやファイルを共有ディスク上に作成します。共有ディスク上の共有ディレクトリ内に作成される情報とディレクトリ名を次の表に示します。
共有ディレクトリ内に作成される情報 |
ディレクトリ名※1 |
---|---|
環境設定ファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf |
ジョブ実行環境ファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/database |
ジョブ情報ファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/jobinf |
ログファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log |
システムファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys |
作業ファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp |
バックアップファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/backup |
組み込みDBデータ領域ファイル |
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/embdb※2 |
- 注※1
-
これらのディレクトリは,jajs_setup_clusterコマンド実行時に-dオプションで指定した共有ディレクトリの下に自動的に作成されます。
- 注※2
-
jajs_setup_clusterコマンドに-Sオプションを指定した場合は,作成されません。
表17‒2 共有ディレクトリ内に作成される情報とディレクトリ名(JP1/AJS3 - Agent) 共有ディレクトリ内に作成される情報
ディレクトリ名※
環境設定ファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf
ログファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log
システムファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys
作業ファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp
- 注※
-
これらのディレクトリは,jajs_setup_clusterコマンド実行時に-dオプションで指定した共有ディレクトリの下に自動的に作成されます。
表17‒3 共有ディレクトリ内に作成される情報とディレクトリ名(JP1/AJS3 - Web Console) 共有ディレクトリ内に作成される情報
ディレクトリ名※
ユーザー環境設定ファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs3web/sys/user
環境設定ファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs3web/conf
ログファイル
共有ディレクトリ名/jp1ajs3web/log
- 注※
-
これらのディレクトリは,ajswebsetupコマンド実行時に-dオプションで指定した共有ディレクトリの下に自動的に作成されます。
共有ディレクトリは,論理ホストの環境設定時に指定したディレクトリを指定してください。論理ホストが異なる場合は,別のディレクトリを割り当ててください。論理ホストごとに割り当てたディレクトリ下に,共有するディレクトリやファイルを作成します。
- (例)
-
論理ホスト「node0」の共有ディレクトリとして「/shdsk/node0」を指定する場合
/shdsk/node0/jp1ajs2/conf /shdsk/node0/jp1ajs2/database /shdsk/node0/jp1ajs2/jobinf /shdsk/node0/jp1ajs2/log /shdsk/node0/jp1ajs2/sys /shdsk/node0/jp1ajs2/tmp /shdsk/node0/jp1ajs2/backup /shdsk/node0/jp1ajs2/embdb
(2) 通信方式の設定
通信で使用するTCP/IPソケットにIPアドレスをバインドする方法が設定されます。クラスタシステムで多重起動をする場合は,物理ホストも含めてすべてIPアドレスにバインドする方式を使用します。「17.2.2 クラスタシステムの環境設定の手順(UNIX版JP1/AJS3 - Manager)」に従うと,IPアドレスにバインドする方式が自動的に設定されます。
スケジューラーサービスの多重起動の設定でジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を追加している場合は,ポート番号を設定してください。
(3) 共通定義情報の設定
JP1/AJS3,JP1/Base,JP1/IMでは,論理ホストごとの情報を共通定義情報としてローカルディスク上に持っており,論理ホストごとに同じ内容にしておく必要があります。
引き継がれる情報は,環境設定ファイルやジョブ実行環境ファイルなどです。
(4) サーバ証明書の取得
クラスタシステムの論理ホストでSSL通信を利用する場合,論理ホストのホスト名でサーバ証明書を取得してください。物理ホストのホスト名でサーバ証明書を取得しても,論理ホストでは使用できません。ただし,次の場合は,物理ホストで論理ホストと同じサーバ証明書を使用できます。
-
物理ホストのサーバ証明書のSANに,論理ホスト名を記載している場合
-
物理ホストのサーバ証明書がワイルドカード証明書で,記載されているホスト名が論理ホスト名に合致する場合
サーバ証明書の取得などSSL通信の設定については,「21.4 SSLを利用した通信の設定」を参照してください。