13.2.1 JP1/Baseのセットアップ
この項では,JP1/Baseのセットアップについて説明します。
なお,ここでは,設定の流れと大まかな設定内容を説明します。設定方法,設定項目,コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
JP1/Baseは,次の流れでセットアップします。
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ユーザー情報を設定する。
ユーザー情報の設定では,JP1/Baseのユーザー管理機能を使って,ユーザーマッピングを設定します。
ユーザーマッピングは,他ホストから自ホストに対してジョブ実行を依頼される場合に必要な設定です。JP1ユーザーに,各ホストに登録されているOSユーザーをマッピングします。
設定方法については,「(1) ユーザー情報を設定する」を参照してください。
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イベントサービス環境を設定する。
イベントサービス環境の設定は,JP1イベントを送受信するために必要です。
JP1/Baseのイベントサービス環境の設定で,API設定ファイルのパラメーターserverの通信タイプに「keep-alive」を設定してください。「close」を設定すると,次の問題が発生するおそれがあります。
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JP1/AJS3が起動時に発行するJP1イベントが発行できない。
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統合トレースログにメッセージKAVT1040-Eが出力されて,JP1イベント受信監視ジョブ,ログファイル監視ジョブ,およびWindowsイベントログ監視ジョブがイベントを検知できない。
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JP1イベント送信ジョブが異常検出終了する。
設定方法およびAPI設定ファイルについては,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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JP1/Baseのセットアップの手順と定義内容を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) ユーザー情報を設定する
UNIX版JP1/Baseでは,コマンドを使ってユーザー情報を設定します。ユーザー情報の設定手順を設定内容ごとに説明します。
なお,JP1/AJS3 - Agentおよび07-00-/C以降のJP1/AJS2 - Agentでは,JP1/AJS3 - AgentまたはJP1/AJS2 - Agentの起動時に認証サーバへのアクセスを行わなくなりました。
JP1/AJS3 - Agentまたは07-00-/C以降のJP1/AJS2 - Agentで認証サーバを指定する必要はありません。
(a) ユーザーマッピングを設定する
認証サーバに登録されているJP1ユーザーに対して,OSユーザーをマッピングします。
ユーザーマッピングの設定手順を次に示します。
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エディターなどで,新規のテキストファイルを開く。
このファイルを,ユーザーマッピング定義ファイルとします。
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「JP1ユーザー名:ホスト名:OSユーザー名」の形式で定義を記述する。
記述例を次に示します。
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定義の記述が終了したらファイルを閉じ,次のコマンドを実行する。
jbsmkumap -f ユーザーマッピング定義ファイル
定義した内容が有効になります。
- 補足事項
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ユーザーマッピング定義ファイルに設定する項目を次の表に示します。
表13‒5 ユーザーマッピング定義ファイルに設定する項目(JP1/AJS3 - Agent) 操作内容
JP1ユーザー名
ホスト名
OSユーザー名
JP1/AJS3 - Managerホスト以外のホストでジョブを実行する
JP1/AJS3 - ManagerホストのOSにログインするユーザー
JP1/AJS3 - Managerホスト
ジョブを実行するホストのOSに登録されているユーザー
- 注意事項
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マッピングするOSユーザーには,ユーザーID,グループIDを正しく設定したOSユーザーを指定してください。
また,JP1ユーザーにマッピングするOSユーザーは正常にOSにログインできるOSユーザーをJP1ユーザーにマッピングしてください。
OSユーザーが次に示す状態だとジョブが起動失敗となるおそれがあります。
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/etc/passwdに指定したホームディレクトリが存在しない。
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/etc/passwdに指定したログインシェルが存在しない。
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