6.3.18 DNSを使ったシステムでのイベントサーバ名の設定
複数のドメインで構成されたネットワーク環境でJP1/AJS3およびJP1/Baseを運用し,ドメインを越えてJP1イベントを送受信する場合は,ドメインが異なる同名ホストの存在を考慮する必要があります。それら同名のホストでJP1/Baseのイベントサーバをデフォルトの設定のままで運用すると,JP1/Baseのイベントサーバに登録されたJP1イベントが,他ホストから転送されたものなのか,自ホストで発生したものなのかをホスト名から区別できないため,JP1イベント受信監視ジョブがイベントを誤検知したように見えるなどの問題が発生することがあります。
このような問題を避けるために,複数のドメインで構成されたシステムでは,デフォルトのイベントサーバ設定の代わりにイベントサーバ名をFQDN形式で設定して運用します。
FQDN形式のイベントサーバ名を持つイベントサーバと同じホストでJP1/AJS3を運用し,そのJP1/AJS3を実行エージェントとしてログファイル監視ジョブを実行する場合は,実行エージェントのJP1/AJS3にFQDN形式のイベントサーバ名オプション(環境設定パラメーターEventServerName)を設定し,ログファイル監視ジョブが使用するイベントサーバ名(FQDN形式)を指定してください。
- 注意事項
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ログファイル監視ジョブ実行時,このオプションで指定したイベントサーバが未起動だった場合は,統合トレースログにメッセージ「KAVT1068-W 指定されたイベントサーバは未起動です(EventServerName=イベントサーバ名)」が出力され,内部的に接続処理がリトライされます。そのあと,リトライに成功してイベントサーバに接続できた場合は,統合トレースログにメッセージ「KAVT1069-I 指定されたイベントサーバに接続しました(EventServerName=イベントサーバ名)」が出力されます。そのため,メッセージKAVT1068-Wが出力されてから,メッセージKAVT1069-Iが出力されるまでの期間内は,ログファイル監視ジョブでイベントの監視はできません。
FQDN形式のイベントサーバ名オプションの設定手順を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) 定義手順
(a) 標準構成の場合
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
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JP1/AJS3サービス
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次のコマンドを実行して,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。
jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
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JP1/AJS3を再起動する。
設定した内容が反映されます。
(b) 互換用ISAM構成の場合
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
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JP1/AJS3サービス
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メモ帳などのテキストエディターで,「(2) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
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ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ\bin\jbssetcnf」です。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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JP1/AJS3を再起動する。
設定した内容が反映されます。
(2) 環境設定パラメーター一覧
定義キー |
環境設定パラメーター |
定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名} \JP1AOMAGENT]※ |
"EventServerName"= |
FQDN形式のイベントサーバ名 |
- 注※
-
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定してください。
環境設定パラメーターの定義内容の詳細については,「20.6.2(26) EventServerName」を参照してください。