3.4.1 JP1/AJS3 - Managerのセットアップ
ここでは,JP1/AJS3 - Web ConsoleとWindows版のJP1/AJS3 - Managerが接続するために必要な,JP1/AJS3 - Managerのセットアップについて説明します。なお,JP1/AJS3 - Managerのセットアップには,Administratorsの実行権限が必要です。
- メモ
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JP1/AJS3 - Web Consoleが接続するJP1/AJS3 - ManagerのホストがUNIXの場合は,「13.3.1 JP1/AJS3 - Managerのセットアップ」を参照してください。
JP1/AJS3 - Managerのセットアップ手順を次に示します。
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Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
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JP1/AJS3サービス
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JP1/AJS3 - Managerをバージョンアップインストールした場合で,かつJP1/AJS3 - Software Development Kitを使用していない場合は,ajscdinetdプロセスを起動するための設定をする。
JP1/AJS3 - Managerを新規インストールした場合,またはJP1/AJS3 - Software Development Kitを使用している場合,この手順は不要です。
JP1/AJS3 - ManagerがJP1/AJS3 - Web Consoleからの接続を受け付けるためには,JP1/AJS3 - Managerのajscdinetdプロセスを起動しておく必要があります。ajscdinetdプロセスを起動するには,JP1/AJS3 - ManagerのJP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル(jp1ajs_hstd.conf)および拡張起動プロセス定義ファイル(jp1ajs_hstd_0700.conf)を変更します。また,ajscdinetdプロセスが使用するポート番号をservicesファイルに追加する必要があります。
設定手順は,すでに定義ファイル(jp1ajs_hstd.confまたはjp1ajs_hstd_0700.conf)を変更しているかどうかで異なります。変更しているかどうかは,定義ファイルをテキストエディターで開いて確認してください。
jp1ajs_hstd.conf,jp1ajs_hstd_0700.conf,およびモデルファイルの格納先を次に示します。
- 物理ホストの場合
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JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\conf
- 論理ホストの場合
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共有フォルダ\conf
定義ファイルを変更していない場合は,「(1) ajscdinetdプロセスを起動するための設定(定義ファイルを変更していない場合)」を参照してください。定義ファイルをすでに変更している場合は,「(2) ajscdinetdプロセスを起動するための設定(定義ファイルをすでに変更している場合)」を参照してください。
- 注意事項
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JP1/AJS3 - Managerのデータベース構成が互換用ISAM構成の場合,標準構成に移行する必要があります。
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必要に応じて,ajscdinetdプロセスの再起動の設定を変更する。
JP1/AJS3 - Managerの初期設定では,ajscdinetdプロセスが異常終了した場合,ajscdinetdプロセスが再起動するように設定されています。必要に応じて再起動の設定を変更してください。
ajscdinetdプロセスの再起動の設定は,JP1/AJS3 - Managerの拡張起動プロセス定義ファイル(jp1ajs_hstd_0700.conf)に定義されています。拡張起動プロセス定義ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 6.3.1 異常終了したJP1/AJS3のプロセスを再起動する」を参照してください。
- 注意事項
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JP1/AJS3 - Software Development Kitを使用している場合,この設定を変更すると,JP1/AJS3 - Software Development Kitの動作にも影響します。
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必要に応じて,ajscdinetdプロセスの内部ログのログサイズの設定を変更する。
ajscdinetdプロセスの内部ログのログサイズは,環境設定パラメーターAJSCDINETDLOGSIZEで設定します。
環境設定パラメーターAJSCDINETDLOGSIZEについては,「20.4.2(21) AJSCDINETDLOGSIZE」を参照してください。
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ファイアウォールを通過するための設定をする。
ファイアウォールを設定した環境で運用する場合,JP1/AJS3 - Web ConsoleとJP1/AJS3 - Managerの通信がファイアウォールを通過できるように設定する必要があります。
JP1/AJS3 - Web Console,およびJP1/AJS3 - Managerで使用するポート番号とファイアウォールの通過方向については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 付録A 設定するポート番号一覧」を参照してください。
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必要に応じて,環境設定パラメーターを設定する。
事前に検討した内容に応じて,環境設定パラメーターを変更します。検討が必要な環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 4.6.2 Web Consoleサーバと接続するJP1/AJS3 - Managerの環境設定について検討する」を参照してください。
なお,環境設定パラメーターの変更は,jajs_configコマンドを使用します。環境設定パラメーターの設定方法については,「4.2 環境設定パラメーターの設定」を参照してください。
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JP1/AJS3サービスを起動する。
- 〈この項の構成〉
(1) ajscdinetdプロセスを起動するための設定(定義ファイルを変更していない場合)
JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル,および拡張起動プロセス定義ファイルを初期状態から変更していない場合の,ajscdinetdプロセスを起動するための設定手順を次に示します。
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jp1ajs_hstd.confファイルおよびjp1ajs_hstd_0700.confファイルのバックアップを作成する。
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JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイルのモデルファイルjp1ajs_hstd.conf.modelをコピーして,jp1ajs_hstd.confにリネームする。
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拡張起動プロセス定義ファイルのモデルファイルjp1ajs_hstd_0700.conf.modelをコピーして,jp1ajs_hstd_0700.confにリネームする。
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論理ホストで運用している場合は,手順2および手順3で作成したファイルを共有フォルダにコピーする。
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servicesファイルにajscdinetdプロセスが使用するポート番号を追加する。
- デフォルトのポート番号
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22250
- ポート番号の追加例
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jp1ajs3cdinetd 22250/tcp # JP1/AJS3 - Web Console
デフォルトのポート番号を使用できない場合,ほかのプロセスが使用するポート番号と重複しないように,ajscdinetdプロセスが使用するポート番号を指定してください。デフォルトから変更した場合,JP1/AJS3 - Web Consoleの通信設定ファイルの接続ポート番号も変更する必要があります。
なお,ポート番号の指定が重複している場合,ajscdinetdプロセスを起動したときに,統合トレースログにメッセージKAVS0904-Eが出力されます。
- 注意事項
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servicesファイルに追加したポート番号の設定は,JP1/AJS3 - Managerのアンインストールでは削除されません。設定が不要になった場合には,手動で削除する必要があります。
(2) ajscdinetdプロセスを起動するための設定(定義ファイルをすでに変更している場合)
JP1/AJS3用起動プロセス定義ファイル,または拡張起動プロセス定義ファイルを初期状態から変更している場合の,ajscdinetdプロセスを起動するための設定手順を次に示します。
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jp1ajs_hstd.confファイルを開く。
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任意の行にajscdinetdプロセスの定義を追加する。
次の定義を追加してください。
ajscdinetd|ajscdinetd.exe|||1800|
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jp1ajs_hstd.confファイルを保存する。
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jp1ajs_hstd_0700.confファイルを開く。
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任意の行にajscdinetdプロセスの定義を追加する。
次の定義を追加してください。
ajscdinetd|ajscdinetd.exe||1|3|3|21600|0|0|hostevam|1|||||||
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jp1ajs_hstd_0700.confファイルを保存する。
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servicesファイルにajscdinetdプロセスが使用するポート番号を追加する。
- デフォルトのポート番号
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22250
- ポート番号の追加例
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jp1ajs3cdinetd 22250/tcp # JP1/AJS3 - Web Console
デフォルトのポート番号を使用できない場合,ほかのプロセスが使用するポート番号と重複しないように,ajscdinetdプロセスが使用するポート番号を指定してください。デフォルトから変更した場合,JP1/AJS3 - Web Consoleの通信設定ファイルの接続ポート番号も変更する必要があります。
なお,ポート番号の指定が重複している場合,ajscdinetdプロセスを起動したときに,統合トレースログにメッセージKAVS0904-Eが出力されます。
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JP1/AJS3のサービスを起動する。
- 注意事項
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servicesファイルに追加したポート番号の設定は,JP1/AJS3 - Managerのアンインストールでは削除されません。設定が不要になった場合には,手動で削除する必要があります。