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JP1 Version 11 JP1/Performance Management - Agent Option for HiRDB


2.7.2 Storeバージョン2.0への移行

Storeデータベースの保存形式には,バージョン1.0と2.0の2種類あります。Storeバージョン2.0の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。

Storeバージョン2.0は,PFM - BaseまたはPFM - Managerのバージョン08-10以降の環境に,08-10以降のPFM - Agent for HiRDBを新規インストールした場合にだけデフォルトで利用できます。それ以外の場合は,Storeバージョン1.0形式のままとなっているため,セットアップコマンドによってStoreバージョン2.0に移行してください。

何らかの理由によってStoreバージョン1.0に戻す必要がある場合は,Storeバージョン2.0のアンセットアップを行ってください。

インストール条件に対応するStoreバージョン2.0の利用可否と利用手順を次の表に示します。

表2‒24 Storeバージョン2.0の利用可否および利用手順

インストール条件

Storeバージョン2.0の利用可否

Storeバージョン2.0の利用手順

インストール済みのPFM - Base,または,PFM - Managerのバージョン

PFM - Agentのインストール方法

08-10より前

上書きインストール

利用できない

PFM - Base,または,PFM - Managerを08-10にバージョンアップ後,セットアップコマンドを実行

新規インストール

08-10以降

上書きインストール

セットアップ後利用できる

セットアップコマンドを実行

新規インストール

利用できる

設定不要

〈この項の構成〉

(1) Storeバージョン2.0のセットアップ

  1. システムリソース見積もりとリテンションの設定

    Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。

    • ディスク容量

    • ファイル数

    • 1プロセスがオープンするファイル数

    これらの値はリテンションの設定によって調節できます。実行環境の保有しているリソースを考慮してリテンションを設定してください。システムリソースの見積もりについては,「付録A システム見積もり」を参照してください。

  2. フォルダの設定

    Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのフォルダ設定では,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。このため,Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定を見直す必要があります。Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定はjpcconf db defineコマンドを使用して表示・変更できます。

    Storeバージョン2.0は,Storeデータベースの保存先フォルダやバックアップ先フォルダの最大長がStoreバージョン1.0と異なります。Storeバージョン1.0でフォルダの設定を相対パスに変更している場合,絶対パスに変換した値がStoreバージョン2.0でのフォルダ最大長の条件を満たしているか確認してください。Storeバージョン2.0のフォルダ最大長は214バイトです。フォルダ最大長の条件を満たしていない場合は,Agent Storeサービスが使用するフォルダの設定を変更したあと,手順3以降に進んでください。

  3. セットアップコマンドの実行

    Storeバージョン2.0に移行するため,次のコマンドを実行します。

    jpcconf db vrset -ver 2.0 -key HiRDB -inst インスタンス名

    jpcconf db vrsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

  4. リテンションの設定

    手順1の見積もり時に設計したリテンションを設定してください。Agent Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。

(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ

Storeバージョン2.0のアンセットアップはjpcconf db vrset -ver 1.0コマンドを使用します。Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,Storeデータベースのデータはすべて初期化され,Storeバージョン1.0に戻ります。

jpcconf db vrsetコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

(3) 注意事項

(a) Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に変更する場合

Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に変更した場合,PIレコードは変更前と変更後でデータの内容は変わりません。PDレコードは,Storeバージョン1.0のデータを参照できないおそれがあります。このため,Storeバージョン2.0に変更する前に,jpctool db dumpコマンドでStoreバージョン1.0の情報を出力してください。

例えば,Storeバージョン1.0のPDレコードが10,000レコードで2006/01/01から2006/12/31の365日分保存されている場合,Storeバージョン2.0に変更すると,デフォルトの保存期間が10日であるため,過去355日分のデータは削除されます。Storeバージョン2.0でのデフォルト保存日数については,「付録A.2 ディスク占有量」を参照してください。

(b) Storeバージョン2.0からStoreバージョン1.0に戻す場合

Storeバージョン1.0に戻すと,データは初期化されます。このため,Storeバージョン1.0に変更する前に,jpctool db dumpコマンドでStoreバージョン2.0の情報を出力してください。