2.1.4 PFM - Agent for DB2のセットアップ手順
ここでは,PFM - Agent for DB2を運用するための,セットアップについて説明します。
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
- 〈この項の構成〉
(1) LANG環境変数の設定
LANG環境変数を設定します。
これらのLANG環境変数を設定する前に,設定する言語環境が正しくインストール・構築されていることを確認しておいてください。正しくインストール・構築されていない場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換わってしまったりすることがあります。
- 注意
-
共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決まります。そのため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。
PFM - Agent for DB2で使用できるLANG環境変数を次の表に示します。なお,表に示す以外の言語(ドイツ語,フランス語,スペイン語,韓国語,中国語(簡体字),および,ロシア語)を設定した場合,LANG環境変数の値は「C」で動作します。
言語 |
文字コード |
LANG環境変数の値 |
---|---|---|
日本語 |
UTF-8コード |
|
Shift-JISコード |
|
|
EUCコード |
|
|
英語(日本語なし) |
ASCII |
|
言語 |
文字コード |
LANG環境変数の値 |
---|---|---|
日本語 |
UTF-8コード |
|
Shift-JISコード |
−(該当なし) |
|
EUCコード |
−(該当なし) |
|
英語(日本語なし) |
ASCII |
|
(2) LD_LIBRARY_PATH環境変数の設定(Linuxの場合)
PFM - Agent for DB2が08-50以降の場合は,PFM - Agent for DB2を起動する前に,LD_LIBRARY_PATH環境変数にDB2ライブラリの場所を次のように指定する必要があります。
LD_LIBRARY_PATH=DB2のインストールパス/lib32
LD_LIBRARY_PATH環境変数に,ほかのパスを含める場合には,必ず上記の値を先頭に指定してください。
DB2ライブラリの場所は,DB2インスタンスユーザーでログインし,DB2DIR環境変数に設定されている値に"/lib32"を付けたパスです。
- 注意
-
- ・複数のDB2がインストールされている場合
-
同一ホスト内にインストール場所の異なる複数のDB2が存在し,それぞれをPFM - Agent for DB2で監視するときには,PFM - Agent for DB2インスタンスごとに,次の操作を実施してください。
-
LD_LIBRARY_PATH環境変数に監視対象のDB2のインストールパス/lib32を設定する
-
次のコマンドで,PFM - Agent for DB2サービスを起動する
jpcspm start -key DB2 -inst PFM - Agent for DB2のインスタンス名
同一のターミナルやシェルから,複数のPFM - Agent for DB2サービスを起動する場合には,上記の手順をPFM - Agent for DB2インスタンスごとに繰り返してください。
なお,次のPFM - Agent for DB2のインスタンス名を指定しない形式でのサービスの起動はできません。
-
jpcspm start all
-
jpcspm start -key DB2
-
- ・自動再起動機能または定期再起動機能を使用する場合
-
Status ServerサービスのLD_LIBRARY_PATH環境変数に,DB2のライブラリの場所を設定してください。
同一ホスト内にインストール場所の異なる複数のDB2が存在する環境では,自動再起動機能および定期再起動機能は使用できません。
(3) PFM - Agent for DB2の登録
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - Agentを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - Agent for DB2を登録する必要があります。
PFM - Managerのバージョンが08-50-05以降およびPFM - Web Consoleのバージョンが08-50-02以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,ここで説明する手順は不要です。
ただし,PFM - ManagerよりあとでリリースされたPFM - AgentまたはPFM - RMについては手動登録が必要になる場合があります。手動登録の要否については,PFM - Managerのリリースノートを参照してください。
PFM - Agentの登録の流れを次に示します。
- 注意事項
-
-
PFM - Agentの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
-
すでにPFM - Agent for DB2の情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - Agent for DB2を追加した場合,PFM - Agentの登録は必要ありません。
-
バージョンが異なるPFM - Agent for DB2を,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
-
PFM - Managerと同じホストにPFM - Agentをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
-
PFM - Agent for DB2の情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]タブおよび[アラーム階層]タブに「DB2」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]タブで,すでに独自に「DB2」という名前のフォルダまたはレポートを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
-
(a) PFM - Agent for DB2のセットアップファイルをコピーする
PFM - Agent for DB2をインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
-
PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
-
PFM - Agentのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表2‒4 コピーするセットアップファイル PFM - Agentの
セットアップファイル
コピー先
PFMプログラム名
OS
コピー先ディレクトリ
/opt/jp1pc/setup/jpcagtrw.EXE
PFM - Manager
Windows
インストール先フォルダ\setup\
/opt/jp1pc/setup/jpcagtru.Z
UNIX
/opt/jp1pc/setup/
/opt/jp1pc/setup/jpcagtrw.EXE
PFM - Web Console
Windows
インストール先フォルダ\setup\
/opt/jp1pc/setup/jpcagtru.Z
UNIX
/opt/jp1pcwebcon/setup/
(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - ManagerでPFM - Agent for DB2をセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcconf agent setup -key DB2
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
- 注意事項
-
コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。
PFM - ManagerホストにあるPFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(4) インスタンス環境の設定
PFM - Agent for DB2で監視するDB2のインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - Agentホストで実施します。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。DB2のインスタンス情報の詳細については,DB2のマニュアルを参照してください。
項目 |
説明 |
設定できる値 |
デフォルト値 |
---|---|---|---|
db2_instance |
DB2のインスタンス名。 |
8バイト以内の半角英数字。 ただし,次の文字は指定できない。
|
− |
db2_node |
DB2のノード名。 |
− |
|
db2_name |
DB2のデータベース名。 |
− |
|
db2_user |
DB2のデータベースに接続できるユーザー名。 次のどれかの権限を持つこと。
またcollect_additional_infoに「y」を指定した場合は次のどれかの権限も必要。※4
|
− |
|
db2_password |
db2_userで指定したユーザーのパスワード。 |
64バイト以内の半角英数字。 ただし,次の文字は指定できない。
|
− |
attach_retry |
DB2インスタンス接続リトライ回数。 |
0〜99(単位:回数) |
0 |
attach_waittime |
DB2インスタンス接続リトライ間隔。 |
0〜600(単位:秒) |
0 |
db2_activate |
DB2を活動化状態にするかどうかを指定する。 |
yまたはn |
n |
db2_dir※1 |
DB2のインストールパスを指定する。※2 |
255バイト以内のディレクトリパス |
/opt/IBM/db2/V9.1 |
Store Version※3 |
使用するStoreバージョンを指定する。 Storeバージョンについては「2.4.3 Storeバージョン2.0への移行」を参照のこと。 |
1.0または2.0 |
2.0 |
collect_additional_info |
DB2の特定の機能を使用する場合※4に,スナップショットに加えSQLによる追加情報を収集するかどうかを指定する。 "y":追加情報を収集する "n":追加情報を収集しない |
yまたはn |
n |
- 注※1
-
AIXの場合だけ必要な項目です。
- 注※2
-
db2_dirに指定する値は,DB2がインストールされている場所(インストールパス)です。通常はDB2インスタンスユーザーでログインし,DB2DIR環境変数に設定されている値です。
同一ホスト内にインストール場所の異なる複数のDB2が存在し,それぞれをPFM - Agent for DB2で監視する場合は,db2_dirの値を監視対象のそれぞれのDB2のインストールパスに合わせてください。
- 注※3
-
Store Versionは新規にインスタンス環境を設定するときだけ指定できる項目です。インスタンス環境を更新するときは指定できません。
- 注※4
-
PFM - Agent for DB2では,パフォーマンスデータの収集を行うために,DB2のスナップショット・モニターを使用します。しかし,DB2 v10.5を監視する場合,使用するDB2 v10.5の機能によっては,DB2のスナップショット・モニターだけでは正しいパフォーマンスデータを収集できないことがあります。正しいパフォーマンスデータを収集するためには,スナップショット・モニターに加え,SQLの発行によるモニター情報の収集が必要です。
次の機能を使用する場合はcollect_additional_infoに「y」を指定し,使用しない場合は「n」を指定してください。
DB2バージョン
DB2エディション
機能
10.5以降
Advanced Workgroup Server Edition
BLUアクセラレーションの列指向表(カラムオーガナイズテーブル)
collect_additional_infoに「y」を指定すると,スナップショットからのパフォーマンスデータ取得に加え,SQLによるパフォーマンスデータを取得します。SQLを発行するためにdb2_userに指定するユーザーには次のどれかの権限が必要です。
-
DATAACCESS権限
-
DBADM権限
-
SQLADM権限
-
- 注意
-
-
db2_instance,およびdb2_nodeが不明な場合,DB2の"Control Center"を起動して,"Instances"ディレクトリ下の"Name"をdb2_instanceに,"Node name"をdb2_nodeに設定してください。"Control Center"についての詳細は,DB2のマニュアルを参照してください。
なお,DB2の"Control Center"を使用できない場合,DB2のコマンドを使って次の表の方法を実施し,必要な値を確認します。DB2のコマンドの詳細は,DB2のマニュアルをしてください。
表2‒6 DB2を使ったPFM - Agent for DB2のインスタンス項目値の確認方法 インスタンス項目
設定する値の確認方法
db2_instance
次のコマンドを実行して出力された値を確認します。
DB2のインストールディレクトリ/bin/db2ilistコマンド
このコマンドは,どのユーザーでも実行できます。
確認した値を,db2_instanceに指定してください。
db2_node
次の値を確認します。
監視対象のDB2インスタンスユーザー(db2_instanceの値)でログインし,DB2のlist node directoryコマンドを実行した時に出力される"Node name"の値。
ただし,ノードの情報をカタログしていない場合,値は出力されません。
- <値が出力される場合>
-
db2_nodeに"Node name"の値を指定してください。
- <値が出力されない場合>
-
PFM - Agent for DB2のインスタンスの項目db2_instanceと同じ値を指定してください。
-
PFM - Agent for DB2は,DB2からパフォーマンス情報を取得するために,監視対象のDB2インスタンスの次に示すスナップショット・モニター・スイッチをONにします。この場合,インスタンス情報のdb2_userには,SYSADM権限を持つユーザー名を指定します。ただし,すでにこれらのスナップショット・モニター・スイッチがすべてONの場合,インスタンス情報のdb2_userには,SYSCTRL権限またはSYSMAINT権限を持つユーザー名を指定できます。
DFT_MON_BUFPOOL , DFT_MON_LOCK , DFT_MON_SORT ,
DFT_MON_STMT , DFT_MON_TABLE , DFT_MON_UOW
スナップショット・モニター・スイッチについての詳細は,DB2のマニュアルを参照してください。
-
データベースを活動化状態に設定した場合,データベースレベルおよび表スペース情報はアプリケーションの接続の有無に関係なく取得されます(アプリケーションレベルの情報の取得にはアプリケーションの接続が必要です)。データベースを活動化状態にするには,インスタンス情報のdb2_userにsysadm,sysctrl,またはsysmaintのうちどれかの権限を持つユーザーを指定する必要があります。権限がないとき,活動化処理は失敗し,エージェントの処理は続行されます。活動化処理はDB2インスタンスへのアタッチ処理(エージェント起動時およびDB2インスタンスとのアタッチが切れたあとの再アタッチ時)のあとに行われます。
-
db2_activateにyを指定した場合のデータベース活動/非活動およびアプリケーション接続有/無とPFM - Agent for DB2の起動/停止の関係を次に示します。
ユーザーによる活動/非活動の設定
アプリケーションの接続
PFM - Agent for DB2起動
PFM - Agent for DB2停止
活動化している
有
【DB2メッセージ】SQL1490W
データベースは正常にアクティブになりましたが,このデータベースは1つ以上のノードですでにアクティブになっています。※1
−
無
−
活動化していない
有
【DB2メッセージ】SQL1494W
データベースは正常にアクティブになりましたが,このデータベースへの接続はすでに存在しています。※2
−
無
【DB2メッセージ】エラーなし※3
−
非活動化していない
有
−
【DB2メッセージ】SQL1495W
データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースとの接続がまだ存在しています。※4
無
−
【DB2メッセージ】
エラーなし
非活動化している
有
−
【DB2メッセージ】SQL1495W
データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースとの接続がまだ存在しています。※5
無
−
【DB2メッセージ】SQL1496W
データベースの非アクティブ化は正常に実行されましたが,このデータベースはアクティブにされてはいませんでした。
-
インスタンス環境を設定していない場合,PFM - Agent for DB2のサービスを起動できません。
-
jpcconf inst setupコマンドを使用してインスタンス環境を構築する際,DB2上に存在しないインスタンス名を指定した場合でもコマンドは正常に終了します。しかし,その後レコードの収集を開始すると,共通メッセージログに「KAVF29016-W」のメッセージが出力され,監視対象のDB2に接続できません。この場合,正しいインスタンス名を確認の上,再度jpcconf inst setupコマンドを実行してください。
-
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
-
サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。
PFM - Agent for DB2のインスタンス名db2instのインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpcconf inst setup -key DB2 -inst db2inst
jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
-
DB2のインスタンス情報を設定する。
表2-5に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を,項目の入力とする場合はリターンキーだけを押してください。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時のインスタンス環境を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.2 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
-
インスタンス環境のディレクトリ構成
次のディレクトリ下にインスタンス環境が構築されます。
-
物理ホスト運用の場合:/opt/jp1pc/agtr
-
論理ホスト運用の場合:環境ディレクトリ※/jp1pc/agtr
- 注※
-
環境ディレクトリは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。
-
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次に示します。
ディレクトリ名・ファイル名 |
説明 |
||
---|---|---|---|
agent |
インスタンス名 |
jpcagt.ini |
Agent Collectorサービス起動情報ファイル |
jpcagt.ini.model※ |
Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル |
||
log |
ログファイル格納ディレクトリ |
||
store |
インスタンス名 |
jpcsto.ini |
Agent Storeサービス起動情報ファイル |
jpcsto.ini.model※ |
Agent Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイル |
||
*.DAT |
データモデル定義ファイル |
||
dump |
エクスポート先ディレクトリ |
||
backup |
バックアップ先ディレクトリ |
||
import |
インポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
||
log |
ログファイル格納ディレクトリ |
||
partial |
部分バックアップ先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
||
STPD |
PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
||
STPI |
PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
-
インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
-
Agent Collectorサービス:RAインスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]
-
Agent Storeサービス:RSインスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]
PFM - Agent for DB2の場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
例えば,ホスト名が「host1」で,インスタンス名に「db2inst」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。
-
Agent Collectorサービス:RA1db2inst [host1]
-
Agent Storeサービス:RS1db2inst [host1]
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録に記載されている命名規則を参照してください。
-
(5) ネットワークの設定
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。
ネットワークの設定には次の2つの項目があります。
-
IPアドレスを設定する
Performance Managementを複数のLANに接続されたネットワークで使用するときに設定します。複数のIPアドレスを設定するには,jpchostsファイルにホスト名とIPアドレスを定義します。設定したjpchostsファイルはPerformance Managementシステム全体で統一させてください。
詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
-
ポート番号を設定する
Performance Managementが使用するポート番号を設定できます。運用での混乱を避けるため,ポート番号とサービス名は,Performance Managementシステム全体で統一させてください。
ポート番号の設定の詳細についてはマニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(6) ログのファイルサイズ変更
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(7) パフォーマンスデータの格納先の変更
PFM - Agent for DB2で管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のディレクトリを変更したい場合に必要な設定です。
パフォーマンスデータは,デフォルトでは,次の場所に保存されます。
-
保存先:/opt/jp1pc/agtr/store/インスタンス名/
-
バックアップ先:/opt/jp1pc/agtr/store/インスタンス名/backup/
-
部分バックアップ先※:/opt/jp1pc/agtr/store/インスタンス名/partial/
-
エクスポート先:/opt/jp1pc/agtr/store/インスタンス名/dump/
-
インポート先※:/opt/jp1pc/agtr/store/インスタンス名/import/
- 注※
-
Storeバージョン2.0使用時だけ設定できます。
- 注意
-
論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「/opt/jp1pc」を「環境ディレクトリ/jp1pc」に読み替えてください。
詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(8) PFM - Agent for DB2の接続先PFM - Managerの設定
PFM - Agentがインストールされているホストで,そのPFM - Agentを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。
- 注意事項
-
-
同一ホスト上に,複数のPFM - Agentがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - Agentごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
-
PFM - AgentとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,PFM - Agentの接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
-
セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムのサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
-
手順を次に示します。
-
Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
-
接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。
例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。
jpcconf mgrhost define -host host01
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
(9) 動作ログ出力の設定
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。