9.15 jslmreport(レポートデータのCSVファイル出力)
機能
データベースに格納されているレポートデータをCSVファイル形式で出力します。
このコマンドは,次の条件を満たした状態で実行してください。
バージョンが10-10のJP1/SLM - Manager,または10-10のJP1/SLM - Managerとデータフォーマットバージョンが同じJP1/SLM - Managerがセットアップされている。
JP1/SLM - Managerのデータベースを10-00以前のバージョンからリストアする場合に上書きセットアップでリストアしている。
JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)と「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)が起動されている。
また,クラスタ環境の場合は実行系サーバで実行してください。待機系サーバでは実行できません。
コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「11.3 メッセージの一覧」を参照してください。
形式
jslmreport△-t△{ service | system | info | overview | graph } △-g△サービスグループ名 △-s△サービス名 △-d△レポート起点日 △-i△{ 1day | 1week | 1month | 3months } △-o△出力先ファイル名 [ △-f ]
実行権限
OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント
格納先フォルダ
JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\
引数
-t
CSVファイル出力対象のレポートデータ種別を1つ指定します。指定方法を次に示します。
service
サービス性能を出力する場合に指定します。ただし,-sオプションにサービス性能監視をしないサービスを指定した場合は,serviceは指定できません。
system
システム性能を出力する場合に指定します。
info
稼働情報を出力する場合に指定します。
overview
サービス稼働概要を出力する場合に指定します。
graph
性能グラフを出力する場合に指定します。
-g△サービスグループ名
出力対象サービスのサービスグループ名を指定します。
-s△サービス名
出力対象サービスのサービス名を指定します。
-d△レポート起点日
出力対象サービスのレポート起点日を日単位で指定します。指定方法を次に示します。
形式 |
詳細 |
---|---|
-d△YYYYMMDD |
|
起点日はITSLM - Managerのタイムゾーンに従います。
起点日の妥当性(暦に存在する日付であるか)はチェックしません。
-i
出力対象サービスのレポート期間を1つ指定します。指定方法を次に示します。
1day
1日のレポートを出力する場合に指定します。
1week
1週間のレポートを出力する場合に指定します。
1month
1か月のレポートを出力する場合に指定します。
3months
3か月のレポートを出力する場合に指定します。
-o△出力先ファイル名
レポートデータの出力先ファイル名を指定します。ファイル名は絶対パスで指定してください。
- 出力フォーマット
1行目にヘッダ情報が表示されて,2行目以降にデータ情報が表示されます。
データ種別ごとの出力フォーマットを次に示します。
-
サービス性能
サービス性能の出力フォーマットを次に示します。
表9‒21 サービス性能の出力フォーマット 項番
ヘッダ情報
2行目以降に出力されるデータ情報
データ情報の詳細
1
Service_Performance_Start_Date
出力期間の起点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
2
Service_Performance_End_Date
出力期間の終点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
3
Service_Performance_Monitored_Target
監視対象
選択している監視対象の名称
4
Service_Performance_Monitor_Item
監視項目(単位)
-
平均応答時間 (msec)
-
スループット (件/sec)
-
エラー率 (%)
5
Service_Performance_Average
平均値※1
-
平均応答時間の場合
レポート期間中の平均応答時間合計/レポート期間中のリクエスト件数(単位:ミリ秒)
-
スループットの場合
レポート期間中のリクエスト件数(JP1/SLM - URがレスポンスの取得にタイムアウトしたリクエストの件数を除く)/レポート期間中の稼働時間(単位:件/秒)
-
エラー率の場合
(レポート期間中にHTTPステータスがエラーのレスポンスを返した件数+JP1/SLM - URがレスポンスの取得にタイムアウトしたリクエストの件数)/レポート期間中のリクエスト件数(単位:%)
6
Service_Performance_SLO_Compliance_Ratio
SLO遵守率※1
(1.0−しきい値超過時間/1か月の稼働時間)×100(単位:%)
7
Service_Performance_VS_Previous_Term
前回比※2,※3
(レポート期間中の平均応答時間/レポート期間に応じた比較対象となる期間の平均応答時間−1.0)×100(単位:%)
注※1
小数点以下第1位で四捨五入して出力されます。
注※2
小数点以下第2位で四捨五入して出力されます。
注※3
監視対象サービスのサービス性能について算出される前回比は,レポート期間の設定によって表のヘッダ,および算出に利用する比較対象となる期間が異なります。
レポート期間と前回比の関係を次の表に示します。
表9‒22 レポート期間と前回比の関係 項番
レポート期間
表のヘッダ
比較対象となる期間
1
1日
前日比
起点日の前日
2
1週間
先週比
起点日の前日を含む前の7日間
3
1か月
先月比
先月の同日から前日まで
4
3か月
前4半期比
3か月前の同日から前日まで
-
-
システム性能
システム性能の出力フォーマットを次に示します。
表9‒23 システム性能の出力フォーマット 項番
ヘッダ情報
2行目以降に出力されるデータ情報
データ情報の詳細
1
System_Performance_Start_Date
出力期間の起点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
2
System_Performance_End_Date
出力期間の終点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
3
System_Performance_Host
ホスト
選択した監視対象サービスのホスト名称
4
System_Performance_Monitored_Target
監視対象
ホストに含まれる監視エージェントの名称
5
System_Performance_Monitor_Item
監視項目(単位)
監視エージェントに含まれる監視項目の名称と単位
6
System_Performance_Average
平均値※1
監視項目に応じた平均値
7
System_Performance_SLO_Compliance_Ratio
SLO遵守率※1
(1.0−しきい値超過時間/1か月の稼働時間)×100(単位:%)
8
System_Performance_VS_Previous_Term
前回比※2,※3
(レポート期間中の平均応答時間/レポート期間に応じた比較対象となる期間の平均応答時間−1.0)×100(単位:%)
注※1
小数点以下第1位で四捨五入して出力されます。
注※2
小数点以下第2位で四捨五入して出力されます。
注※3
監視対象サービスのシステム性能について算出される前回比は,レポート期間の設定によって表のヘッダ,および算出に利用する比較対象となる期間が異なります。
レポート期間と前回比の関係については「表9-22 レポート期間と前回比の関係」を参照してください。
-
稼働情報
稼働情報の出力フォーマットを次に示します。
表9‒24 稼働情報の出力フォーマット 項番
ヘッダ情報
2行目以降に出力されるデータ情報
データ情報の詳細
1
Availability_Info_Start_Date
出力期間の起点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
2
Availability_Info_End_Date
出力期間の終点日
YYYY/MM/DD(年/月/日)
3
Availability_Info_Service_Availability
サービス稼働率※1
レポート期間中の稼働期間の総和/(レポート期間中の稼働期間の総和+レポート期間中の障害期間の総和)(単位:%)
4
Availability_Info_MTTR
MTTR※2
レポート期間中の障害期間の総和/レポート期間中の障害期間の数(単位:分)
5
Availability_Info_MTBF
MTBF※2
レポート期間中の稼働期間の総和/レポート期間中の障害期間の数(単位:分)
注※1
小数点以下第2位で四捨五入して出力されます。
注※2
小数点以下第1位で四捨五入して出力されます。
-
サービス稼働概要
サービス稼働概要の出力フォーマットを次に示します。
表9‒25 サービス稼働概要の出力フォーマット 項番
ヘッダ情報
2行目以降に出力されるデータ情報
データ情報の詳細
1
Service_Availability_Overview_Date_And_Time
時間※
レポート期間中に可用性監視に関するイベントが発生した時刻
2
Service_Availability_Overview_Event
イベント
レポート期間中に発生した次の可用性監視に関するイベントのどれか
-
サービス復旧
-
サービス監視開始
-
サービス監視停止
-
サービスダウン
注※
JP1/SLM - Managerのタイムゾーンを基にYYYY/MM/DD hh:mm形式で表示されます。
-
-
性能グラフのCSVファイルへの出力情報
性能グラフのCSVファイルへの出力情報を次に示します。
表9‒26 性能グラフのCSVファイルへの出力情報 項番
ヘッダ情報
2行目以降に出力されるデータ情報
データ情報の詳細
1
Date
時間
JP1/SLMが該当するデータを取得した日時。JP1/SLM - Managerのタイムゾーンを基にYYYY/MM/DD hh:mm形式で表示される
2
監視項目Average
監視項目の平均値
監視項目に応じた平均値
3
監視項目Max
監視項目の最大値
監視項目に応じた最大値
4
監視項目Min
監視項目の最小値
監視項目に応じた最小値
・
・
・
6
監視項目Average
監視項目の平均値
監視項目に応じた平均値
7
監視項目Max
監視項目の最大値
監視項目に応じた最大値
8
監視項目Min
監視項目の最小値
監視項目に応じた最小値
注
監視項目は次のBNF記法で決定されます。
監視項目::=監視対象サービスの名称“/”監視対象サービスの監視対象の名称“/”
監視対象サービスの監視対象の名称::=“All Web Access”|Webトランザクション名|ホスト名“/”エージェント名
-
- 出力文字コード
UTF-8で出力されます。
-f
-oオプションで指定する出力ファイルがすでに存在する場合に,出力ファイルを上書きするとき指定します。
このオプションを省略した場合に出力ファイルが存在したときは,エラーになります。
注意事項
次の操作はこのコマンドと排他関係になります。
監視対象サービスの登録および削除
Webトランザクションの登録および削除
Webトランザクションの編集(順序の更新含む)
レポートのテンプレートの追加,編集,コピー,および削除
構成情報の更新
システム性能の監視項目設定の保存
サービス性能の監視設定
システム性能の監視設定
可用性監視の設定
コマンドの実行時に排他関係になる処理が実行されている場合は,コマンドがエラーとなり中断されます。コマンドの実行中に排他関係になる処理が実行された場合は,排他関係になる処理がエラーとなり中断されます。
このコマンドの実行中は,jslmmgrexportコマンドおよびjslmminfogetコマンド以外のコマンドを実行しないでください。
先頭の文字が「-」(ハイフン)のサービスグループ名およびサービス名は,このコマンドに使用できません。
レポート期間内の暦にない日付はCSVファイルの集計対象としません。例えば,レポート起点日を5月31日,レポート期間を1か月で指定した場合,レポート起点日から1か月後の6月31日は存在しないため6月30日として扱われます。これに伴い,レポート期間の末日は6月30日-1日である6月29日となり,レポート期間の集計対象は5月31日〜6月29日となります。前回比の算出も同様に扱われます。
JP1/SLMでのレポートデータの保持期間は5年です。
監視項目名に,「,」(半角コンマ)または「"」(半角ダブルクォーテーション)が指定されている場合,CSVファイルに出力する際は,これらの記号は「_」(半角アンダースコア)で表示されます。
このコマンドの実行を,コマンドを実行しているコマンドプロンプトを閉じる操作や,キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで中断しないでください。
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
CSVファイルを正常に出力しました。 |
1 |
CSVファイルの出力に失敗しました。 |
130 |
「Ctrl」キー+「C」キーによって処理が中断されました。 |
使用例
C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\bin\jslmreport△-t△service△-g△Group1△-s△Service1△-d△20130128△-i△1month△-o△c:\report.csv△-f