1.5.1 想定している担当者
JP1/SLMでは,次のような担当者と,担当者ごとの作業を想定しています。
すべてのサービスの監視者
監視の設定,監視対象サービスの監視,サービスの状況についての定期報告などをする統括的な立場の監視担当者です。すべてのサービスを監視できます。監視担当者のうち,ある程度の経験があるベテランの担当者が担当することを想定しています。
PDCAサイクルの「Check」で実施する作業のうち,「監視設定」,「監視」,「定期評価」を担当します。また,JP1/SLMのトラブル発生時には,現象の確認や対処をします。ただし,対処が難しい場合は,対処に使用する資料採取などを実施して,監視対象サービスの保守担当者やシステム管理者に報告します。
「すべてのサービスの監視者」は,「特定のサービスの監視者」が担当する作業を兼ねる場合があります。
監視員
特定のサービスを監視する監視担当者です。すべてのサービスの監視者の指示を受け,新しく導入したサービスやトラブルからの復旧後間もないサービスを監視します。PDCAサイクルの「Check」で実施する作業のうち,「監視」を担当します。
個人の経験ではなく,指示に従い,過去の事例を参照しながら監視を実行します。監視対象サービスの監視中,対処方法がわからないトラブルやトラブルの予兆を検知した場合は,特定のサービスの監視者に報告します。
特定のサービスの監視者
特定のサービスを監視する監視担当者です。すべてのサービスの監視者に比べて,経験が少ない担当者が担当することを想定しています。
PDCAサイクルの「Check」で実施する作業のうち,「監視」を担当します。
監視員から対処方法がわからないトラブルやトラブルの予兆を検知した旨の報告を受け,内容を確認します。対処が必要な場合は,すべてのサービスの監視者に報告します。
監視対象サービスの保守担当者
監視対象サービスを構成するプログラムに問題が発生した場合に対処する担当者です。監視対象サービスの開発に携わった担当者など,監視対象サービスの内容に熟知している担当者です。
システム運用者
社内のIT機器,ネットワークなどを運用し,JP1/SLMを始めとした社内に導入した製品のインストールやセットアップを実施する担当者です。JP1/SLMを使用した監視システムの設計者でもあり,PDCAサイクルの「Check」で実施する作業のうち,「監視設定」,「定期的評価」を担当します。
システム管理者
社内のシステムを統括的に管理し,すべてのサービスの監視者からの報告を受けた場合に,JP1/SLMのトラブルの対処を実施する担当者です。
これらの担当者の関係を次の図に示します。
- メモ
監視をする担当者には,JP1/SLMの操作権限としてJP1権限レベルを設定する必要があります。ここでは,それぞれの担当者に次の権限を設定することを想定しています。
項番
監視をする担当者
想定しているJP1権限レベル
1
すべてのサービスの監視者
JP1_ITSLM_Admin
2
監視員
JP1_ITSLM_User
3
特定のサービスの監視者
JP1_ITSLM_User
4
監視対象サービスの保守担当者
JP1_ITSLM_User
操作権限の設定については,「5.2.3 JP1ユーザーごとの操作権限を設定する」を参照してください。