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JP1 Version 11 パフォーマンス管理 基本ガイド(サービスレベル管理編)


付録F 用語解説

(英字)

All Web Access

JP1/SLMの監視対象です。監視対象サービスに含まれるすべてのリクエストとレスポンスについて,平均応答時間,スループットおよびエラー率を監視できます。

BNF記法

プログラムのソースコードやネットワーク,プロトコルなどのコンピュータが扱う言語の文法を定義するために使うメタ言語のことで,文字だけで表現します。

JP1/Base

JP1/SLM - Managerの前提となるプログラムです。イベントサービス機能を提供し,サービスの起動順序を制御できます。また,JP1イベントを送受信できます。

JP1/SLMでは,認証サーバとしても使用します。

JP1/SLM - Manager

JP1/SLM - URが収集したHTTPパケットを集計・分析し,サービスの状況を監視するプログラムです。

監視者は,JP1/SLM - Managerにアクセスしてサービスの状況を確認します。

JP1/SLM - UR

スイッチごとに配置することで,スイッチを通じてサービス利用者とサービスの提供サーバの間でやり取りされるリクエスト,およびレスポンスのHTTPパケットを収集するプログラムです。

収集結果は,JP1/SLM - Managerに送信されます。

JP1イベント

システムで発生した事象をJP1で管理するための情報です。

JP1イベントは,次のような属性に分けて,事象を記録しています。

基本属性

すべてのJP1イベントが持つ属性です。

属性名を表記する場合,例えばイベントIDはB.ID(または単にID)のように記述します。

拡張属性

JP1イベントの発行元が任意に指定できる属性です。拡張属性は,次の共通情報と固有情報で構成されます。

・共通情報(形式が統一されている拡張属性の情報)

・固有情報(共通情報以外の各製品固有の形式の情報)

属性名を表記する場合,例えば重大度はE.SEVERITY(または単にSEVERITY)のように記述します。

JP1イベントは,JP1/Baseのイベントサービス機能が管理しています。システムで発生した事象をJP1イベントとしてデータベースに記録しています。

JP1権限レベル

管理対象(資源)に対してJP1ユーザーがどのような操作ができるかを表します。ジョブ,ジョブネット,イベントなどの管理対象(資源)の種類に応じて,操作項目を定めています。管理対象(資源)の種類と,それに対する操作項目の幾つかを組み合わせた形式でJP1ユーザーのアクセス権限を管理します。

JP1/SLMでは,「JP1_ITSLM_Admin」(サービスグループ管理者)と「JP1_ITSLM_User」(サービスユーザー)の2種類のJP1権限レベルを使用します。

JP1ユーザー

JP1/SLMを使用するときのユーザーです。JP1ユーザーは,認証サーバに登録され,他ホストへのアクセス権限を認証サーバで管理されます。OSに登録されているユーザーとは異なる場合があります。

RDエリア

データベースのデータ格納領域です。JP1/SLM導入の際にセットアップ処理を実行したとき,絶対パスで指定したフォルダにRDエリアが作成されます。JP1/SLMでは,RDエリアを使用してJP1/SLM運用時のデータ管理を実現しています。

SLA

サービスの委託元と委託先の間での契約で交わされる,サービスの提供品質についての保証内容です。

SLO

SLAを遵守するために,監視項目に設定した具体的な評価指標です。

URI

インターネット上にある情報資源を指し示す識別子です。情報資源の場所,情報資源の名前などを表しています。

Webアクセス

JP1/SLMの監視対象となる,リクエストとレスポンスの組み合わせのことです。

(ア行)

イベント

エラーまたは警告に該当する事象が発生したことを通知する情報です。

(カ行)

稼働情報

監視対象サービスが稼働しているか停止しているかを監視した結果のデータです。

監視項目

サービスレベルの維持のためにJP1/SLMで監視する項目です。サービス性能を監視する場合は,平均応答時間,スループット,およびエラー率が該当します。

感度

外れ値検知での,検知のされやすさを決定する設定です。感度を高くすると検知されやすくなり,感度を低くすると検知されにくくなります。[設定]画面で設定します。

傾向監視

監視対象サービスのサービス性能の傾向を計算して,傾向からサービス性能のしきい値超過を事前に検知する監視方法です。

(サ行)

サービス

業務システムのことです。

サービスグループ

JP1/BaseでのJP1資源グループと同じものです。監視対象を,業務システムを委託した顧客ごと(企業ごとなど)に管理するための単位です。

サービスグループ管理者

JP1権限レベルで「JP1_ITSLM_Admin」を設定したユーザーです。

サービスグループ情報,およびサービスグループ内の監視対象サービスの情報を参照できます。また,監視対象サービスの情報の設定もできます。

サービス性能

監視項目である平均応答時間,スループット,およびエラー率を監視した結果のデータです。

サービス性能監視

監視対象サービスのサービス性能が,外れ値検知やSLO監視で設定した値を超過しているかどうかを監視する監視方法です。

サービスユーザー

JP1権限レベルで「JP1_ITSLM_User」を設定したユーザーです。

サービスグループ情報,およびサービスグループ内の監視対象サービスの情報を参照できます。

しきい値監視

監視対象サービスのサービス性能が,設定したしきい値を超過した場合に検知する監視方法です。

システム定義ファイル

JP1/SLMの動作を指定する定義ファイル(プロパティファイル)です。ホスト名,ポート番号などを指定します。

性能データ

JP1/SLMの監視で使用するデータです。次のデータを基に作成されます。

  • JP1/SLM - URが収集したサービス性能のデータ

(タ行)

ドリルダウン

データ分析の手法の一つです。

データの集計レベルを1段階ずつ掘り下げて集計項目を詳細化します。

(ナ行)

認証サーバ

JP1ユーザーのアクセス権限を管理するサーバです。

1つのユーザー認証圏に1台設置する必要があります。このサーバを利用してJP1ユーザーを一括で管理します。JP1/SLMを導入する場合,JP1ユーザー名をこのサーバに登録する必要があります。

(ハ行)

外れ値検知

監視対象サービスのサービス性能がふだんのサービス性能と大きく異なっている場合に,トラブルの予兆として検知する監視方法です。

ベースライン

外れ値検知の検知の基準となる,ふだんのサービス性能のことです。蓄積した過去のサービス性能の平均値で作成されます。外れ値検知では,このベースラインと大きく異なるサービス性能を検知することで,ふだんのサービス性能と異なることを検知します。