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JP1 Version 11 パフォーマンス管理 基本ガイド(サービスレベル管理編)


4.1 JP1/SLMで実現できる監視について

JP1/SLMが監視するのは,監視対象サービスに対する利用者からの実アクセスに基づいた,平均応答時間,スループット,およびエラー率の3つの監視項目です。JP1/SLMでは,監視項目を基に外れ値検知とSLO監視を実行できます。

監視項目である平均応答時間,スループット,およびエラー率を監視した結果のデータをサービス性能といいます。サービス性能は1秒間の秒間のデータです。そのため,1分間に60個のサービス性能が測定されます。

監視項目を基に,JP1/SLMでは外れ値検知とSLO監視を実行できます。外れ値検知とSLO監視の内容を次の表に示します。

表4‒1 外れ値検知とSLO監視の内容

項番

監視(検知)の種類

内容

1

外れ値検知

監視対象サービスのサービス性能がふだんのサービス性能と大きく異なっている場合に,サービス性能の異常の予兆として検知する監視方法です。

2

SLO監視

傾向監視

監視対象サービスのサービス性能の傾向を算出して,傾向からサービス性能のしきい値超過を事前に検知する監視方法です。

しきい値監視

監視対象サービスのサービス性能が,設定したしきい値を超過した場合に検知する監視方法です。

外れ値検知,傾向監視,およびしきい値監視をすべて実行した場合,監視対象サービスにサービス性能の異常の発生が見込まれたときに,外れ値検知および傾向監視によって警告が表示されます。この段階で適切に対処することで,サービス性能の異常の発生を未然に防げます。また,サービス性能の異常が発生してしまったときには,しきい値監視によってエラーが表示されます。この場合は,至急対処が必要であると判断できます。