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JP1 Version 11 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


4.1.1 自動アクションによる案件の自動登録

JP1/IM - Managerは,同ホスト上のJP1/BaseからJP1イベントを取得します。取得したJP1イベントの中に,自動アクションの実行条件に合致するJP1イベントがあった場合,自動アクションの実行内容に従ってコマンドを自動実行します。自動アクションの実行条件や実行内容は,JP1/IM - Managerで定義します。

JP1/Service Supportは,このJP1/IM - Managerの機能を利用してjssitementryコマンドを自動実行し,案件管理DBにインシデントを登録します。

jssitementryコマンドの詳細については,「12. コマンド」の「jssitementry(案件登録)」を参照してください。

JP1/IM - Managerの自動アクションを利用して,JP1/Service Supportの案件管理DBにインシデントを登録するまでの処理を次の図に示します。

図4‒2 自動アクションによるインシデントの登録処理

[図データ]

図中の番号に従って説明します。

  1. JP1/IM - Managerは,統合マネージャーのJP1/BaseのイベントDBに登録されたJP1イベントを,イベント取得フィルターによってフィルタリングした状態でJP1イベントを取得します。

  2. JP1/IM - Managerの自動アクション機能は,取得したJP1イベントが自動アクションの実行条件に合致するかを判定します。合致するJP1イベントがあった場合,実行内容に従って実行先ホストにコマンド(アクション)の実行要求を送信します。

    なお,ここでは案件管理サーバに対し,jssitementryコマンドの実行要求を送信しています。

    自動登録された案件のステータスが「クローズ」に変更されたときにJP1/Service SupportからJP1イベントを受け取るには,jssitementryコマンドの-evtオプションの引数にJP1/IM - Managerのホスト名とイベントDB内通し番号を指定しておく必要があります。

  3. 統合マネージャーからの実行要求を受けて,案件管理サーバでjssitementryコマンドが実行されます。

  4. 案件管理DBにインシデントが登録されます。

メモ

自動アクションの実行先ホストになれるのは,JP1/IM - Managerの構成管理下のホストだけです。あらかじめ案件管理サーバをJP1/IM - Managerの管理対象ホストに指定しておく必要があります。

次に自動アクションの実行条件,実行内容について概略を説明します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」,およびマニュアル「JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 自動アクションの実行条件

JP1/IM - Managerでは,自動アクションを実行する条件として,JP1イベントのIDやメッセージ,JP1イベントの属性値を指定できます。この指定した内容を基に,JP1/IM - Managerでは自動アクションを実行するかどうかを判定しています。

JP1/Service Supportに自動アクションを実行する場合,正常運用を妨げる事象の発生を通知するJP1イベントを実行条件に指定します。

(2) 自動アクションの実行内容

JP1/IM - Managerでは,自動アクションの実行内容として,実行先や実行コマンド(アクション),実行ユーザーなどを指定できます。この指定した内容を基に,JP1/IM - Managerでは自動アクションを実行します。

JP1/IM - Managerと連携してJP1/Service Supportにインシデントを自動登録する場合,実行先に案件管理サーバ名,実行コマンドとしてjssitementryコマンドを指定します。

メモ

jssitementryコマンドの引数には,JP1/IM - Managerの機能によってJP1イベントの属性情報を埋め込めます。例えば,重大度を指定する-sオプションの値を「$EVSEV」と指定すると,JP1イベントの重大度に合わせてJP1/Service Supportに登録される案件項目の重大度の値が変わります。