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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


付録L.1 JP1/Baseを運用するための役割分担

JP1/Baseでは,JP1/Baseの環境設定や一部のコマンドを実行する際に,OSやJP1/Baseの関連製品のユーザー権限が必要です。そのため,JP1/Base管理者がJP1/Baseの環境設定や運用のすべてをJP1/Baseシステムの管理者に代わって実行することはできません。したがって,JP1/Baseシステムの管理者とJP1/Base管理者の役割分担は次のようになります。

JP1/Baseのシステム管理者
  • OSの操作

  • JP1/Baseの環境設定

  • JP1/Baseの障害対策

JP1/Base管理者
  • JP1/Baseのシステム管理者がする作業以外のJP1/Baseの運用業務

JP1/Base管理者を設定した場合,運用のイメージは次のようになります。

図L‒1 JP1/Base管理者を設定した場合の運用イメージ

[図データ]

JP1/Baseのシステム管理者とJP1/Base管理者の役割の詳細を,次の表に示します。

表L‒1 JP1/Baseのシステム管理者の役割

項番

機能

1

OSの操作

hostsなどのネットワーク関連の設定

2

共有ディレクトリの割り当て,およびJP1/Base管理者に該当するディレクトリの更新権限の追加(論理ホストで運用時)

3

クラスタソフトへの登録(クラスタ環境で運用時)

4

JP1/Base管理者で運用するための設定

JP1管理者グループの作成

5

JP1/Base管理者とするOSユーザーをJP1管理者グループに設定

6

JP1/Baseの環境設定

JP1/Baseのインストール

7

JP1/Baseのアンインストール

8

SNMPトラップのセットアップ(imevtgw_setupコマンド)

9

コマンド実行履歴ファイルの移行(jcocmdconvコマンド)

10

JP1/Base管理者での運用の設定(jbssetadmingrpコマンド)

11

HNTRLibが管理するrootユーザー専用コマンドの実行

12

ISAMで使用するリソースの削除(Jisrsdelコマンド)

13

ロックテーブルのエントリー数の拡張および縮小(Jislckextコマンド)

14

JP1/Baseの障害対策

すべての論理ホストの強制停止(jbs_killall.clusterコマンド)

15

資料採取(jbs_log.shコマンド)

注※ 資料採取のjbs_log.shコマンドは,JP1/Base管理者でも実行できます。ただし,JP1/Base管理者権限で実行した場合,次に示す資料は権限不足で採取できません。

なお,資料採取に失敗した場合,次のメッセージがコンソールに表示されます。

Can not get 採取に失敗した資料名.

表L‒2 JP1/Base管理者の役割

項番

機能

1

JP1/Baseの運用

JP1/Baseの起動および停止

2

ユーザー管理

ユーザー認証

3

ユーザーマッピング

4

イベントサービス

5

イベント変換

ログファイルトラップ

6

SNMPトラップ(JP1イベント変換)

7

定義収集および配布

IM構成管理による定義情報の管理,およびサービス稼働情報の管理

8

イベントサービスの定義収集,および配布

9

JP1製品の定義収集

10

プロセス管理

11

ヘルスチェック

12

ローカルアクション

13

論理ホストの実行系および待機系の追加

14

ISAMファイル関連のユーティリティコマンド

ただし,次に示すコマンドは使用できません。

  • ISAMで使用するリソースの削除(Jisrsdelコマンド)

  • ロックテーブルのエントリー数の拡張および縮小(Jislckextコマンド)

なお,JP1/Base管理者で運用する場合は,次の機能は使用できません。JP1/Baseのシステム管理者が実行してください。