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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


18.5.2 Windowsの場合のトラブル

〈この項の構成〉

(1) JP1/Baseのイベントサービスが起動しない。

要因

従来の製品JP1/IMを使用しているマシンにJP1/Baseをインストールして使用する場合,JP1/IM Control Service,またはJP1/IM Eventサービスが[コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックス上で「自動」で登録されていると,タイミングによってJP1/Base Eventサービスが起動できなくなります。

対処

JP1/IM Control ServiceおよびJP1/IM Eventサービスを手動に変更してください。また,そのほかのJP1/IM関連サービスも手動にしておいてください。

(2) JP1/IM - Viewの[イベントコンソール]画面に表示されるJP1イベントの時刻がずれる。

要因

システムのmsvcrt.dllのバージョンが古い場合に発生します。

対処

JP1/Baseのインストール時にmsvcrt.dllを置き換えるかどうかの確認ダイアログボックスが表示された場合,必ず[再起動]を選択してファイルの置き換え,インストール後にシステムを再起動してください。

また,ほかの製品をインストールした後に,イベントの時刻がずれるなどの動作不正が発生した場合は,JP1/Baseを再インストールしてください。

(3) 認証サーバが起動しない。

要因

[JP1/Base環境設定]画面の[認証サーバ]タブの[認証サーバ]で,認証サーバとして自ホストを指定していない場合,認証サーバは起動しません。JP1/Baseの新規インストール時に自動セットアップを選択しない場合は,起動しないようになっています。

対処

[JP1/Base環境設定]画面の[認証サーバ]タブの[認証サーバ]で,認証サーバに自ホストを指定してください。

(4) 「サービス固有のエラー3004」が表示され,JP1/Base EventlogTrapサービスが起動できない。

要因

イベントサービス(JP1/Base Event)が起動する前に,イベントログトラップサービス(JP1/Base EventlogTrap)が起動したためです。これは,イベントログトラップサービス(JP1/Base EventlogTrap)を[コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックス上で起動方法を「自動」にした場合に発生することがあります。

対処

イベントログトラップサービス(JP1/Base EventlogTrap)を自動起動にしたい場合は,起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)を利用して,イベントサービス(JP1/Base Event)の起動後に,イベントログトラップサービス(JP1/Base EventlogTrap)が起動するように設定してください。起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)の詳細については,「9. サービスの起動順序および終了順序の設定(Windows限定)」を参照してください。

(5) 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)でサービスを正常に起動または停止できない。

要因

次に示す要因が考えられます。

  1. 対話形式のコマンド,またはダイアログボックスを表示するコマンドを起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)に登録している。

  2. スペースを含むパスのコマンドをダブルクォーテーションマーク(")で囲まずに起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)に記述している。

対処

要因への対処を示します。番号は,上記要因の番号に対応しています。

  1. 対話形式のコマンド,またはダイアログボックスを表示するコマンドがないか確認し,これらのコマンドを登録しないようにしてください。

  2. ダブルクォーテーションマーク(")で囲むか,環境変数PATHに参照パスを登録し,実行ファイル名だけを起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)に記述してください。

(6) 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)でサービスをシステム終了時に停止できない。

要因

次に示す要因が考えられます。

  1. JP1/Power Monitorをインストールしていない。

  2. スタートメニューからシャットダウンを実行した。

  3. JP1/Power Monitorから強制終了を実行したが,定義ファイルに[Control Value]セクションを登録していなかった。

  4. JP1/Power Monitor以外でOSのシャットダウンコマンドを実行した。

  5. 停止しないサービスの起動方法が[コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスの表示で「自動」になっている。

  6. 手動でJP1/Base Control Serviceサービスを停止した。

対処

要因への対処を示します。番号は,上記要因の番号に対応しています。

  1. JP1/Power Monitorをインストールしてください。

  2. JP1/Power Monitorを使って計画終了,または強制終了を行ってください。

  3. [Control Value]セクションを定義ファイルに登録してください。

  4. JP1/Power Monitorを使って計画終了,または強制終了を行ってください。

  5. 停止しないサービスの起動方法を[コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで「手動」に変更してください。

  6. JP1/Power Monitorを使って計画終了,または強制終了を行ってください。

(7) 特定の順番でサービスを起動する必要があるため,起動管理機能を使ってサービスの起動完了を待って順番にサービスが起動するように定義している。しかし,先に起動する必要があるサービスの起動が完了しないうちに次のサービスが起動してしまい,エラーメッセージが出る。

要因

次に示す要因が考えられます。

  1. 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)は,直前のサービスの起動処理を完了してから次のサービスの起動処理を開始しようとしたが,定義されている最大待ち時間を過ぎてもサービスの起動処理が完了しなかったため,次に定義されているサービスの起動処理を開始した。

  2. 起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)の設定が,直前のサービスの起動処理の完了を待たずに,次のサービスを起動処理する設定になっている。

対処

要因への対処を示します。番号は,上記要因の番号に対応しています。

  1. 時間切れを起こしたサービスの起動に必要な時間を調査してください。そして,起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)内の該当サービスのWait=パラメーターの値を,時間切れを起こさない時間に変更して運用してください。

  2. 起動順序定義ファイル(JP1SVPRM.DAT)内の該当サービスのParallel=パラメーターの設定を見直してください。詳細については,「16. 定義ファイル」の「起動順序定義ファイル(Windows限定)」を参照してください。

(8) 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)を使ってサービスを起動すると,"XXXXサービスが既に起動されています"と警告が出る。

要因

この警告メッセージは,起動管理機能を使って起動しようとしているサービスがすでに起動しているときに出力されます。この警告メッセージが出力される要因として,該当するサービスのスタートアップの設定が自動起動になっていることが考えられます。

対処

起動管理機能を使ってサービスを起動する場合は,そのサービスのスタートアップの設定を手動に変更してください。

(9) 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)を使ってサービスを起動すると,イベントビューアのアプリケーションログに「指定時間を過ぎてもXXXXサービスの起動完了が確認できませんでした。」のメッセージが出力される。

●該当するサービスが起動している場合

次に示す設定を見直してください。

Wait=パラメーターが該当サービスのセクション内に設定されていない場合

該当サービスを起動するのに,待ち時間60秒以上の時間を必要としています。該当サービスのセクション内にWait=パラメーターを設定し,60秒よりも大きい値を設定してください。

Wait=パラメーターが該当サービスのセクション内に設定されている場合

該当サービスを起動するのに,設定した待ち時間以上の時間を必要としています。該当サービスのWait=パラメーターの値を,現在設定している値より大きい値に変更してください。

●該当するサービスが起動していない場合

該当サービス製作会社に,起動が失敗する原因について調査してもらってください。

(10) 起動管理機能(JP1/Base Control Serviceサービス)を使ってサービスを起動すると,「KAVA4003-E 予期しないエラーが発生したため,XXXXサービスを起動できませんでした.」のメッセージが出力され,サービスが起動できない。

要因

マシンの起動時に,Windowsのサービスコントロールマネージャーによって自動起動が設定されているサービスの起動と,起動管理機能で設定されているサービスの起動が並行して動作した場合に発生することがあります。

対処

起動管理機能で設定されているサービスが起動するタイミングを遅らせるよう設定してください。これによって,サービス起動時の過負荷による起動の失敗を回避できます。

設定の詳細については,「9.3 サービスが起動するタイミングを設定する」を参照してください。

(11) ディレクトリサーバ連携機能有効時にログインできない。

統合トレースログを調査してください。次のエラーメッセージが出力されていたときは,マニュアル「JP1/Base メッセージ」を参照して要因と対処を確認し,ディレクトリサーバ管理者に連絡してください。