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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


jevagtfw

〈このページの構成〉

機能

マネージャーホスト(JP1/IM - Managerインストールホスト)で実行するコマンドです。

エージェントからのイベント転送を抑止,およびイベント転送抑止を解除します。また,イベント転送抑止状態の一覧を表示します。イベント転送を抑止できるエージェントの上限数は,10,000台です。

なお,抑止対象のエージェントホストのJP1/Baseのバージョンは,08-00以降である必要があります。

形式

jevagtfw {-s [転送抑止定義ファイル名] [-o {dispose | suppress | all}] [-n] ホスト名 |
          -r [-f | -m] ホスト名 |
          -l}
         [-h 論理ホスト名]

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合:スーパーユーザー権限またはJP1/Base管理者権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

インストール先フォルダ\bin\

UNIXの場合

/opt/jp1base/bin/

引数

-s [転送抑止定義ファイル名] [-o {dispose | suppress | all}] [-n] ホスト名

イベント転送を抑止するエージェントのホスト名を指定します。ホスト名には,構成定義の管理対象外ホストも指定できます。ホスト名は,128バイト以内の文字列で指定します。大文字と小文字は区別しません。ホスト名に自ホストを指定する場合は,-nオプションを指定してください。

転送抑止定義ファイル名

ユーザーが任意に設定したイベント転送抑止定義ファイル名を指定します。ファイル名にパスは指定できません。省略した場合は,forward_suppressファイルが仮定されます。

なお,イベント転送抑止定義ファイルの形式は,転送設定ファイルの形式と同じです。

-o {dispose | suppress | all}

マネージャー側で受信イベントを破棄するかどうか,エージェント側でイベント転送を抑止するかどうかを指定します。省略した場合は,allが仮定されます。

dispose

マネージャー側だけ抑止設定(受信イベント破棄)をします。

suppress

エージェント側だけ抑止設定(イベント転送抑止)をします。

all

マネージャー側で抑止設定(受信イベント破棄)をしたあと,エージェント側でも抑止設定(イベント転送抑止)をします。

-n

自ホストに対してイベント転送を抑止する場合に指定します。

-r [-f | -m] ホスト名

イベント転送抑止を解除するエージェントのホスト名を指定します。ホスト名は,128バイト以内の文字列で指定します。大文字と小文字は区別しません。

-f

イベント転送抑止中にエージェントの転送設定ファイル(forward)の内容が変更されていても,強制的にイベント転送抑止を解除します(イベント転送抑止前の転送設定に戻します)。

-m

マネージャー側だけ抑止設定(受信イベント破棄)を解除します。

-l

イベント転送抑止中のエージェントの抑止状態を出力します。

-h 論理ホスト名

自ホストのコマンド実行元のイベントサーバ名を指定します。イベントサーバ名は,128バイト以内の文字列で指定してください。

このオプションを省略した場合,次に示すホスト名の順番でイベントサーバ名を仮定します。

  1. 環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名。

  2. イベントサーバインデックスファイル(index)のserverパラメーターに,「*」または自ホスト名(hostnameコマンドで返される物理ホスト名)が優先的に記述されている場合,自ホスト名。

  3. イベントサーバインデックスファイル(index)のserverパラメーターに,「@」またはFQDN名が優先的に記述されている場合,FQDN名。

  4. 自ホスト名(hostnameコマンドで返される物理ホスト名)。

注意事項

-sオプションを指定してjevagtfwコマンドを実行した際に,受信イベント破棄の設定が成功したあとの動作でエラーが発生した場合,エージェント側のイベント転送抑止は設定されていない状態で,マネージャー側の受信イベント破棄だけ設定されている状態になります。この状態を解除するには,-r -mオプションを指定してjevagtfwコマンドを実行し,マネージャー側の抑止状態だけ変更してください。

イベント転送抑止用の転送設定ファイルに日本語のフィルター条件を設定する場合にはjevagtfwコマンド実行環境の言語種別に対応する文字コードで定義してください。言語種別が日本語のエージェントに設定されている言語種別が異なるとき,イベント転送抑止用の転送設定ファイルの文字コードは自動的に変換されます。言語種別設定の手順については,「3.4.2 使用する言語種別を設定する(UNIX の場合)」を参照してください。

戻り値

0

正常終了

1

引数エラー

2

エージェント(プラグインサービス)に接続できない

10

エージェントの転送設定ファイル(forward)が変更されたためイベント転送抑止の解除ができない

255

そのほかのエラー

使用例

-sオプションを指定した場合の出力例を次に示します。

# jevagtfw -s Agent01
KAJP1422-I AGENT01から受信したイベントを破棄する状態にします
KAJP1430-I AGENT01から受信したイベントを破棄する状態にしました
KAJP1419-I AGENT01からのイベント転送を抑止します
KAJP1401-I AGENT01のforwardファイルをバックアップしています
KAJP1404-I AGENT01のforwardファイルをバックアップしました (file=/etc/opt/jp1base/conf/event/servers/default/suppress/Agent01/forward_backup)
KAJP1405-I AGENT01へ転送抑止用forwardファイルを送信しています
KAJP1408-I AGENT01への転送抑止用forwardファイルの適用が完了しました
KAJP1410-I AGENT01のイベント転送を抑止しました
# 

-rオプションを指定した場合の出力例を次に示します。

# jevagtfw -r Agent01
KAJP1427-I AGENT01からのイベント受信破棄を解除します
KAJP1424-I AGENT01のイベント受信破棄状態を解除しました
KAJP1420-I AGENT01のイベント転送抑止を解除します
KAJP1414-I AGENT01のforwardファイルの内容を確認します
KAJP1416-I AGENT01には適切なイベント転送抑止用のforwardファイルが設定されています
KAJP1417-I AGENT01へバックアップしたforwardファイルを送信します
KAJP1418-I AGENT01でバックアップしたforwardファイルの適用が完了しました
KAJP1421-I AGENT01のイベント転送抑止を解除しました
# 

-lオプションを指定した場合の出力例を次に示します。

# jevagtfw -l
KAJP1413-I Managerは次のホストからのイベント転送を抑止中です
Host             Suppressed-date     Dispose   Suppress
---------------- ------------------- --------- ----------
AGENT01          2013/12/31 10:15:36 Yes       Yes
AGENT05          2013/11/29 05:21:03 Yes       Yes
AGENT11          2014/01/07 03:11:45 Yes       Yes
# 

ヘッダーの意味を次に示します。

ヘッダー

意味

Host

イベント転送抑止中のイベントサーバが稼働するホスト名です。

Suppressed-date

イベント転送の抑止を開始した時刻です。

Dispose

受信イベントを破棄する設定かどうかを表示します。

Yes

受信イベントを破棄する設定です。

No

受信イベントを破棄しない設定です。

Suppress

イベント転送を抑止する設定かどうかを表示します。

Yes

イベント転送を抑止する設定です。

No

イベント転送を抑止しない設定です。