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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


5.2.1 論理ホスト環境の前提条件

JP1を論理ホスト環境で実行する場合,論理IPアドレスと共有ディスクについて,次に示す前提条件があります。

表5‒2 論理ホスト環境の前提条件

論理ホストの

構成要素

前提条件

共有ディスク

  • 実行系から待機系へ引き継ぎできる共有ディスクが使用できること。

  • JP1を起動する前に,共有ディスクが割り当てられること。

  • JP1を実行中に,共有ディスクの割り当てが解除されないこと。

  • JP1を停止した後に,共有ディスクの割り当てが解除されること。

  • 共有ディスクが,不当に複数サーバから使用されないよう排他制御されていること。

  • システムダウンなどでファイルが消えないよう,ジャーナル機能を持つファイルシステムなどでファイルを保護すること。

  • フェールオーバーしてもファイルに書き込んだ内容が保証されて引き継がれること。

  • フェールオーバー時に共有ディスクを使用中のプロセスがあっても,強制的にフェールオーバーができること。

  • 共有ディスクの障害を検知した場合の回復処置はクラスタソフトなどが制御し,回復処置をJP1が意識する必要がないこと。回復処置の延長でJP1の起動や停止が必要な場合は,クラスタソフトからJP1に起動や停止の実行要求をすること。

論理IPアドレス

  • 引き継ぎできる論理IPアドレスを使って通信できること。

  • 論理ホスト名から論理IPアドレスが一意に求まること。

  • JP1を起動する前に,論理IPアドレスが割り当てられること。

  • JP1を実行中に,論理IPアドレスが削除されないこと。

  • JP1を実行中に,論理ホスト名と論理IPアドレスの対応が変更されないこと。

  • JP1を停止した後に,論理IPアドレスが削除されること。

  • ネットワーク障害を検知した場合の回復処置はクラスタソフトなどが制御し,JP1が回復処理を意識する必要がないこと。また,回復処置の延長でJP1の起動や停止が必要な場合は,クラスタソフトからJP1に起動や停止の実行要求をすること。

上記の条件が満たされていない場合は,JP1の動作に問題が起きることがあります。例えば,次のような問題が発生します。