Hitachi

Hitachi System Information Capture システム分析支援 リアルタイムモニタ 


1.1 システム分析支援リアルタイムモニタとは

システム分析支援リアルタイムモニタは、業務システムの運用管理者が実施する、業務システムの稼働状況の監視作業を効率化するために使用する製品です。

システム分析支援リアルタイムモニタは、複数の業務システムと業務システムの利用者の間でやり取りされるデータをリアルタイムに収集し、業務システムの稼働状況を分析します。また、分析した稼働状況をダッシュボードに表示することで、業務システムの稼働状況を視覚的に確認できるようにします。

業務システムの運用者は、ダッシュボードに表示される分析結果を参照することで、複数の業務システムのリアルタイムな稼働状況を把握できます。

システム分析支援リアルタイムモニタの位置づけを次の図に示します。

図1‒1 システム分析支援リアルタイムモニタの位置づけ

[図データ]

表1‒1 システム分析支援リアルタイムモニタでできること

項目

説明

トランザクションの稼働状況の監視

業務システムのトランザクションの稼働状況を監視します。

業務システムの利用者と、業務システムとの間では、次に示すデータをやり取りします。

  • 利用者からのリクエスト時に送信される電文(要求電文)

  • 業務システムからのレスポンス時に送信される電文(応答電文)

システム分析支援リアルタイムモニタでは、トランザクション単位で稼働状況を監視します。1つのサービス(トランザクション)は次のとおり定義されます。

  • 各要求電文に対する応答電文の組み合わせ

  • 業務システムから実行する1つのSQL文

稼働情報の収集

システム分析支援アダプタを使用して、監視対象のトランザクションの稼働情報を収集し、稼働情報格納領域(ファイル)に保存します。

システム分析支援リアルタイムモニタでは、システム検証支援基盤(Hitachi System Information Capture)をシステム分析支援アダプタとして使用します。

稼働情報の集計・分析

システム分析支援リアルタイムモニタは、システム分析支援アダプタから送信された稼働情報を集計・分析して、レスポンスタイムやスループット(TPS)を抽出します。

稼働情報の分析については、「2. 稼働情報の分析」で説明します。

トランザクションの稼働状況の可視化

システム分析支援リアルタイムモニタは、次のようにトランザクションの稼働状況を可視化します。

  • 稼働情報の集計・分析の結果をダッシュボード画面に表示します。

    監視している稼働情報に対して閾値を設定しておくことで、閾値の超過を検知してダッシュボード画面で確認できます。

  • JP1/IMと連携することで、閾値を超過した場合に、JP1イベントを発行してアラートを出力したり、アラートを出力したときの処理を自動化したりできます。

    ダッシュボードの操作やダッシュボードの画面については、「4. システムの運用」で説明します。

    JP1/IMとの連携については、「6. 他システムとの連携」で説明します。

  • 閾値の超過などでアラートを検知した場合に、アラートをメールで通知します。

    メールでの通知については、「6.2 アラートのメール通知」を参照してください。

  • esrtmstcedコマンドを使用して稼働情報をCSVに出力すると、BIツールなどを使用して可視化・分析することもできます。

システム分析支援リアルタイムモニタによる業務システムの稼働状況の監視の仕組みを次の図に示します。

図1‒2 業務システムの稼働状況の監視の仕組み

[図データ]

〈この節の構成〉