Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


7.3.3 電文組立てプラグイン

機能

TCPレベルで分割されているパケットを組み立てます。

形式

ANSI C、C++の形式

#include <esfrw.h>
ESLONG plg_func(ESFRW_BUILD_IF *parm)

「plg_func」部分には、システム内で一意の名称を指定してください。

説明

電文組立プラグインは、本番環境からパケットをキャプチャしたとき、もしくはテスト対象システムからパケットを受信した時に、そのパケットで電文が完成しているかどうかを判定します。電文組立てプラグインはシステム検証支援がパケットをキャプチャ又は受信するたびに起動します。電文が未完成のとき(後続パケットがある場合)は、後続パケットに対してframework_definition定義の-tオペランドのbuild_message_watchtime の監視タイマを設定します。

入力パケットの判定

システム検証支援は電文組立プラグインにパケットが格納されている受信バッファを引き渡します。電文組立プラグインでは、受信バッファを基に電文が完成しているかどうかを判定し、リターン値を設定します。

組み立て中のパケットの破棄

電文のフォーマット不正等により組立て中のパケットが不要な場合は、ESFRW_DESTRUCTでリターンすると不要な電文を破棄することができます。

パケットロスト、コネクション切断等が発生した場合は、組み立て中の電文を破棄します。

パラメタの内容

ESFRW_BUILD_IFのパラメタ内容

typedef struct es_frw_build_interface {
  ESULONG          call_timing; …………………… 呼び出し契機
  char             reserve1[4]    ………………… 予備
  ESFRW_COMMON     *cominf;   ……………………… プラグイン共通情報
  ESFRW_CONNECTION *conninf;  ……………………… コネクション情報
  ESFRW_TELEGRAM   *telinf;   ……………………… 電文情報
  ESULONG          comp_sz;       ………………… 完成した電文のサイズ
  char             reserve2[4]    ………………… 予備
} ESFRW_BUILD_IF;

ESFRW_COMMONのパラメタ内容

typedef struct es_frw_cominfo {
  ESULONG         run_mode; ………………… フェーズ
  char            testid[32]; ……………… テスト識別子
  char            plg_name[32]; …………… プラグイン名称
  ESULONG         max_msg_sz ;……………… 最大電文サイズ
  ESULONG         protocol; ………………… プロトコル一覧
  ESULONG         tel_filetype; …………… 電文ファイルの種別
  ESULONG         res_filetype; …………… 結果ファイルの種別
  char            sel_mode;   ……………… 実行モード
  char            reserve1[3];……………… 予備
} ESFRW_COMMON;

ESFRW_CONNECTIONのパラメタ内容

typedef struct es_frw_connection {
  ESULONG         protocol;   ………………… プロトコル種別
  char           conntype;  …………………… コネクション種別
  char            reserve1[3];  ……………… 予備
  ESFRW_ADDR      clt_addr;   ………………… クライアントアドレス情報
  ESFRW_ADDR      srv_addr; …………………… サーバアドレス情報
  ESFRW_CONTAINER *continf; …………………… 引継ぎ領域情報
} ESFRW_CONNECTION;

ESFRW_TELEGRAMのパラメタ内容

typedef struct es_frw_telinfo {
  ESULONG         protocol; …………………… プロトコル種別
  unsigned char   msgtype; …………………… 電文種別
  unsigned char   msgform; …………………… 電文形態
  char            reserve1[2]; ……………… 予備
  ESFRW_AREA      head_area; ………………… 電文(HTTPヘッダ)
  ESFRW_AREA      body_area; ………………… 電文(データ)
  ESFRW_ADDR      src_addr;  ………………… 送信元アドレス情報
  ESFRW_ADDR      dst_addr;  ………………… 送信先アドレス情報
  ESFRW_CONTAINER *continf;  ………………… 引継ぎ領域情報
  ESFRW_TELEGRAM  *pair_telinf;  …………… ペアリング電文情報
  ESFRW_EXT_INF   extinf;    ………………… 電文拡張情報
  char            protoinf[128]; …………… 製品情報1(参照出来ません)
  void            *protocol_telinf; ……… プロトコル固有情報
} ESFRW_TELEGRAM;

ESFRW_CONTAINERのパラメタ内容

typedef struct es_frw_continfo {
  ESULONG         contid;  …………………… 通番
  char            conttype;  ………………… 引継ぎ領域種別
  char            contstat;  ………………… 引継ぎ領域状態
  ESCOM_AREA      data_area; ………………… 引継ぎ領域
} ESFRW_CONTAINER;

es_com_area(ESCOM_AREA)のパラメタ内容

typedef struct es_com_area {
  ESULONG   size;             ……………… 領域サイズ
  char      reserve[4];       ……………… 予備領域
  char      *data;            ……………… 領域先頭アドレス
} ESCOM_AREA;

ESFRW_ADDRのパラメタ内容

typedef struct es_frw_addr {
  ESCOM_IPADDR ip;         …………………… IPアドレス
  unsigned short  portno;  …………………… ポート番号
} ESFRW_ADDR;

es_com_ipaddr(ESCOM_IPADDR)のパラメタ内容

typedef union es_com_ipaddr{
  ESCOM_IPV4 ipv4;             ……………… IPアドレス(IPv4)
  char reserve[16];            ……………… 予備領域
} ESCOM_IPADDR;

es_com_ipv4(ESCOM_IPV4)のパラメタ内容

typedef struct es_com_ipv4 {
  char reserve[12];           ……………… 予備領域
  char ip[4];                 ……………… IPアドレス(IPv4)
} ESCOM_IPV4;

各テーブル間は以下のチェイン構造となります。

[図データ]

システム検証支援が値を設定するパラメタ項目

ESFRW_BUILD_IFのパラメタ項目

call_timing

プラグインの呼び出し契機を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_TIMING_PKTCAP:パケットのキャプチャ

ESFRW_TIMING_PKTRCV:パケットの受信

cominf

プラグインに共通する情報(フェーズ、テスト識別子等)を格納しているESFRW_COMMONアドレスを設定します。

conninf

呼び出し契機となったコネクションの情報(IPアドレス等)を格納したESFRW_CONNECTIONアドレスを設定します。

telinf

組立て中の電文の情報(サイズ等)を格納しているESFRW_TELEGRAMアドレスを設定します。

comp_sz

ユーザが設定する項目です。システム検証支援はデフォルト値として、現時点の電文サイズを設定します。

ESFRW_COMMONのパラメタ項目

run_mode

フレームワークのフェーズを設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_RUNMODE_CREATE_C:電文作成フェーズ(PCAP)

ESFRW_RUNMODE_CREATE_A:電文作成フェーズ(キャプチャ)

ESFRW_RUNMODE_TEST_R:テスト実行フェーズ

ESFRW_RUNMODE_TEST_C:テスト実行フェーズ(PCAP)

test_id

システムテスト支援開始時に指定したテスト識別子を設定します。

plg_name

framework_definition定義の-pオプションのnameフラグメンバで指定したプラグイン名称を設定します。

max_msg_sz

framework_definition定義の-bオプションのmax_message_sizeフラグメンバで指定した最大電文サイズを設定します。

protocol

address_destinationで指定したプロトコルを設定します。以下の論理和となります。

ESFRW_PROT_TCP :TCP

ESFRW_PROT_HTTP:HTTP

ESFRW_PROT_RPC:RPC

tel_filetype

電文ファイルの種別を設定します。以下の何れかの値となります。

ESFRW_FILE_AFL:蓄積ファイル

ESFRW_FILE_CSV:csvファイル

電文ファイルの種別は、framework_definition定義の-fオプションのtelegram_file_typeフラグメンバ値で指定します。

res_filetype

テスト実行フェーズの場合、結果ファイルの種別を設定します。以下の何れかの値となります。

ESFRW_FILE_AFL:蓄積ファイル

ESFRW_FILE_CSV:csvファイル

電文ファイルの種別は、framework_definition定義の-fオプションのresult_file_typeフラグメンバ値で指定します。電文作成フェーズの場合は、ESFRW_FILE_NONE(無し)を設定します。

sel_mode

電文作成フェーズでは、ESFRW_SELMODE_NONEを設定します。

テスト実行フェーズでは、開始終了プラグインで設定された実行モードを設定します。開始終了プラグインを指定していない場合は、ESFRW_SELMODE_SEQ(逐次実行モード)を設定します。

ESFRW_CONNECTIONのパラメタ項目

protocol

コネクションのプロトコル種別を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_PROT_TCP:TCP

ESFRW_PROT_HTTP:HTTP

ESFRW_PROT_RPC:RPC

conntype

当該コネクションの種別を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_CONTYPE_PRO:本番環境のコネクション

ESFRW_CONTYPE_TST:テスト環境のコネクション

clt_addr

クライアント側のアドレス情報(IPアドレス、ポート番号等)を設定します。

本番環境の場合は、外部システムのアドレス情報となります。テスト環境の場合は、システム検証支援基盤のアドレス情報となります。

clt_addr

サーバ側のアドレス情報を設定します。

本番環境の場合は、既存システムのアドレス情報となります。テスト環境の場合は、テスト対象システムのアドレス情報となります。

continf

コネクション用の引継ぎ領域情報(サイズ等)を格納したESFRW_CONTAINERアドレスを設定します。framework_definition定義の-bオプションのconnection_area_sizeに0(引継ぎ領域を使用しない)を指定した場合、NULLを設定します。

ESFRW_TELEGRAMのパラメタ項目

protocol

当該電文のプロトコル種別を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_PROT_TCP:TCP

msgtype

電文種別を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_MSGTYPE_REQUEST_PRO:要求電文(本番環境)

ESFRW_MSGTYPE_RESPONSE_PRO:応答電文(本番環境)

ESFRW_MSGTYPE_REQUEST_TST:要求電文(テスト環境)

ESFRW_MSGTYPE_RESPONSE_TST:応答電文(テスト環境)

msgform

ESFRW_MSGFORM_NONE(電文形態未決定)を設定します。

head_area

領域サイズに0、領域アドレスにNULLを設定します。

body_area

組み立て中のデータ情報(サイズ等)を設定します。

src_addr

電文送信元のアドレス情報(IPアドレス、ポート番号等)を設定します。

dst_addr

電文送信先のアドレス情報(IPアドレス、ポート番号等)を設定します。

continf

電文用の引継ぎ領域情報(サイズ等)を格納したESFRW_CONTAINERアドレスを設定します。framework_definition定義の-bオプションのtelegram_area_sizeに0(引継ぎ領域を使用しない)を指定した場合、NULLを設定します。

pair_telinf

NULLを設定します。

[図データ]

protocol_telinf

プロトコル固有の情報を格納した構造体のアドレスを設定します。各プロトコル用の構造体にキャストして使用してください。

RPC:ESFRW_TELEGRAM RPC

RPC以外:NULL

ESFRW_CONTAINERのパラメタ項目

contid

引継ぎ領域毎に割当てる通番を設定します。

conttype

引継ぎ領域の種別を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_CONTTYPE_TEL:電文単位

ESFRW_CONTTYPE_CON:コネクション単位

ESFRW_CONTTYPE_CLT: テスト実行単位

contstat

引継ぎ領域の状態を設定します。以下の何れかとなります。

ESFRW_CONTST_NEW:初回(新規割当て)

ESFRW_CONTST_RENEW:初回(再割当て)

ESFRW_CONTST_CONTINUE:2回目以降

data_area

引継ぎ領域の情報(サイズ等)を設定します。

ユーザが設定するパラメタ項目

ESFRW_BUILD_IFのパラメタ項目

comp_sz

電文の組立てが完成した場合、完成した電文のサイズを設定してください。サイズは、「1〜組立て中の電文サイズ」の範囲で設定してください。

それ以外の場合、システムテスト支援は設定値を無視します。

リターン値

次のコードでリターン値を設定してください。

ESFRW_OK

電文が完成しました。

完成した電文のサイズが組立中の電文サイズより小さい場合、残りのパケットを引数として、再度電文組立プラグインを呼び出します。

ESFRW_OK_NEXT

電文が未完成です。

ESFRW_DESTRUCT

電文を破棄します。

ESFRW_NG

プラグイン処理中に異常が発生しました。組立中の電文を破棄します。

上記以外

指定リターン値以外でリターンした場合、組立中の電文を破棄します。

注意事項