Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


6.4.2 入力判定UOC

機能

電文入力時にUOCを実行します。入力電文の入力、破棄を選択することができます。

形式

ANSI C、C++の形式

#include <esrpc.h>
ESLONG uoc_func(ESRPC_UOC_FILTER_TBL *parm)

説明

電文入力時に呼び出されるUOCです。

各実行形態と入力電文によるUOC実行の有無を以下の表に示します。

表6‒2 入力判定UOC実行比較

-

本番環境

テスト環境

要求電文

応答電文

要求電文

応答電文

並行実行

×

×

×

蓄積実行

×

×

×

並行+蓄積実行

×

×

×

リプレイ実行

×

×

×

PCAP実行

×

×

×

凡例

○:UOCが実行される

×:UOCは実行されない

ユーザオウンコーディング(UOC)が起動される入力電文は、RPC電文とRAPのAPI代理実行電文です。

システムテスト支援は、各情報を格納したパラメタの領域アドレスを引数としてUOCに渡します。

システムテスト支援は、uoc_func(入力判定UOC)を呼び出すとき、次に示す所定のパラメタをparmに設定します。「uoc_func」部分には、システム内で一意の名称を指定してください。

パラメタの内容

ESRPC_UOC_FILTER_TBLのパラメタ内容

typedef struct es_rpc_uoc_filter {
  ESULONG        running_mode;        ……………… 実行形態
  ESLONG         protocol_type;       ……………… プロトコル種別(rpc|rap)
  ESLONG         telegram_type;       ……………… 電文種別
  ESLONG         rpc_model;           ……………… RPC形態
  char           srv_group [32];      ……………… 要求先のサービスグループ名
  char           srv_service [32];    ……………… 要求先のサービス名
  char           srv_nid[5];          ……………… 要求先のノード識別子
  char           reserve1[3];         ……………… 予備領域
  char           clt_nid[5];          ……………… 要求元のノード識別子
  char           reserve2[3];         ……………… 予備領域
  unsigned char  srv_ipaddr[4];       ……………… 要求先のIPアドレス
  unsigned char  clt_ipaddr[4];       ……………… 要求元のIPアドレス
  unsigned short srv_portno;          ……………… 要求先のポート番号
  unsigned short clt_portno;          ……………… 要求元のポート番号
  ESULONG        usr_data_len;        ……………… ユーザデータ長
  char           *usr_data;           ……………… ユーザデータ
}ESRPC_UOC_FILTER_TBL;
受信データアドレスと受信データ長の関係

[図データ]

システムテスト支援が設定するパラメタ項目

running_mode

実行形態を設定します。実行形態が複数の場合は論理和で設定します。

ESCLT_RUNMODE_P:並行実行

ESCLT_RUNMODE_A:蓄積実行

ESCLT_RUNMODE_R:リプレイ実行

ESCLT_RUNMODE_C:PCAP実行

protocol_type

プロトコル種別を設定します。

ESRPC_TYPE_RPC:rpc

ESRPC_TYPE_RAP:rap

telegram_type

電文種別を設定します。

ESRPC_TELEGRAM_REQUEST:要求電文

rpc_model

RPC形態を設定します。

ESRPC_MODEL_NOFLAGS:同期応答型

ESRPC_MODEL_NOWAIT:非同期応答型

ESRPC_MODEL_NOREPLY:非応答型

srv_group

サーバ側のサービスグループ名(※1)を設定します。

srv_service

サーバ側のサービス名(※1)を設定します。

srv_nid

サーバ側のノードID(※1)を設定します。

clt_nid

クライアント側のノードID(※1)を設定します。

srv_ipaddr

サーバ側のIPアドレス(※2)を設定します。

clt_ipaddr

クライアント側のIPアドレス(※2)を設定します。

srv_portno

サーバ側の受信ポート番号を設定します。

clt_portno

クライアント側の送信ポート番号を設定します。

usr_data_len

電文に設定されているユーザデータ長を設定します。

usr_data

ユーザデータ先頭アドレスを設定します。

※1:

電文中に設定されておらず、取得できない場合は空文字列、または0が設定されています。

※2:

IPアドレスは、次に示す形式で設定します。

例) 172.165.112.20

[0]

[1]

[2]

[3]

0xAC

0xA5

0x70

0x14

ユーザが設定するパラメタ項目

なし。

リターン値

次のコードでリターン値を設定してください。

ESRPC_UOC_OK

正常リターンとして、対象メッセージを入力電文として処理をします。

ESRPC_UOC_NG

対象メッセージを破棄します。

上記以外

指定リターン値以外でリターンした場合、対象メッセージを破棄します。

注意事項

ユーザデータの内容変更した場合、該当電文の内容、およびその後の処理の保証はしません。

時間の掛かる処理は避けてください。時間の掛かる処理を行った場合はシステムテスト支援の性能が低下し、パケットロストを起こす可能性があります。