Hitachi

Hitachi System Information Capture リファレンス 


2.3.5 エージェント機能

HSIC-RTM機能を使用するとき、HSIC-RTMは、ネットワークスイッチのミラーポート経由でクライアントとサーバ間の電文をキャプチャします。しかし、同一マシン内の通信や、同一筐体内の仮想マシン間の通信など、ネットワークスイッチを経由しない電文はキャプチャできません。エージェント機能によって、これらのネットワークスイッチを経由しない電文をキャプチャできます。以降、エージェント機能を使用するHSICをエージェントと呼びます。

エージェントは、クライアント、またはサーバが稼働するマシン上で常駐します。HSIC-RTMは、起動時にエージェントに対してコネクションを確立します。以降、エージェントがキャプチャしたクライアントとサーバ間の電文が、HSIC-RTMにTCP/IP通信で転送され、分析および稼働監視が行われます。

なお、エージェント稼働によるマシン負荷を軽減したい場合は、エージェント側でリソース削減モードを指定(lightmode_definition定義の-uオプションのuseフラグメンバに「Y」指定)してください。

エージェント機能でAPサーバとDBサーバ間のSQL電文をキャプチャしてHSIC-RTMで分析する場合のイメージを次に示します。

図2‒7 エージェント機能でAPサーバとDBサーバ間のSQL電文をキャプチャしてHSIC-RTMで分析する場合のイメージ図

[図データ]

エージェントとHSIC-RTMの定義について

エージェント機能を使用する場合、エージェント側ではTCPスルーのサーバモードの定義が必要です。エージェントとHSIC-RTMの定義例を次に示します。定義の詳細については、マニュアルHitachi System Information Capture システム分析支援 リアルタイムモニタを参照してください。なお、強調して表示しているHSIC定義のフラグメンバを必ず指定してください。

エージェント側のHSIC定義ファイル

この定義例では、エージェント機能に関連する定義を抜粋しています。なお、キャプチャするプロトコル種別に関係なく、-pオプションには「tcp」を指定してください。

lightmode_definition -u "use=Y"
address_destination -p tcp \
	-s "ipaddr=DBサーバのIPアドレス△portno=DBサーバのポート番号"
	-c "ipaddr=APサーバのIPアドレス△portno=APサーバのポート番号"
	-k "cnmode=serveragent=Y"
	-h "ipaddr=エージェントのIPアドレス△portno=エージェントのポート番号"

HSIC-RTM側のアダプタ連携関連定義

この定義例では、エージェント機能に関連する定義を抜粋しています。なお、プロトコル種別は、エージェント側でキャプチャする電文のプロトコル種別を指定してください。この例の場合は、HiRDBプロトコルです。

agent_server=hirdb:エージェントのIPアドレス:エージェントのポート番号:10

エージェントの起動について

キャプチャが必要となる前にesstartコマンドを-pオプション指定で実行してエージェントを起動します。マシン起動と同時にキャプチャしたい場合、マシン起動時にesstartコマンドを自動実行するようにOS設定(Windowsのスタートアップに登録など)する必要があります。

エージェントとHSIC-RTM間のコネクションについて

HSIC-RTM起動時にエージェントに対してコネクションを確立します。起動時の確立に失敗した場合はアダプタ連携関連定義で指定した間隔でリトライします。コネクション確立後、何らかの理由でコネクションが切断された場合は5秒以内にリトライします。切断されてからの5秒以内の確立に失敗した場合はアダプタ連携関連定義で指定した間隔でリトライします。なお、リトライ間隔は、最大で5秒遅延する場合があります。エージェントとHSIC-RTM間のコネクションが切断された場合、HSIC-RTM上で組み立て中だった電文はすべて破棄されます。