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Hitachi System Information Capture 基本ガイド


1.2.1 システム検証支援基盤を使って簡単にテストデータを作成できる仕組みについて

システム検証支援基盤を使用すると、本番環境で稼働しているシステムが処理しているデータを、そのままテストデータとして使用できます。また、 テストの内容に合わせた特殊なテストデータが必要な場合、テストを実施するユーザーは、本番環境で稼働しているシステムが処理しているデータとUOC(User Own Coding)を組み合わせることで、ゼロからテストデータを作る場合と比べて簡単にテストデータを作成できます。

システム検証支援基盤を使ってテストデータを作成する仕組みとメリットを次の図で説明します。

図1‒2 システム検証支援基盤を使ってテストデータを作成する仕組みとメリット

[図データ]

  1. システムのテストの準備作業のうち、一般的に最も時間の掛かる作業の1つが、テストデータの作成です。テストデータは、テストのときだけ使用するダミーのデータですが、システムを正しくテストするためには、ある程度の妥当性が必要です。テストデータと本番環境のシステムが処理するデータが似ているほど、テストの信頼性は高くなります。

    システム検証支援基盤は、本番環境のシステムが処理しているデータのコピーをキャプチャします。テストを実施するユーザーは、システム検証支援基盤がキャプチャしたデータをテストデータとしてそのまま使用できるため、短い準備時間で信頼性の高いテストを実施できます。

  2. テストの内容によっては、本番環境のシステムが処理しているデータをそのまま使えないこともあります。例えば、特定のタイミングのデータや、エラー情報を含むデータが必要なテストもあります。

    このような場合は、テストを実施するユーザーは、テストの内容に適したデータに書き換えるための処理を、あらかじめUOCとして作成しておきます。システム検証支援基盤の機能とUOCを組み合わせることによって、システム検証支援基盤がデータをキャプチャするタイミングでデータを選別したり、キャプチャしたデータがテストの対象システムに受け渡されるまでの間に、データを任意に編集したりできます。テストの内容ごとにUOCを作成しておけば、テストを実施するユーザーが毎回テストデータを作成する必要はありません。