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COBOL2002 Professional Tool Kit データ影響波及分析ガイド


1.2.2 影響波及の解析(影響範囲解析)

影響範囲解析を開始するには,影響調査の対象とするデータ項目が必要です。これを調査対象データ項目といいます。また,調査対象データ項目を定義するプログラムを調査対象プログラム,調査対象データ項目との間に影響関係を持つソース要素を影響プログラムといいます。影響波及調査ウィンドウでは,調査対象データ項目を解析の起点として,影響波及元解析と影響波及先解析の2つの影響範囲解析を実行して解析結果を表示します。

〈この項の構成〉

(1) 影響波及元解析

影響波及元解析では,データ影響波及分析用データベース内の影響2項関係情報の集合を使って,ユーザが選択した調査対象データ項目へ影響を与える影響波及の連鎖(影響2項関係の連鎖)を求めます。この連鎖上に現れるデータを影響波及元データといいます。また,影響波及元データのうちデータ項目であるものを影響波及元データ項目,影響波及元データ項目を更新しているソース行を影響波及元コード,影響波及元データ項目を定義するプログラム,または影響波及元コードを持つプログラムを影響波及元プログラムといいます。

図1‒4 影響波及元からの影響波及の連鎖

[図データ]

備考

図中の影響波及元データ項目Zのように,始点になっているデータ項目は,更新が存在しないため,影響波及元コードは存在しません。

(2) 影響波及先解析

影響波及先解析では,データ影響波及分析用データベース内の影響2項関係情報の集合を使って,ユーザが選択した調査対象データ項目から影響を受ける影響波及の連鎖(影響2項関係の連鎖)を求めます。この連鎖上に現れるデータを影響波及先データといいます。また,影響波及先データのうちデータ項目であるものを影響波及先データ項目,影響波及先データ項目を参照しているソース行を影響波及先コード,影響波及先データ項目を定義するプログラム,または影響波及先コードを持つプログラムを影響波及先プログラムといいます。

図1‒5 影響波及先への影響波及の連鎖

[図データ]

備考

図中の影響波及先データ項目Eのように,終点になっているデータ項目は,参照が存在しないため,影響波及先コードは存在しません。

(3) 解析結果の表示

解析結果の表示では,影響波及元解析と影響波及先解析の結果を合わせて,影響波及関連図(影響波及元関連図と影響波及先関連図),影響波及データ項目(影響波及元データ項目と影響波及先データ項目)の一覧,影響波及コード(影響波及元コードと影響波及先コード)の一覧として表示します。

図1‒6 影響波及データ項目の影響波及関連図

[図データ]