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COBOL2002 Professional Tool Kit COBOLソース解析ガイド


10.3 COBOL2002の言語仕様の解析結果

COBOL2002の言語仕様のうち,制限がある項目とCOBOLソース解析の動作の関係を次の表に示します。

表10‒3 COBOL2002の言語仕様で制限がある項目とCOBOLソース解析の動作の関係

項番

制限の対象

COBOLソース解析の動作

1

TYPE句

解析を継続します。

TYPE句の型名で定義された属性とサイズで表示します。また,エラーメッセージは出力しません。

2

SAME AS句

解析を継続します。

SAME AS句で定義された属性とサイズで表示します。また,エラーメッセージは出力しません。

3

局所場所節

解析を継続します。

エラーメッセージは出力しません。

LOCAL-STORAGE SECTION.のデータ名は,仕様書のプログラムデータの作業場所節のデータ定義名一覧と,プログラムデータの連絡節のデータ定義名一覧には出力しません。

4

利用者定義関数の定義(FUNCTION-ID)

無視して,解析を継続します。

エラーメッセージは出力しません。

5

利用者定義関数の呼び出し

無視して,解析を継続します。

エラーメッセージは出力しません。

6

TYPEDEF句

無視して,解析を継続します。

エラーメッセージは出力しません。

7

オブジェクト指向

オブジェクト指向機能の文法を使用しているCOBOLソースファイルは登録または解析できません。また,オブジェクト指向機能の文法の有効行数やコメント数はカウントしません。COBOLソースファイルの解析時にコンパイルエラーになった場合は,解析処理を中止します。

COBOLソース解析でサポートしないオブジェクト指向機能の定義を次に示します。

  • クラス定義

  • ファクトリ定義(そのメソッド定義群も含む)

  • インスタンス定義(そのメソッド定義群も含む)

  • メソッド定義

  • インタフェース定義(そのメソッド原型も含む)

また,次に示す項目は,ソース解析情報に出力できますが,情報が欠落することがあります。

  • リポジトリ段落:ソース表示だけ表示されます。

  • オブジェクトプロパティ:ソース表示だけ表示されます。

  • INVOKE文:ソース表示だけ表示されます。

8

動的長基本項目

作業場所節データ定義一覧と連絡節データ定義一覧には,LIMITの指定値+1のサイズを持つ,英数字項目または日本語項目として表示します。エラーメッセージは出力しないで,解析/生成処理を継続します。

9

日本語集団項目

作業場所節データ定義一覧と連絡節データ定義一覧には,英数字の集団項目として表示します。

エラーメッセージは出力しないで,解析/生成処理を継続します。

10

句や文の指定での覚え書き

句や文の指定で,COBOL2002の言語仕様で覚え書きと見なしているものは,ドキュメントに反映されません。

(例)

ASSIGN TO SYS001-DA-DK-S SYS002-DA-DK-S

上記の「SYS002-DA-DK-S」は覚え書きと見なすため,ソース解析情報には反映されません。

11

END PROGRAM

END PROGRAMと以降のコメント行はステップ数にカウントしません。

12

プログラム名段落(PROGRAM-ID)

先頭に書かれたプログラムが次のどちらかの条件に該当するCOBOLソースファイルをプロジェクトに登録すると,プログラム名が取得できないため登録できなかったことを示す警告メッセージが出力されて登録できません。

  • プログラム名段落の予約語PROGRAM-IDを登録集原文ファイルに記述してCOPY文で取り込んでいる。

  • プログラム名段落のプログラム名が英数字定数で記述されている場合に,行継続を使用して複数行にわたって記述されているか,または連結式を使用して記述されている。

「解析を中止する」とは,対象のCOBOLソースファイルだけの解析を中止することを意味します。該当するCOBOLソースファイルの解析の中止後,ほかのCOBOLソースファイルの解析に移行します。