9.2.8 バッチによるテスト
- 〈この項の構成〉
(1) テストケース
バッチモードでは,TDコマンドによる処理を,テストケースに分けて記述できます。記述した複数のテストケースは,順番に実行されます。次の方法によって,テストケースを選択して実行することもできます。
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ケース識別子の指定
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ケースコードによるケース選択条件の判定
TESTコマンドは,テストケースの集まりを定義します。CASEコマンドは,ケース識別子による名前と,一連の処理を実行するためのTDコマンドの集まりによるテストケースを指定します。
TESTコマンドについては「12.4 TDコマンドの詳細」の「(34) TEST(テストケースの選択)」を,CASEコマンドについては「12.4 TDコマンドの詳細」の「(5) CASE(テストケースの指定)」を参照してください。
一つのテストケースの実行が終了したとき,次に示すテストデバッガの機能が設定されていた場合,テストケースの設定が解除されます。解除されたテストケースの設定は,次のテストケースには引き継がれません。プログラムが実行中のときは,強制的に終了されます。テストケースを複数実行している場合でも,データなどは次のテストケースに引き継がれません。
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中断点
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データ監視条件
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トレース表示
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フロー情報の蓄積
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ファイルシミュレーション
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DCシミュレーション
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主プログラムシミュレーション
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副プログラムシミュレーション
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SET QUALIFICATION
(2) ケース識別子の指定
ケース識別子の指定によって,テストケースを選択して実行できます。ケース識別子の末尾に*を付けて指定すると,*より前の文字列が一致するケース識別子のテストケースが選択されて,実行されます。
ケース識別子が指定されている場合にケース識別子の指定がないテストケースは実行されません。
- 使用例1
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指定されたテストケースから,TEST1とTEST3を選んで実行します。テストケースはCASEコマンドが指定された順に実行されます。TESTコマンドのCASEIDオペランドに指定したケース識別子の順序は,テストケースの実行順序にはかかわりません。
- 使用例2
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CASEIDオペランドにTEST*を指定することによって,TESTで始まるケース識別子のテストケースを実行します。
(3) ケースコードによる条件判定
ASSIGN CASECODEコマンドによって,テストケースの実行結果をケースコードに設定できます。ケース選択条件は,このケースコードの値を条件判定して,あとに続くテストケースの実行を決めます。
ASSIGN CASECODEコマンドについては「12.4 TDコマンドの詳細」の「(3) ASSIGN CASECODE(ケースコードの設定)」を参照してください。
ケース選択条件は,次のどちらかを,<,>,<=,>=,=,NOT= の比較演算子によって比較します。
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最後に設定されたケースコード(#LASTCODE)と定数
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ケース識別子のケースコードと定数
ケース選択条件に複数の条件式を指定すると,すべての条件を満たしたときに,テストケースを実行します。
- 使用例1
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最後に設定されたケースコードによって,テストケースを実行します。
- 使用例2
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直前に実行されたテストケースがケースコードに値を設定しないとき,ケースコードによるケース選択条件が指定されたテストケースは実行されません。
- 使用例3
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最初のテストケースにケースコードによるケース選択条件を指定すると,そのテストケースは実行されません。
- 使用例4
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同一のケース識別子を持つテストケースが複数あるときは,最後に実行されたテストケースのケースコードを判定します。ケース選択条件に指定されたケース識別子のテストケースがまだ実行されていないときは,判定が偽となり,実行されません。
- 使用例5
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TESTコマンドで選択され,かつ,ケース選択条件の判定が真のときに,テストケースは実行されます。
- 注意事項
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TESTコマンドを複数記述したとき,前のTESTコマンドのテストケースで設定されたケースコードは,次のTESTコマンドのケース選択条件では参照されません。