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Hitachi IT System Configuration Manager リファレンス


2.4.5 リソース定義ファイル

〈この項の構成〉

(1) 形式

リソース定義ファイルはCSV形式で記述します。

(2) ファイル名

リソース定義ファイルのファイル名は任意です。

(3) 説明

リソース予約を行う際,ISCMとして仮想ホストに割り当てるIPアドレスをリソース定義ファイルに定義します。なお,指定できるIPアドレスはIPアドレス設定ファイルで定義した範囲内に限ります。リソース定義ファイルが存在しない場合はIPアドレステーブルから割り当てます。ただし,仮想ホストデプロイを行わない場合は,リソース定義ファイルまたは設計書でのIPアドレス指定が必須となります。

ISCMのコマンドであるcsdmireserveの引数でリソース定義ファイルの格納パスを渡すことでリソース予約を行います。このファイルを基にリソース予約で決定したIPアドレスと仮想ホスト名を利用してhostsファイルを自動作成します。

リソース定義ファイルでのIPアドレスの指定方式は2つあります。

  1. IPアドレス指定

    指定したIPアドレスを割り当てます。指定したIPアドレスは,IPアドレス設定ファイルで定義した値を指定します。IPアドレス個別指定だけ可能であり,IPアドレス範囲指定はできません。

  2. IPアドレスグループ指定

    指定したIPアドレスグループから未使用のIPアドレスを割り当てます。

リソース定義ファイルを使用してIPアドレスを設定する仮想ホストについては,管理用・業務用両方のIPアドレスまたはIPアドレスグループ指定を行う必要があります。管理用をIPアドレス指定・業務用をIPアドレスグループ指定または,管理用をIPアドレスグループ指定・業務用をIPアドレス指定のように混在することは可能です。

表2‒26 リソース定義ファイルの指定パターン

カラム#(→)

1

2

3

4

5

6

指定パターン

(↓)

ホストID

IPアドレス

IPアドレス

グループ

VLAN ID

仮想ホスト名

仮想ネットワークデバイス用途

1

×

2

×

(凡例)

◎:必須

○:任意

×:指定不可

注※

ホストIDの示す仮想ホストが業務用仮想NICを複数持つ場合は,指定必須です。

次の表にリソース定義ファイルの詳細を説明します。

表2‒27 リソース定義ファイルの内容詳細

項番

項目

説明

対象※1

設定値※2

備考

1

ホストID

ホストIDを定義します。

省略不可※6

2

IPアドレス

リソース予約として対象仮想ホストに割り当てたいIPアドレスを定義します。

IPv4の形式で指定してください。IPアドレスの範囲指定はできません。

IPアドレスグループ番号とは互いに排他でどちらか一方の設定が必須です。※6

3

IPアドレス

グループ番号

割り当てたいIPアドレスグループ番号を定義します。

IPアドレスグループ番号は省略可能で省略された場合には,リソース予約の際,該当IPアドレスに対するIPアドレスグループ番号は考慮せずにリソース予約されます。

IPアドレスとは互いに排他でどちらか一方の設定が必須です。

4

VLAN ID

割り当てたいVLAN IDを定義します。

0:VLAN IDが割り当てられていないIPアドレス

1〜4095※4:VLAN IDが割り当てられている

リソース制約定義ファイルを使用していない場合の動作:

VLAN ID指定省略時

  • 管理LAN

    0として扱います。

  • 業務LAN

    マスターイメージ定義ファイルで業務用VLAN IDを指定した値を使用します。マスターイメージ定義ファイルで指定しない場合は0として扱います。

リソース制約定義ファイルを使用している場合の動作:※3

リソース制約定義ファイルの範囲内の値だけ指定できます。範囲外を指定した場合はエラーとなります(KFUD24221-E)。

VLAN ID指定省略時

  • 管理LAN

    リソース制約定義ファイルからISCMが自動で払い出します。

  • 業務LAN

    マスターイメージ定義ファイルで業務用VLAN IDを指定した値を使用します。マスターイメージ定義ファイルで指定しない場合はリソース制約定義ファイルからvISCMが自動で払い出します。

省略可

5

仮想ホスト名

割り当てたい仮想ホスト名を定義します。1〜15バイトの英数字およびハイフン(-)で記載してください。ただし,文字列の先頭と末尾にハイフン(-)は使用できません。また,数字だけの文字列も指定できません。※5

同一ホストに対しては同じ仮想ホスト名を指定してください。異なる仮想ホスト名を指定した場合,何が設定されるか不定です。誤った仮想ホスト名が設定された場合は,該当ホストのリソース開放を行い,再度リソース予約してください。

省略時は「”H”+”マスターイメージID(8桁)”+”ホストID(6桁)”」を自動的に割り当てます。(例:H99999999000001)

省略可

6

仮想ネットワークデバイス用途

IPアドレスを割り当てる接続先ネットワーク名を定義します。構成パターンテンプレートのNetwork要素に記載した仮想ネットワークデバイス用途を指定します。

業務用仮想NICが2つ以上の仮想ホストの場合は,省略できません。

注※1 対象:表項番3〜項番5以降の値を設定する対象を指定します。

注※2 設定値:リソース予約において値を決定するものです。

注※3 VLAN IDの優先順位は次のとおりです。

  • 管理LAN

    リソース制約定義ファイル < リソース定義ファイル

  • 業務LAN

    リソース制約定義ファイル < マスターイメージ定義ファイル < リソース定義ファイル

注※4 分散仮想スイッチを使用する場合は1〜4094としてください。4095を指定した場合デプロイ時にエラーとなります。

注※5 uCosminexus Application Serverを使用する仮想ホストの場合,仮想ホスト名の先頭は英字にしてください。先頭に英字以外を使用した場合はデプロイの実行時にuCosminexus Application Serverのセットアップが失敗します。

同じホストID,IPアドレスタイプを示すIPアドレスまたはグループ番号を複数記載した場合は,エラーとします。

注※6 仮想ホストのデプロイを行わない場合,リソース予約対象となるすべての仮想ホストに対してIPアドレスとホスト名の指定が必須となります。指定が不足している仮想ホストがある場合はKFUD24221-Eメッセージを出力してリソース予約に失敗します。

リソース定義ファイルの7カラムから9カラムは,ISCMによって予約されています。したがって,リソース定義ファイルに7カラム以上指定した場合の動作は次のとおりです。

  1. 7カラムから9カラムに値を指定

    指定した値を無視して,リソース予約処理を続行します。

  2. 10カラム以降に値を指定

    KFUD24005-Eエラーとなり,リソース予約処理を中止します。

    表2‒28 リソース定義ファイルでの定義フォーマット

    名称

    定義フォーマット

    IPアドレス指定

    注 IPアドレス指定を行った場合は,IPアドレスグループ指定があっても無視します。

    IPアドレス単独指定形式

    ホストID,IPアドレス,,VLAN ID,仮想ホスト名

    IPアドレス指定

    (業務用仮想NICが2以上の場合)

    ホストID, IPアドレス,,VLAN ID,仮想ホスト名,仮想ネットワークデバイス用途

    IPアドレスグループ指定

    ホストID,,IPアドレスグループ番号,VLAN ID,仮想ホスト名

(4) 記述例

次にリソース定義ファイルの記述例を示します。

リソース定義ファイルの記述例
1,1.1.1.10,,10,host41
1,2.1.1.20,,20,host41
2,,5,10,host42
2,,9,20,host42