uCosminexus DocumentBroker Version 5 概説

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3.8.5 アクセス制御モデルで使用するプロパティ

ここでは,アクセス制御モデルで使用するプロパティについて説明します。

<この項の構成>
(1) ユーザ情報を表すプロパティ
(2) アクセス制御情報を設定するためのプロパティ
(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ
(4) パブリックACLのプロパティ

(1) ユーザ情報を表すプロパティ

アクセス制御モデルでは,ユーザがログインした際に生成されるユーザ情報からログインユーザを識別したり,DocumentBrokerで定義されているログインユーザが保持するユーザ権限の情報を取得したりできます。ユーザ情報には,次のものがあります。

各情報の詳細については,「3.8.1(1) ユーザ情報」を参照してください。それぞれのユーザ情報には,プロパティの名前が付けられています。ユーザ情報を表すプロパティの一覧を次の表に示します。

表3-15 ユーザ情報を表すプロパティの一覧

意味 プロパティの名前 データ型
ユーザ識別子 dbrProp_UserId STR型
所属するグループの数 dbrProp_GroupCount INT型
所属するグループのグループ識別子の一覧 dbrProp_GroupList STRLIST型
特権 dbrProp_UserPrivilege INT型
ユーザ権限 dbrProp_UserPermission INT型

(2) アクセス制御情報を設定するためのプロパティ

個々の文書管理オブジェクトにアクセス制御情報を設定するためのプロパティを次の表に示します。なお,VARRAY型のプロパティについては,構成要素のプロパティを「VARRAY型のプロパティの名前:構成要素のプロパティの名前」と表記します。

表3-16 アクセス制御情報を設定するためのプロパティの一覧

意味 プロパティの名前 データ型 制限値 値を更新できる
ユーザ
所有者のユーザ識別子 dbrProp_OwnerId STR型 1〜254バイト 所有者3
セキュリティ管理者
プライマリグループのグループ識別子 dbrProp_PrimaryGroupId STR型 0〜254バイト 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
ACFlagの所有者のパーミッション dbrProp_OwnerPermission INT型 4バイト3 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
ACFlagのプライマリグループのパーミッション dbrProp_PrimaryGroupPermission INT型 4バイト3 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
ACFlagのすべてのユーザのパーミッション dbrProp_EveryonePermission INT型 4バイト3 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
ローカルACL サブジェクト dbrProp_ACL:dbrProp_Subject STR型 ACEは64個まで 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
サブジェクト種別 dbrProp_ACL:dbrProp_SubjectType INT型
パーミッション dbrProp_ACL:dbrProp_Permission INT型
セキュリティACL サブジェクト dbrProp_SACL:dbrProp_Subject STR型 ACEは64個まで 所有者1
セキュリティ管理者
サブジェクト種別 dbrProp_SACL:dbrProp_SubjectType INT型
パーミッション dbrProp_SACL:dbrProp_Permission INT型
バインドしているパブリックACLの個数 dbrProp_PublicACLCount INT型 10個 4
バインドしているパブリックACLのOIIDのリスト バインドしているパブリックACLのOIID dbrProp_PublicACLIds:dbrProp_ACLIdElem STR型 5 所有者1
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM12
ログインユーザのパーミッション dbrProp_UserPermission INT型 4

(凡例) −:該当しないことを示します。


注※1
値を更新する場合,基本プロパティ更新権は必要ありません。ただし,値を参照する場合は,基本プロパティ参照権が必要です。
注※2
セキュリティACLでアクセス制御情報変更権(DbjDef.PERM_CHANGE_PERM)を与えられているユーザを示します。
注※3
パーミッションを表す定数を指定します。パーミッションに指定する値については,「3.8.2 アクセス制御情報に設定できるパーミッションの種類」を参照してください。
注※4
読み取り専用のプロパティです。
注※5
一つの文書管理オブジェクトにバインドできるパブリックACLは10個までになります。また,個々のパブリックACLで設定できるACEは64個までになります。

 

各プロパティの詳細について説明します。

所有者のユーザ識別子(dbrProp_OwnerId)
文書管理オブジェクト作成時に,作成したユーザのユーザ識別子が設定されるプロパティです。このプロパティに設定されているユーザ識別子のユーザには,所有者として,ACFlagでアクセス権を与えることができます。また,所有者は,基本プロパティ更新権の有無に関係なく,その文書管理オブジェクトのアクセス制御情報およびアクセス制御情報変更権を設定・更新できます。ただし,値を参照する場合は,基本プロパティ参照権が必要です。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。また,属性検索条件にも指定できます。例えば,「Aさんが所有する文書を検索する」という条件で検索できます。ただし,検索条件に指定する場合は,「edmProp_OwnerId」という名前で指定してください。
このプロパティの値を更新できるのは,所有者およびセキュリティ管理者だけです。所有者およびセキュリティ管理者以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
プライマリグループのグループ識別子(dbrProp_PrimaryGroupId)
ACFlagでアクセス権を与えるグループのグループ識別子を設定するプロパティです。設定できるグループは一つだけです。このプロパティに設定されているグループ識別子のグループは,その文書管理オブジェクトに対して「ACFlagのプライマリグループのパーミッション」で設定された範囲のアクセス権を保持します。ユーザ管理システムがLDAP対応のディレクトリサービスの場合は,オブジェクトを作成したあとに,その文書管理オブジェクトの所有者またはセキュリティ管理者がユーザ情報のグループ識別子の中から一つ選択して,設定してください。ユーザ作成のアクセスルーチンの場合は,文書管理オブジェクトを作成するときにユーザ作成のアクセスルーチンに記述されているグループ識別子が設定されます。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。また,属性検索条件にも指定できます。例えば,「プライマリグループがAグループの文書を検索する」という条件で検索できます。ただし,検索条件に指定する場合は,「edmProp_PrimaryGroupId」という名前で指定してください。
このプロパティの値を更新できるのは,所有者およびセキュリティ管理者だけです。所有者およびセキュリティ管理者以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
ACFlagの所有者のパーミッション(dbrProp_OwnerPermission)
「所有者のユーザ識別子」に設定されているユーザに対して与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。文書管理オブジェクト作成時には,文書空間構成定義ファイルに設定されているデフォルトのパーミッションが設定されます。文書空間構成定義ファイルについては,マニュアル「DocumentBroker Version 5 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
このプロパティの値を更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
ACFlagのプライマリグループのパーミッション(dbrProp_PrimaryGroupPermission)
「プライマリグループのグループ識別子」に設定されているグループに対して与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。文書管理オブジェクト作成時には,文書空間構成定義ファイルに設定されているデフォルトのパーミッションが設定されます。文書空間構成定義ファイルについては,マニュアル「DocumentBroker Version 5 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
「プライマリグループのグループ識別子」が設定されていない場合は,このプロパティに値を設定しても無視されます。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
このプロパティの値を更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
ACFlagのすべてのユーザのパーミッション(dbrProp_EveryonePermission)
すべてのユーザに対して与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。文書管理オブジェクト作成時には,文書空間構成定義ファイルに設定されているデフォルトのパーミッションが設定されます。文書空間構成定義ファイルについては,マニュアル「DocumentBroker Version 5 システム導入・運用ガイド」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
このプロパティの値を更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
ローカルACL(dbrProp_ACL)
ローカルACLを設定するプロパティです。ローカルACLは「サブジェクト」,「サブジェクト種別」および「パーミッション」という三つの要素を持つACEを複数管理するVARRAY型のプロパティです。ローカルACLの構成要素であるACEのプロパティについて説明します。
サブジェクト(dbrProp_ACL:dbrProp_Subject)
ローカルACLのACEでアクセス権を与えるユーザの識別子,グループの識別子またはシステムサブジェクトを表す定数を設定するプロパティです。
サブジェクト種別(dbrProp_ACL:dbrProp_SubjectType)
ローカルACLのACEでアクセス権を与えるユーザまたはグループの種別を設定するプロパティです。
パーミッション(dbrProp_ACL:dbrProp_Permission)
「サブジェクト」に設定したユーザまたはグループに与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。
これらのプロパティに設定する値の詳細については,「(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,これらのプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。また,これらのプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,これらのプロパティの値を更新できません。
セキュリティACL(dbrProp_SACL)
セキュリティACLを設定するプロパティです。セキュリティACLは「サブジェクト」,「サブジェクト種別」および「パーミッション」という三つの要素を持つACEを複数管理するVARRAY型のプロパティです。セキュリティACLの構成要素であるACEのプロパティについて説明します。
サブジェクト(dbrProp_SACL:dbrProp_Subject)
セキュリティACLのACEでアクセス制御情報変更権のパーミッションを設定してアクセス制御情報へのアクセス権を与えるユーザの識別子,グループの識別子またはシステムサブジェクトを表す定数を設定するプロパティです。
サブジェクト種別(dbrProp_SACL:dbrProp_SubjectType)
セキュリティACLのACEでアクセス制御情報変更権のパーミッションを設定してアクセス制御情報へのアクセス権を与えるユーザまたはグループの種別を設定するプロパティです。
パーミッション(dbrProp_SACL:dbrProp_Permission)
「サブジェクト」に指定したユーザまたはグループに与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。このプロパティに設定できる値は,アクセス制御情報変更権を表す定数「DbjDef.PERM_CHANGE_PERM」です。
「サブジェクト」および「サブジェクト種別」に設定する値の詳細については「(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,これらのプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。また,これらのプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,これらのプロパティの値を更新できません。
バインドしているパブリックACLの個数(dbrProp_PublicACLCount)
文書管理オブジェクトがバインドしているパブリックACLの個数が設定されるプロパティです。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
バインドしているパブリックACLのOIIDのリスト(dbrProp_PublicACLIds)
文書管理オブジェクトがバインドしているパブリックACLのOIIDのリストを表すVARRAY型のプロパティです。構成要素であるパブリックACLのOIIDのプロパティについて説明します。
バインドしているパブリックACLのOIID(dbrProp_PublicACLIds:dbrProp_ACLIdElem)
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
このプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,このプロパティの値を更新できません。
ログインユーザのパーミッション(dbrProp_UserPermission)
文書管理オブジェクトに対するログインユーザのアクセス権の範囲を定めるパーミッションが設定されるプロパティです。文書管理オブジェクトのACFlag,ローカルACLおよびバインドしているパブリックACLのアクセス制御情報から,文書管理オブジェクトに操作要求を出したログインユーザまたはログインユーザが所属するグループに与えられているアクセス権の範囲を定めるパーミッションの論理和が求められて設定されます。

(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ

ここでは,アクセス制御情報のうち,ACLの構成要素であるACEのプロパティについて説明します。

ACEのプロパティを次の表に示します。

表3-17 ACEのプロパティ

意味 プロパティの名前 データ型 制限値
サブジェクト dbrProp_Subject STR型 サブジェクト種別に応じて制限値が異なります。
  • ユーザ識別子の場合
    1〜254(単位はバイト)。
  • グループ識別子の場合
    1〜254(単位はバイト)。
  • システムサブジェクトの場合
    1〜254バイト
サブジェクト種別 dbrProp_SubjectType INT型 4バイト
パーミッション dbrProp_Permission INT型 4バイト
(a) サブジェクト(dbrProp_Subject)

次のどれかを指定します。

(b) サブジェクト種別(dbrProp_SubjectType)

「サブジェクト」に指定した内容に応じて,種別を示す定数を指定します。

(c) パーミッション(dbrProp_Permission)

「サブジェクト」に指定したユーザまたはグループに対するパーミッションを表す定数を指定します。

パーミッションに指定する値については,「3.8.2 アクセス制御情報に設定できるパーミッションの種類」を参照してください。

(4) パブリックACLのプロパティ

パブリックACLのプロパティを次の表に示します。なお,VARRAY型のプロパティについては,構成要素のプロパティを「VARRAY型のプロパティの名前:構成要素のプロパティの名前」と表記します。

表3-19 パブリックACLのプロパティの一覧

意味 プロパティの名前 データ型 制限値 値を更新できる
ユーザ
オブジェクトの識別子 dmaProp_OIID STR型 1
所有者のユーザ識別子 dbrProp_OwnerId STR型 1〜254バイト 所有者
セキュリティ管理者
ローカルACL サブジェクト dbrProp_ACL:dbrProp_Subject STR型 ACEは64個まで 所有者
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM2
サブジェクト種別 dbrProp_ACL:dbrProp_SubjectType INT型
パーミッション dbrProp_ACL:dbrProp_Permission INT型
セキュリティACL サブジェクト dbrProp_SACL:dbrProp_Subject STR型 ACEは64個まで 所有者
セキュリティ管理者
サブジェクト種別 dbrProp_SACL:dbrProp_SubjectType INT型
パーミッション dbrProp_SACL:dbrProp_Permission INT型
パブリックACLをバインドしている文書管理オブジェクトの個数 dbrProp_BindObjectCount INT型 1
ログインユーザのパーミッション dbrProp_UserPermission INT型 1
ユーザ定義プロパティ (ユーザ定義プロパティの識別子)
        

      
所有者
セキュリティ管理者
DbjDef.PERM_CHANGE_PERM2

(凡例) −:該当しないことを示します。


注※1
読み取り専用のプロパティです。
注※2
セキュリティACLでアクセス制御情報変更権(DbjDef.PERM_CHANGE_PERM)を与えられているユーザを示します。

各プロパティの詳細について説明します。

オブジェクトの識別子(dmaProp_OIID)
パブリックACLを識別するためのOIID文字列が設定されるプロパティです。パブリックACL作成時に,DocumentBrokerが値を設定します。このOIIDを使用して,パブリックACLをほかの文書管理オブジェクトからバインドさせたり,すでに作成されているパブリックACLを指定してプロパティの値を設定・参照したりできます。また,属性検索条件にも指定できます。
所有者のユーザ識別子(dbrProp_OwnerId)
パブリックACLを作成したユーザのユーザ識別子が設定されるプロパティです。このプロパティにユーザ識別子が設定されているユーザは,アクセス権の有無に関係なく,次の操作ができます。
  • パブリックACLのアクセス制御情報の設定・更新
  • アクセス制御情報変更権の設定・更新
  • ユーザ定義プロパティの設定・更新
  • パブリックACLの削除
このプロパティの値は,属性検索条件にも指定できます。例えば,「Aさんが所有するパブリックACLを検索する」という条件で検索できます。ただし,検索条件に指定する場合は,「edmProp_OwnerId」という名前で指定してください。
このプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者およびセキュリティ管理者だけです。
ローカルACL(dbrProp_ACL)
複数の文書管理オブジェクト間で共有したいアクセス制御情報を設定するプロパティです。ローカルACLは「サブジェクト」,「サブジェクト種別」および「パーミッション」という三つの要素を持つACEを複数管理するVARRAY型のプロパティです。ローカルACLの構成要素であるACEのプロパティについて説明します。
サブジェクト(dbrProp_ACL:dbrProp_Subject)
アクセス権を与えるユーザの識別子,グループの識別子またはシステムサブジェクトを表す定数を設定するプロパティです。
サブジェクト種別(dbrProp_ACL:dbrProp_SubjectType)
アクセス権を与えるユーザまたはグループの種別を設定するプロパティです。
パーミッション(dbrProp_ACL:dbrProp_Permission)
「サブジェクト」に指定したユーザまたはグループに与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。
これらのプロパティに設定する値の詳細については,「(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,これらのプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。また,これらのプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,これらのプロパティの値を更新できません。
セキュリティACL(dbrProp_SACL)
パブリックACLのローカルACLおよびユーザ定義プロパティの値を更新する権利を設定するプロパティです。このプロパティでアクセス制御情報変更権を与えられたユーザまたはグループは,パブリックACL内のローカルACLの設定・更新およびユーザ定義プロパティの設定・更新ができます。
セキュリティACLは「サブジェクト」,「サブジェクト種別」および「パーミッション」という三つの要素を持つACEを複数管理するVARRAY型のプロパティです。セキュリティACLの構成要素であるACEのプロパティについて説明します。
サブジェクト(dbrProp_SACL:dbrProp_Subject)
パブリックACLのローカルACLおよびユーザ定義プロパティの値を更新する権利を与えるユーザの識別子,グループの識別子またはシステムサブジェクトを表す定数を設定するプロパティです。
サブジェクト種別(dbrProp_SACL:dbrProp_SubjectType)
パブリックACLを更新する権利を与えるユーザまたはグループの種別を設定するプロパティです。
パーミッション(dbrProp_SACL:dbrProp_Permission)
「サブジェクト」に指定したユーザまたはグループに与えるアクセス権の範囲を定めるパーミッションを設定するプロパティです。このプロパティに設定できる値は,アクセス制御情報変更権を表す定数「DbjDef.PERM_CHANGE_PERM」です。アクセス制御情報変更権を設定されたユーザまたはグループは,パブリックACLのローカルACLの設定・更新およびユーザ定義プロパティの設定・更新ができます。
「サブジェクト」および「サブジェクト種別」に設定する値の詳細については,「(3) アクセス制御情報の構成要素のプロパティ」を参照してください。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,これらのプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。また,これらのプロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザ以外のユーザは,基本プロパティ更新権があっても,これらのプロパティの値を更新できません。
パブリックACLをバインドしている文書管理オブジェクトの個数(dbrProp_BindObjectCount)
パブリックACLをバインドしている文書管理オブジェクトの個数が設定されるプロパティです。
基本プロパティ参照権を持つユーザは,このプロパティの値を参照できます。ただし,属性検索条件には指定できません。
ログインユーザのパーミッション(dbrProp_UserPermission)
パブリックACLに対するログインユーザのアクセス権の範囲を定めるパーミッションが設定されるプロパティです。セキュリティACLから,パブリックACLに操作要求を出したログインユーザまたはログインユーザが所属するグループに与えられているアクセス権の範囲を定めるパーミッションの論理和が求められて設定されます。
ユーザ定義プロパティ
パブリックACLクラスには,ユーザ定義プロパティを追加定義できます。
ユーザ定義プロパティは,属性検索条件としても指定できます。
ユーザ定義プロパティの値を設定・更新できるのは,所有者,セキュリティ管理者およびセキュリティACLでアクセス制御情報変更権を設定されているユーザです。