uCosminexus DocumentBroker Version 5 概説

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1.2.2 文書を作成,管理する機能

DocumentBrokerで管理する文書には,次の種類があります。

文書を管理する方法には,次の種類があります。

<この項の構成>
(1) 一つのファイルから構成される文書を管理する
(2) 一つの文書の中に複数のバージョンに対応するファイルを持つ文書を管理する
(3) 一つの文書の中に複数の形式に対応するファイルを持つ文書を管理する
(4) ファイルの実体が任意のディレクトリに登録されている文書を管理する
(5) 文書と文書を関連付けて管理する
(6) 文書とフォルダを関連付けて管理する
(7) 文書やフォルダの属性を管理する
(8) 文書やフォルダを一括して管理する

(1) 一つのファイルから構成される文書を管理する

一つのファイルから構成される文書は,最も基本的な文書になります。

例えば,Wordで作成したファイル「報告書.doc」を,DocumentBrokerの文書のコンテンツ(Wordやテキストエディタなどのアプリケーションプログラムで作成された文書ファイル)として管理できます。

(2) 一つの文書の中に複数のバージョンに対応するファイルを持つ文書を管理する

文書を更新するときに,履歴を残して管理できます。文書に対して,第1版,第2版などのバージョンを付けておくことで,過去のある時点での文書を取り出したり,その文書を基に新たな文書を作成したりできます。また,その文書が幾つのバージョンを持っているかということも管理できます。

この機能を,バージョン管理機能といいます。

(3) 一つの文書の中に複数の形式に対応するファイルを持つ文書を管理する

複数の形式に対応するファイルを一つの文書のコンテンツとして管理できます。

この機能は,一つのファイルの内容を,対応するアプリケーションプログラムごとの複数の形式に変換した場合などに使用できます。

例えば,文書「報告書」のコンテンツとして,Wordで作成したファイル「報告書.doc」のほかに,「報告書.doc」をPDF形式に変換したファイル「報告書.pdf」も一緒に登録できます。これによって,ユーザの目的やユーザが使用するマシンの環境などの利用形態に応じて,Word形式のファイルをダウンロードしたり,PDF形式のファイルをダウンロードしたりできます。

この機能を,マルチレンディション機能といいます。

(4) ファイルの実体が任意のディレクトリに登録されている文書を管理する

文書の実体であるコンテンツを,DocumentBrokerが存在するマシンから接続できるファイルシステムの任意のディレクトリに格納し,文書のプロパティとコンテンツの格納先の情報(コンテンツロケーション)をデータベースに登録して管理します。コンテンツロケーションには,コンテンツの格納先の基点となるディレクトリパス(コンテンツ格納先ベースパス)からの相対パスが登録されます。コンテンツの格納先を移行する場合などは,データベースに影響を与えることなく,コンテンツ格納先ベースパスを変更するだけで,コンテンツの格納領域を変更できます。また,コンテンツをデータベースに格納しないため,データベースの容量を削減できます。

この機能を,リファレンスファイル管理機能といいます。

(5) 文書と文書を関連付けて管理する

文書をほかの文書と関連付けて管理できます。ある文書の中で,ほかの文書を参照する記述がある場合などに,文書間にリンクを設定しておくことで,参照元の文書から参照先の文書をたどることができます。また,参照先の文書から参照元の文書をたどることもできます。

DocumentBrokerでは,文書と文書,文書とフォルダなどの関連付けを表すリンクをオブジェクト(リンクオブジェクト)として管理できます。

(6) 文書とフォルダを関連付けて管理する

文書は,フォルダに格納してまとめて管理したり,フォルダに格納した文書を,別の観点から分類して管理したりできます。

DocumentBrokerでは,複数の文書をまとめて管理するために,フォルダというオブジェクトを使用します。フォルダと文書にリンクを設定することによって,文書をフォルダにまとめて格納して管理したり,文書を複数の観点から分類して管理したりできます。設定するリンクの種類によって,フォルダと文書は1:n(nは1以上の整数)の関係で関連付けたり,m:n(m,nは1以上の整数)の関係で関連付けたりできます。

例えば,文書をプロジェクト単位でまとめて管理したい場合,プロジェクトごとにフォルダを作成して,1:nの関係でフォルダと文書のリンクを設定すれば,プロジェクトごとに文書を管理できます。また,フォルダに格納された文書を作成者とテーマで分類して管理したい場合,作成者を表すフォルダとテーマを表すフォルダをそれぞれ作成して,m:nの関係でフォルダと文書のリンクを設定すれば,文書を作成者やテーマごとに分類して管理できます。

また,フォルダとフォルダを関連付けることによって,フォルダや分類に階層を持たせることもできます。

(7) 文書やフォルダの属性を管理する

DocumentBrokerでは,文書やフォルダにさまざまな属性を付けて管理できます。この属性をプロパティといいます。文書やフォルダにプロパティを定義すると,プロパティを指定して文書やフォルダを検索できるので便利です。

プロパティには,システムによって定義されるプロパティと,ユーザが任意に追加定義するプロパティがあります。例えば,「報告書.doc」を管理する場合,ユーザが追加したプロパティの値として,「作成者」,「担当部署」,「コメント」などの情報も一緒に管理できます。

バージョン管理できる文書では,バージョンに共通するプロパティと,個々のバージョンのプロパティを個別に管理できます。また,リンクオブジェクトにプロパティを設定して管理することもできます。

(8) 文書やフォルダを一括して管理する

DocumentBrokerでは,複数の文書やフォルダを一括して管理できます。このため,複数の文書のプロパティを一括して取得したり,複数の文書を一括して削除したりできます。