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Hitachi IT Operations Director 導入・設計ガイド


2.16 クラスタシステムでの運用

Hitachi IT Operations Directorはクラスタシステムでの運用に対応しています。

クラスタシステムとは、稼働中のサーバにトラブルが発生したときに、あらかじめ用意しておいたバックアップ用のサーバへ自動的に運用が切り替わるシステムです。クラスタシステムで運用することで、システム全体が停止することなく安定した運用が実現できます。これによって、トラブルの影響を受けることなく、Hitachi IT Operations Directorが提供するサービスを継続できます。

Hitachi IT Operations Directorは、Windows Server Failover Clusterを使用したクラスタシステムを導入でき、アクティブ・スタンバイ構成に対応しています。アクティブ・スタンバイ構成とは、サーバを2つ用意して、それぞれのサーバを現用系(メインのサーバ)と待機系(バックアップ用のサーバ)として設定します。

なお、バックアップ用のサーバに運用が切り替わることを、「フェールオーバー」といいます。フェールオーバー後は、バックアップ用のサーバで運用している間にメインのサーバを回復させ、運用環境を正常な状態に戻します。

Hitachi IT Operations Directorを導入したクラスタシステムの概要を次の図に示します。

[図データ]

クラスタシステムで運用する場合、管理用サーバには論理的なホスト名またはIPアドレスが設定されます。管理対象のコンピュータは、このホスト名またはIPアドレスに接続します。

論理的なホスト名またはIPアドレスには、管理用サーバのホスト名またはIPアドレスが対応づけられています。対応づけられたホスト名およびIPアドレスが変更されても、論理的なホスト名またはIPアドレスは変わりません。そのため、フェールオーバーが発生しても、コンピュータの接続先の設定を変更することなく、運用を続行できます。

注意事項

クラスタシステムに対応するのは、管理用サーバだけです。ネットワークモニタのクラスタシステムは構築できません。