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JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console 設計・構築ガイド


5.12.2 Asset Consoleのフェールオーバー機能使用時の環境作成

Asset Consoleのフェールオーバー機能を使用する場合の、クラスタ環境の作成方法について説明します。

  1. 実行系サーバにAsset Consoleをインストールする。

    設定内容を次の表に示します。表に示した順に設定してください。

    表に記載されていない項目については、通常どおりに設定してください。

    インストールの手順については「5.2.2 Asset Consoleのインストール」を、セットアップの手順については「5.3 資産管理サーバの設定」を参照してください。

    表5‒15 Asset Consoleの設定内容

    プログラム

    設定項目

    設定内容

    Asset Consoleのインストールウィザード

    インストール先の選択

    ローカルディスクを指定します。

    資産管理サーバの仮想ディレクトリ(デフォルトは、<Asset Consoleのインストール先フォルダ>\wwwroot)

    共有ディスクを指定します。

    Asset Consoleの[サーバセットアップ]ダイアログ

    サービス名

    ODBCデータソース名を指定します。

    ログインID、パスワード

    実行系と待機系で同一のログインIDおよびパスワードを指定します。

    [データベースマネージャ]ダイアログの「データベースの新規作成」

    実行系および待機系で実行します。

    データベースの基本設定のダイアログ

    ポート番号

    実行系と待機系で同一のポート番号を指定します。

    データベースの詳細設定のダイアログ

    格納先フォルダ名

    共有ディスクを指定します。

    実行系と待機系で同一のパスになるようにしてください。

    データベースの詳細設定のダイアログ

    サイズ、自動拡張

    実行系と待機系で同一のサイズおよび自動拡張を指定します。

    [データソースの作成]ダイアログ

    データソースの作成

    データベースの新規作成時に、セットアップの内容に従ってデータソースが自動的に作成されます。実行系のサーバではデータベースの新規作成が完了してからデータソースの接続先を論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください(データベースの新規作成直後は、データソースの接続先はlocalhostです)。

    待機系では、インストール後にデータベースを作成したあと、データソースの接続先を実行系と同一の論理ホスト名(ネットワーク名)に変更してください。

    (凡例)

    −:該当なし

  2. 実行系サーバで動作を確認する。

    データベースのサービスが共有ディスクのファイルを参照していることがあるため、動作確認が終了したら次の作業を実行してください。

    • World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止する。

    • Administrators権限を持つユーザでjamemb_dbstop.batを実行して、資産管理データベースを停止する。

      jamemb_dbstop.batは次のフォルダに格納されています。

      <Asset Consoleのインストール先フォルダ>\exe

  3. クラスタアドミニストレータでグループを移動する。

    これによって所有者が待機系サーバになります。

  4. 待機系サーバで環境構築手順1.を設定する。

    各設定内容も同一とします。ただし、資産管理データベースの作成は不要です。

  5. クラスタアドミニストレータで、Microsoft Internet Information Servicesのリソースを新規作成する。

    使用するOS別に、設定内容を次の表に示します。

    表5‒16 Microsoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows Server 2003の場合)

    設定項目

    設定内容

    名前

    任意に設定します。

    リソースの種類

    「汎用スクリプト」を選択します。

    グループ

    Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定します。

    実行可能な所有者

    2台のノード(クラスタサーバ)を「実行可能な所有者」として追加します。

    依存関係

    「IPアドレス」のリソースを設定します。

    スクリプトのファイルパス

    %systemroot%\System32\Inetsrv\Clusweb.vbs

    表5‒17 Microsoft Internet Information Servicesのリソース設定内容(Windows Server 2012およびWindows Server 2008の場合)

    リソースの種類

    スクリプトファイルパスへの

    入力内容

    依存関係

    汎用スクリプト

    %systemroot%\System32\Inetsrv\Clusweb.vbs

    「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。

    Windows Server 2012およびWindows Server 2008のクラスタ環境でリソースを設定するためのスクリプトファイル(Clusweb.vbs)は、標準でインストールされていません。Microsoft Internet Information Services 7.0の役割サービスの追加で「IIS 6 管理互換」の「IISスクリプトツール」をインストールすると、スクリプトファイルが所定のパス(%systemroot%\System32\Inetsrv)に格納されます。

    したがって、クラスタ環境でリソースを設定する場合は、事前に「IISスクリプトツール」をインストールしておいてください。インストール方法の詳細については、Microsoft Internet Information Servicesのマニュアルを参照してください。

    なお、Microsoft Internet Information Services 7.5、8.0、または8.5を利用する場合、役割サービスの追加で「IIS 6 管理互換」の「IIS スクリプトツール」をインストールしても、Clusweb.vbsは作成されません。Microsoftが公開している技術情報(KB970759)を参照し、汎用スクリプトのサンプルをダウンロードしてご利用ください。

    クラスタアドミニストレータで、「IIS Server Instance」をオンラインにすると、サービスが開始します。以降、World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishingを停止または開始するときは、クラスタアドミニストレータを使用して状態をオフラインまたはオンラインにしてください。

  6. クラスタアドミニストレータで、DBMSのサービスのリソースを作成する。

    次の表に示す設定内容でリソースを作成してください。状態をオンラインにすると、資産管理データベースが開始します。

    使用するOS別に、設定内容を次の表に示します。

    表5‒18 データベースのサービスのリソース設定内容(Windows Server 2003の場合)

    設定項目

    設定内容

    名前

    任意に設定します。

    リソースの種類

    「汎用サービス」を選択します。

    グループ

    Microsoft Cluster Serviceのクラスタアドミニストレータによって作成したグループ名を設定します。

    実行可能な所有者

    2台のノード(クラスタサーバ)を「実行可能な所有者」として追加します。

    依存関係

    「ネットワーク名」に、Asset Consoleのインストール先フォルダのフォルダ名を含んだ「物理ディスク」の各リソースを追加します。

    RDBサーバを同一グループに設定している場合は、「RDBサーバ」のリソースも追加します。

    汎用サービスパラメーター

    HiRDBClusterService_AM1

    レジストリの複製

    指定しません。

    表5‒19 データベースのサービスのリソース設定内容(Windows Server 2012およびWindows Server 2008の場合)

    リソースの種類

    選択するサービス名

    依存関係

    汎用サービス

    HiRDBClusterService_AM1

    「共有ディスク」と「クライアントアクセスポイント」のリソースを設定します。