付録N.2 09-00以降のバージョンからの移行またはシステムの移設の手順
09-00以降のバージョンのSSOから最新バージョンのSSOに移行するとき,またはサーバのリプレースなどでシステムを移設するときの手順について説明します。
(1) 前提条件
移行または移設に当たっての前提条件を次に示します。
(a) 移行元サーバ(移設元サーバ)
SSOのバージョンは,09-00以降であることが前提です。
(b) 移行先サーバ(移設先サーバ)
-
最新バージョンのSSOの新規インストールが完了していることが前提です。なお,移行または移設が完了するまでSSOは起動しないでください。
-
リソース収集データベースのデータを移行または移設する場合は,移行先サーバ(移設先サーバ)のホスト名およびIPアドレスが,移行元サーバ(移設元サーバ)と同じであることが前提です。ただし,ssoextractlog -logfileコマンドによるデータ抽出だけを目的とする移行または移設の場合は,ホスト名およびIPアドレスが同一である必要はありません。
(2) 移行対象ファイル(移設対象ファイル)
移行対象(移設対象)のファイルを次に示します。
項番 |
分類 |
ファイル名 |
移行または移設方法 |
|
---|---|---|---|---|
コマンド※1 |
手動 |
|||
1 |
資料採取コマンド※2 |
|
× |
○ |
2 |
定義・設定ファイル |
|
○ |
○ |
任意の場所に格納した定義ファイル |
× |
○ |
||
3 |
リソース収集データベース |
$SSO_DB配下の全ファイル |
○※4 |
○※4 |
4 |
レポートファイル |
$SSO_REPORT配下の全ファイル |
○ |
○ |
(3) 移行手順(移設手順)
移行手順(移設手順)を次に示します。なお,移行作業(移設作業)はroot権限(UNIXの場合)またはAdministrator権限(Windowsの場合)を持つユーザが実施してください。
(a) 移行元サーバ(移設元サーバ)での作業
-
SSOを停止する。
SSOのウィンドウが開いている場合は,ウィンドウを閉じます。また,SSOが動作している場合は,次のコマンドを実行してSSOを停止します。
ssostop
移行元サーバ(移設元サーバ)のOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「停止」にすることでも,SSOを停止できます。
- 注意事項
-
NNMiは停止しないでください。
-
SSOのデータをバックアップする。
次のコマンドを実行して,移行対象ファイル(移設対象ファイル)をバックアップします。移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,「(2) 移行対象ファイル(移設対象ファイル)」を参照してください。また,ssobackupコマンドの引数については,「6. コマンド ssobackup」を参照してください。
ssobackup {-all | -conf | -db} [-d バックアップ先ディレクトリ]
なお,ssobackupコマンドでバックアップできない移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,手動でバックアップしてください。
-
バックアップしたデータを,移行先サーバ(移設先サーバ)に転送する。
-
移行元サーバと移行先サーバ(移設の場合は移設元サーバと移設先サーバ)のIPアドレスが異なるときは,SSOを再起動する。
次のコマンドを実行します。
ssostart
なお,移行元サーバ(移設元サーバ)のOSがWindowsの場合,「SNMP System Observer」サービスを「開始」にすることでも,SSOを起動できます。
-
移行元サーバと移行先サーバ(移設の場合は移設元サーバと移設先サーバ)のIPアドレスが異なるときは,APMの移行元サーバ(移設元サーバ)に関する定義をすべて削除する。
次のコマンドを実行します。
ssopsset -sd
(b) 移行先サーバ(移設先サーバ)での作業
-
移行元サーバ(移設元サーバ)から転送されたデータをリストアする。
次のコマンドを実行して,必要なファイルをリストアします。ssorestoreコマンドの引数については,「6. コマンド ssorestore」を参照してください。
ssorestore {-all | -conf | -db} [-d リストア元ディレクトリ]
- 注意事項
-
ssorestoreコマンドには,ssobackupコマンドの実行時と同じ引数を指定してください。
なお,ssorestoreコマンドでリストアできない移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,手動でリストアしてください。
また,移行先サーバ(移設先サーバ)のOSがUNIXの場合は,移行対象ファイル(移設対象ファイル)のリストア後に,ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を設定し直す必要があります。ファイルの所有者,グループ,およびアクセス権を次の表に示します。
表N‒7 移行対象ファイル(移設対象ファイル)の設定内容 所有者
グループ
アクセス権
bin
bin
-rw-r--r-- (0644)
なお,移行先(移設先)ファイルパスが任意のファイルについては,表に示す所有者やグループ以外にもアクセス権を付与できます。
-
SSOをセットアップする。
セットアップについては,「3.4 SSOのセットアップ」を参照してください。
- 注意事項
-
SSOは起動しないでください。
-
必要に応じて,定義ファイルや設定ファイルを変更する。
移行先サーバ(移設先サーバ)の環境や,移行後(移設後)のシステムの運用方法に合わせて,定義ファイルや設定ファイルを変更します。
-
リソース収集データベースを移行または移設しない場合は,ssocollectdデーモンプロセス,およびssocolmngデーモンプロセスを起動する。
次のコマンドを実行します。
ssostart ssocollectd ssostart ssocolmng
-
リソース収集データベースを移行または移設しない場合は,リストアしたリソース収集データベースを削除する。
次のコマンドを実行します。
ssodbdel -all
(4) 注意事項
移行時(移設時)の注意事項を次に示します。
-
移行元(移設元)と移行先(移設先)のOSが異なる場合,次のことに注意してください。
- UNIXからWindowsへ移行(移設)する場合
-
移行(移設)できます。テキスト形式の移行対象ファイル(移設対象ファイル)の改行コードが異なりますが,SSOの動作には影響しません。必要に応じて改行コードを変更してください。
- WindowsからUNIXへ移行(移設)する場合
-
次に示すファイルを移行(移設)できます。
・ユーザリソース設定ファイル群
・ユーザリソースのリソースアイコンファイル群
また,そのほかの移行対象ファイル(移設対象ファイル)については,改行コードを変更することで移行(移設)できます。
ただし,リソース収集データベースは移行(移設)できません。
- UNIXから別のUNIXへ移行(移設)する場合
-
移行(移設)できます。
-
移行元サーバと移行先サーバ(移設元サーバと移設先サーバ)の言語環境が異なる場合は,移行または移設した定義ファイル内に,日本語またはマルチバイトコードの文字が含まれていることがあります。必要に応じて,移行先サーバ(移設先サーバ)の言語環境に合わせて修正してください。
-
移行元サーバと移行先サーバ(移設元サーバと移設先サーバ)のレポート出力言語が異なる場合は,レポート出力言語を変更してレポートを作成し直してください。
レポートを作成する操作については,「4.8 レポート条件の設定およびレポートファイルの作成」を参照してください。