以下に,多拠点集中監視機能で管理する情報の登録適用例を示します。
監視するネットワーク単位に,管理情報として,許可された機器のアドレス一覧(許可機器一覧/固定機器一覧)を登録します。許可機器一覧は,下記2つの方法で登録することができます。
図9-1 登録作業手順のフロー
![[図データ]](FIGURE/ZU080100.GIF)
- ボトムアップ型:
- 集中監視サーバで検出した現状のネットワーク接続機器,管理者が追加登録した機器の一覧を使用する。
- トップダウン型:
- ご利用中のネットワーク接続機器の管理ツールから出力したCSV形式の一覧を使用する。
また,多拠点集中監視機能を使用して,ネットワーク接続の監視を行う場合の通信量は,次のとおりになります。
なお,機器の検出は,NetBIOSとICMPの2種類で行い,検出した機器の停止を検出するために,検出した方法と同じ要求を送信して,応答が返ってこなくなったら停止とする「生死監視」処理を定期的に行います。機器の検出では,SNMPを利用して,スイッチからARP情報を収集しますが,NetBIOSや,ICMPでの検出に比べると,無視できるほど小さい通信量のため,省略します。
| 検出方法 |
要求 |
応答 |
タイミング |
| NetBIOS |
100バイト |
400バイト |
集中監視機能の環境設定画面で設定した間隔で,監視対象ネットワークの全IPアドレスに対して要求します(デフォルトで100ミリ秒)。 |
| ICMP |
100バイト |
100バイト |
集中監視機能の環境設定画面で設定した間隔で,監視対象ネットワークの全IPアドレスに対して要求します(デフォルトで100ミリ秒)。 |
| 生死監視 |
※ |
※ |
2分間隔で,すべての動作中の機器に対して要求します。 |
注※ 検出した方法と同じ通信量
- 【例】
- クラスC(IPアドレスの数=254)のネットワークを10個監視し(IPアドレスの総数=2540),全IPアドレスの10%の機器が接続され(接続機器数=254),集中監視機能の環境設定で監視間隔を100ミリ秒(デフォルト値)と設定した場合を考えます。
- (1) 要求(NetBIOSとICMP)
- 計算式を次に示します。
- 要求量(バイト/秒) = 200バイト÷監視間隔(ミリ秒)×1000
- NetBIOSとICMPの要求(合計200バイト)は,100ミリ秒間隔で送信されるため,次の計算式となります。
- 200バイト÷100ミリ秒×1000 = 2000バイト/秒
- (2) 応答(NetBIOSとICMP)
- 計算式を次に示します。
- 応答量(バイト/秒) = 500バイト÷監視間隔(ミリ秒) ×1000×接続機器の割合
- NetBIOSとICMPの応答(合計500バイト)は,100ミリ秒間隔で送信される要求に対して10%が応答するため,次の計算式となります。
- 500バイト÷100ミリ秒×1000×0.1 = 500バイト/秒
- (3) 生死監視
- 計算式を次に示します。
- 生死監視量(バイト/秒) = 500バイト×接続機器数÷120秒
- 通信量が多いNetBIOSでの確認と仮定すると(要求と応答の合計500バイト),接続機器数254台に対して,2分(120秒)間隔で要求されるため,次の計算式となります。
- 500バイト×254台÷120秒= 1058バイト/秒
- 要求(NetBIOSとICMP),応答(NetBIOSとICMP),生死監視の合計3.6Kバイトが,1秒あたりの通信量となります。
- また,ネットワークをグループ分けすると,各グループを同時に監視することもできますが,その分,通信量も増えます。
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