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JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 導入・設計ガイド


2.16 サイトサーバ構成システムでの運用

JP1/IT Desktop Managementで管理するコンピュータの台数が多くなるほど、管理用サーバで処理するデータ量やコンピュータとの通信量が増え、管理用サーバおよびネットワークに負荷が掛かります。この対策のために、JP1/IT Desktop Managementではサイトサーバによる負荷分散の機能を提供しています。

サイトサーバを設置することで、次の負荷分散を実現できます。

操作ログの保管先の分散によるディスク容量およびネットワーク負荷の軽減

エージェント導入済みのコンピュータから取得する操作ログを、サイトサーバに分散して保管することで、管理用サーバのディスク所要量の増大や通信の集中によるネットワーク負荷の増大を防止できます。サイトサーバに格納された操作ログは、操作画面から参照できます。

なお、サイトサーバのディスク容量が少なくなると、操作画面にイベントが表示されます。必要に応じてデータの移動、保管先の変更などのメンテナンスを実行してください。サイトサーバに保管している操作ログのメンテナンスには、recreatelogdbコマンド(インデックス情報の再作成)、movelogコマンド(操作ログの移動)、およびdeletelogコマンド(操作ログの削除)を利用します。

パッケージ配布時のネットワーク負荷の軽減

管理用サーバで配布用のパッケージを作成すると、自動的にサイトサーバにも格納されます。そのあとで配布機能を実行すると、サイトサーバからコンピュータに対してパッケージが転送されます。これによって、配布機能を利用する際の管理用サーバとサイトサーバ間でのネットワーク負荷を軽減できます。

サイトサーバは、エージェント導入済みのコンピュータにインストールして構築します。コンピュータにサイトサーバプログラムをインストールすると、機器画面の[管理種別]欄のエージェントを示すアイコンに、サイトサーバを示すアイコンが追加で表示されます。(例)[図データ]

各コンピュータの接続先となるサイトサーバを指定するには、JP1/IT Desktop Managementのサーバ構成を設定します。サーバ構成の設定では、複数のサイトサーバをグルーピングしたサイトサーバグループを作成し、ネットワークセグメントごとにどのサイトサーバグループを接続先とするかを指定します。なお、接続先のサイトサーバグループは、操作ログの保管先と、配布機能の中継地点のそれぞれで異なるグループを指定できます。

ポイント

サイトサーバは、上記のほかにネットワークの探索、エージェントレスの機器からの機器情報収集、セキュリティポリシーの送信、JP1/IT Desktop Managementのコンポーネント(エージェント、ネットワークモニタエージェント、サイトサーバ)の配布などにも利用されます。ただし、環境に応じて、サイトサーバを利用するかどうかをシステムが自動的に判断するため、運用時に意識する必要はありません。また、セキュリティポリシーは、配布機能の中継地点に指定したサイトサーバを経由して送信されるようになります。

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