3.1.1 JP1/FTPの環境を定義する
インストール時にデフォルトの値が設定されます。必要な場合だけ変更してください。
[環境定義]ダイアログボックスで定義する方法と,ftsutilコマンドで定義する方法を説明します。
(1) [環境定義]ダイアログボックスで定義する
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[環境定義]ダイアログボックスの各項目の設定を変更し,[了解]をクリックする。
変更後は,メッセージに従って,サービスを再起動してください。
[環境定義]ダイアログボックスの各設定項目を,次の表に示します。
項目 |
設定内容 |
---|---|
履歴情報保存件数 ((0〜1000000件)) 《2000件》 |
履歴情報を保存する件数を指定します。1ファイルの伝送が1件と数えられ,ファイル伝送の数が保存件数を超えた場合は,古い情報から上書きされます。 1件のサイズは,1,500バイトで,「保存件数×1,500バイト」のファイルサイズを必要とします。
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プロトコルトレースのファイルサイズ ((4〜10000KB)) 《50KB》 |
ftpプロトコルのトレースを採取するファイルのサイズを指定します。プロトコルトレースファイルは,ftpレベルでのコマンドのやり取りを確認できます。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。 使用するディスク容量は,「指定したサイズ×最大同時伝送数×2」必要とします。最大同時伝送数については,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。 トレースファイルは,テキストエディターで参照できます。 |
モジュールトレースのファイルサイズ ((4〜10000KB)) 《50KB》 |
モジュールトレースを採取するファイルのサイズを指定します。モジュールトレースは,保守情報として採取します。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。 使用するディスク容量は,「指定したサイズ×最大同時伝送数×2+指定したサイズ×10」必要とします。最大同時伝送数については,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。 モジュールトレースは参照できません。 |
ホスト接続時のリトライ回数/間隔 |
ファイル伝送時のコネクション確立時,相手先ビジーなどによってコネクションを確立できなかったときのリトライ回数/間隔を指定します。サーバ(着信側)では,connect システムコールがエラーになった場合,クライアント(発信側)では,connect システムコールが次のエラーの場合だけ,リトライします。 ETIMEDOUT,ECONNREFUSED,ENETUNREACH,EADDRINUSE,EINPROGRESS,EALREADY,ENOBUFS,ENETDOWN
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データ送信待ちタイムアウト ((1〜3600秒)) 《60秒》 |
データ送信時に,パケットを送信し,送信バッファが空くまでの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもバッファが空かないときは,伝送は異常終了します。 |
データ受信待ちタイムアウト ((1〜3600秒)) 《60秒》 |
データ受信時に,パケットを受信する(伝送相手がパケットを送信してくる)までの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもデータの受信がないときは,伝送は異常終了します。 |
サーバ(着信)/クライアント(発信) |
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JP1/IMイベントの発行 |
JP1イベントを発行する場合に選択します。チェックするとサービスの状態の変化時や,伝送の終了時にJP1イベントを発行します。スーパーユーザでの伝送ではスーパーユーザ権限でイベントを発行し,一般ユーザでの伝送では一般ユーザ権限でイベントを発行します。JP1/IMと連携すると,JP1/IM上での状態監視ができるようになります。JP1/IMとの連携については,「5.2 JP1/IMとの連携」を参照してください。デフォルトでは,チェックされていません。 |
伝送結果のシスログ出力 |
ファイル伝送の結果(正常,異常,警告)をシスログに出力する場合に選択します。選択した場合,次に示すメッセージIDが出力されます。
システムログに出力されるメッセージIDのうち,上記以外のメッセージIDは,選択の有無にかかわらず,出力されます。 デフォルトでは,チェックされていません。 |
標準値 |
環境定義の各値を,デフォルトの値に戻す場合に,クリックします。 |
- [履歴情報保存件数],[プロトコルトレースのファイルサイズ],[モジュールトレースのファイルサイズ]の各値についての注意事項
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現在の値よりも小さな値を設定した場合,サービス再起動時に,該当する情報ファイルが削除されます。再起動前の情報が消えてしまいますので注意してください。なお,履歴情報ファイルは,次に示すファイルにバックアップされます。
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/var/opt/jp1_fts/sys/history.old
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(2) ftsutilコマンドで定義する
定義を変更するコマンドの例を,次に示します。
次の情報を変更します。
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-EH:履歴情報保存件数を「10000」
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-EL:伝送結果のシスログ出力を「CHECK(あり)」
定義の変更後に,JP1/FTPデーモンを再起動することで,変更内容が有効になります。
ftsutilコマンドについては,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。