2.6.19 JP1/Advanced Shellで必要なディレクトリを作成する
JP1/Advanced Shellのインストールが完了したあと,実行に必要なディレクトリをデフォルト設定から変更する場合,変更後のディレクトリを作成し,環境ファイルに指定します。
JP1/Advanced Shellで必要なディレクトリの種類と指定内容を次に示します。JP1/Advanced Shellを実行するユーザーは,これらのディレクトリに対して必要な権限を割り当ててください。
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バッチジョブ内だけで利用するファイルを一時的に作成するディレクトリを指定します。
-
ジョブ実行ログやプログラム出力データファイルを格納するディレクトリを指定します。
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システム管理者がバッチジョブの実行を監視するために,バッチジョブの履歴をシステム実行ログとして保存するディレクトリを指定します。
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システム障害時に,トラブルシューティングとして状況を保存するためのディレクトリを指定します。
JP1/Advanced Shellで必要なディレクトリを次に示します。環境設定パラメーターの設定方法については,「7. 環境ファイルで設定するパラメーター」を参照してください。
ディレクトリの種類 |
環境設定パラメーター |
デフォルトディレクトリまたはパス |
デフォルトの権限 |
---|---|---|---|
一時ファイル用のディレクトリ |
TEMP_FILE_DIR |
|
CRWD【Windows限定】 1777【UNIX限定】 |
スプール用のディレクトリ |
SPOOL_DIR |
|
CRWD【Windows限定】 1777【UNIX限定】 |
システム実行ログ用のディレクトリ |
LOG_DIR LOG_FILE_CNT LOG_FILE_SIZE |
|
CRWD【Windows限定】 0777【UNIX限定】 |
トレース用のディレクトリ |
TRACE_DIR TRACE_FILE_CNT TRACE_FILE_SIZE TRACE_LEVEL |
|
CRWD【Windows限定】 1777【UNIX限定】 |
- 〈この項の構成〉
(1) 必要な権限
バッチジョブを実行するユーザーに対して,必要な権限を次に示します。
(a) Windowsの場合
バッチジョブを実行するユーザーに対して,フルコントロールを設定してください。
(b) UNIXの場合
バッチジョブを実行するユーザーに対して,各ディレクトリには次に示すファイルパーミッションが必要です。
ディレクトリの種類 |
読み込み許可(r) |
書き込み許可(w) |
実行許可(x) |
スティッキービット(t) |
---|---|---|---|---|
一時ファイル用のディレクトリ |
○ |
○ |
○ |
△ |
スプール用のディレクトリ |
○ |
○ |
○ |
△ |
システム実行ログ用のディレクトリ |
○ |
○ |
○ |
× |
トレース用のディレクトリ |
○ |
○ |
○ |
△ |
ディレクトリのスティッキービットは,システムの運用方針に従い,設定します。
ディレクトリにスティッキービットの設定がない場合,ディレクトリに書き込み許可があれば,ディレクトリ直下の任意のファイルを削除できます。
ディレクトリにスティッキービットを設定した場合,ディレクトリに書き込み許可があっても,ディレクトリの所有者,またはファイルの所有者の場合だけ,ディレクトリ直下の任意のファイルを削除できます。
(2) ファイルシステム
スプールなどは,業務によって大容量となる場合があるため,専用のファイルシステムを作成して使用することをお勧めします。また,JP1/Advanced ShellではNFSはサポートしません。HSFSを使用する場合,次の注意事項があります。
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HSFS上にJP1/Advanced Shellをインストールできません。
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HSFS上にシステム実行ログおよびトレースを作成できません。
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ユーザー応答機能を使用する場合,スプールジョブディレクトリをHSFS上に設定できません。
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HSFS 07-00より前のバージョンを使用してHSFS上のファイルおよびディレクトリをUNIX互換コマンドによって参照・更新する場合,HSFSのシステムオプションであるCPFS_CACHE_POLICYにNOCACHEを指定する必要があります。
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HSFS 07-00以降のバージョンを使用してHSFS上のファイルおよびディレクトリをUNIX互換コマンドによって参照・更新する場合,HSFSのシステムオプションであるCPFS_COMPAT_LINKCNT=0を指定する必要があります。デフォルトは指定されている状態です。