ajsdaconvert
形式
ajsdaconvert -i 変換前実行結果ファイル格納フォルダ -o 変換後実行結果ファイル格納フォルダ [-q]
機能
変換前実行結果ファイル格納フォルダに格納されている以前のバージョンの実行結果ファイルを,現在のバージョンの実行結果ファイルに変換し,変換後実行結果ファイル格納フォルダに出力します。
以前のバージョンの実行結果ファイルでは,現在のバージョンのマクロ機能が使用できないため,実行結果ファイルを変換してからエクスポートを実行する必要があります。
このコマンドは,JP1/AJS3 - Definition Assistantをバージョンアップしたとき,以前のバージョンの実行結果ファイルを現在のバージョンの実行結果ファイルに変換する場合に使用してください。
なお,変換前実行結果ファイル格納フォルダに複数のバージョンのファイルが混在していても,すべてのファイルが現在のバージョンのファイル形式として変換後実行結果ファイル格納フォルダに格納されるため,変換前実行結果ファイル格納フォルダに存在するファイルのバージョンを特に意識する必要はありません。
実行権限
なし
格納場所
JP1/AJS3 - Definition Assistantのインストール先フォルダ\bin
引数
-i 変換前実行結果ファイル格納フォルダ
以前のバージョンの実行結果ファイルが格納されているフォルダを指定します。フォルダは絶対パスで指定してください。
指定できる文字列の長さは,1〜184(単位:バイト)です。
このフォルダに格納する実行結果ファイル数は,100個までにしてください。
-o 変換後実行結果ファイル格納フォルダ
変換後の実行結果ファイルを格納するフォルダを指定します。-iオプションで指定したフォルダとは別のフォルダを絶対パスで指定してください。
指定できる文字列の長さは,1〜184(単位:バイト)です。
-q
変換後実行結果ファイル格納フォルダに同名のファイルがある場合に,上書き更新するかを確認するメッセージ(KAVZ0615-Q)を出力します。[はい]ボタンを押すと上書き更新します。[いいえ]ボタンを押すと上書き更新しません。
注意事項
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このコマンドは,すべての定義情報管理テンプレートを閉じてから実行してください。また,コマンド実行中は他のアプリケーションで何も操作しないでください。
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このコマンドは,同時に複数実行しないでください。同時に複数のコマンドを実行すると,あとから実行したコマンドがエラーになり,KAVZ0814-Eのメッセージを出力します。
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環境設定ファイル(ajs2da.conf)に自動インポートまたは自動エクスポートの設定がされている場合,このコマンドは実行できません。KAVZ0614-Eのメッセージが出力され,コマンドは異常終了します。このコマンドを使用する場合は,インポート・エクスポートの自動設定を解除してください。
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変換前の実行結果ファイルにオートフィルターが設定されていた場合,変換後の実行結果ファイルではオートフィルターの設定が解除されます。また,行や列を手動で非表示に設定していた場合も,変換後の実行結果ファイルでは非表示設定が解除されます。
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次の条件の場合,変換は実行されないで処理がスキップされます。
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日本語版JP1/AJS3 - Definition Assistantのこのコマンドで,-iオプションに英語版JP1/AJS3 - Definition Assistantの実行結果ファイルの格納フォルダを指定した。
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英語版JP1/AJS3 - Definition Assistantのこのコマンドで,-iオプションに日本語版JP1/AJS3 - Definition Assistantの実行結果ファイルの格納フォルダを指定した。
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変換前の実行結果ファイルが定義情報管理テンプレートのファイルではない。
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変換前のファイルがマスターファイル,またはマスターファイルと同名のファイルである。
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次の条件の場合,変換を実行しないでファイルをコピーします。
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変換前の実行結果ファイルが現在のバージョンか,それより新しいファイルの場合。
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-oオプションで指定したフォルダに,変換対象ファイルと同一名称のファイルが存在した場合,ファイルを上書きします。ただし,-qオプションを指定した場合は,上書き更新を確認するメッセージ(KAVZ0615-Q)を出力します。
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変換後,実行結果ファイルのプロパティの更新者は,このコマンド実行ユーザーに変更されます。
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変換後のファイルは,現在のバージョンの定義情報管理テンプレートになります。そのため,変換前のファイルにはなかった(サポートされていなかった)定義項目列が存在することがあります。しかし,変換前のファイルにはこの追加された定義項目列の情報がないため,この列には何も設定されません。変換後の定義情報管理テンプレートを使用し,変換前のバージョンから現在のバージョンまでに追加された定義項目列の情報を含めてエクスポートする場合は,追加された定義項目列に手動で情報を設定してから実行してください。
なお,「リンクするルール番号」の扱いについては,変換前の実行結果ファイルのバージョンがJP1/AJS2 - Definition Assistant 07-00-/B以前の場合に,変換前と変換後のファイルを使用して一括または単独エクスポートを行うと次の違いがあるため注意が必要です。
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変換前
「リンクするルール番号」列がなく,すべてのリンクするルール番号にはルール番号1が仮定される。
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変換後
「リンクするルール番号」列が追加されるが情報が設定されないため,すべてのリンクするルール番号にはルール番号が仮定される。
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このコマンド実行中は,ファンクションキーを押さないでください。また,文字の入力も行わないでください。
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このコマンド実行中に[ESC]キーを押さないでください。[ESC]キーを押すとコマンドの実行が中断され,メッセージダイアログボックス(KAVZ0616-E)を出力し,コマンドが異常終了します。
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このコマンド実行中は,変換前実行結果ファイル格納フォルダ内にファイルを追加(移動・コピー)したり,削除したりしないでください。
ファイルを追加したり,削除したりすると,コンバート処理終了時に処理結果を通知するメッセージダイアログボックスやログファイルに処理結果が正しく出力されないことがあります。
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このコマンド実行中は,変換処理中の実行結果ファイルの内容が正しく表示されないことがありますが,変換後実行結果ファイルの内容には問題ありません。
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大量のファイルやサイズの大きいファイルを変換した場合,コマンドの実行が終了しても,システムのあと処理に時間が掛かることがあります。
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円記号(\)や二重引用符(")が不当に定義されているR/3ジョブの定義情報が変換前実行結果ファイルに含まれていた場合,このコマンドを実行しても不当な定義情報のまま変換されます。変換後の実行結果ファイルでエクスポートするときは,定義情報を修正してからエクスポートしてください。
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変換前の実行結果ファイルで,すべてのユニット定義にユニット名の入力があるか確認してください。ユニット名の入力がない行を定義情報の終わりと判断し,以降の行は変換後の実行結果ファイルに含めません。
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Microsoft Office IMEを使用している場合,変換処理に時間がかかる場合があります。この場合は,一時的にMicrosoft IMEに設定を変更してからコマンドを実行してください。
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JP1/AJS3 - Definition Assistant 09-50以前のバージョンで保存した実行結果ファイルを変換する場合,変換前のファイルで「標準ジョブ定義情報部」の判定条件の定義項目列(条件,判定値,ファイル名)に設定されている値は,変換後のファイルでは「判定ジョブ定義情報部」の定義項目列に設定されます。
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JP1/AJS3 - Definition Assistant 09-50以前のバージョンで保存した実行結果ファイルを変換する場合,変換前のファイルに未対応定義項目の保存機能で「その他の定義情報部」の定義項目列(変数名,変数(文字列)の判定値,変数(数値)の判定値)を設定していても,変換後ファイルの「判定ジョブ定義情報部」の定義項目列には移行されません(変換後も「その他の定義情報部」の同じ定義項目列に設定されます)。移行が必要な場合は,変換後のファイルに対して,「その他の定義情報部」に設定されている値の削除,および「判定ジョブ定義情報部」への値の設定を手動で行ってください。
戻り値
なし
使用例1
「C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup_old」フォルダに格納されている以前のバージョンの実行結果ファイルを現在のバージョンの形式に変換して,「C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup」フォルダに格納します。
ajsdaconvert -i "C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup_old" -o "C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup"
使用例2
JP1/AJS3 - Definition Assistantをバージョンアップしたが,以前のバージョンの実行結果ファイルを現在のバージョンでもエクスポート時に利用する場合があるため,以前のバージョンの実行結果ファイルをすべて現在のバージョンのファイル形式に変換します。なお,各バージョンの実行結果ファイル格納フォルダは次のとおりとします。
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07-00の実行結果ファイル格納フォルダ
D:\BACKUP\ajsdabackup70
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07-00-/Bの実行結果ファイル格納フォルダ
D:\BACKUP\ajsdabackup70B
-
現在の実行結果ファイル格納フォルダ
C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup
ajsdaconvert -i "D:\BACKUP\ajsdabackup70" -o "C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup" ajsdaconvert -i "D:\BACKUP\ajsdabackup70B" -o "C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS2DA\backup"
補足事項
全ファイルの変換処理終了時,処理結果を通知するメッセージダイアログボックスが表示されます。また,処理結果をログファイルに出力します。ただし,コマンドオプションエラーの場合は出力されません。
ログファイルの形式
格納先
- Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合
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JP1/AJS3 - Definition Assistantのインストール先フォルダ\log
- Windows Vista,Windows Server 2008,Windows 7,Windows Server 2012,Windows 8,およびWindows 8.1の場合
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%ALLUSERSPROFILE%\Hitachi\JP1\JP1_DEFAULT\JP1AJS2DA\log
「%ALLUSERSPROFILE%」のデフォルトは「システムドライブ\ProgramData」です。
ログファイル名
カレントログファイル名:ajsdaconvert.log(今回結果)
保存用ログファイル名:ajsdaconvert0[1-5].log(前回結果が01,最も古い結果が05,最大5世代保存)
出力形式
- 注※1
-
年月日時分秒を「YYYY/MM/DD hh:mm:ss」の形式で出力します。
- 注※2
-
次に示す情報を出力します。
表7‒3 処理結果の出力情報 出力情報
意味
備考
OK
成功
変換しないで,コピーしただけの場合も含む。
SKIP(要因コード)
未処理
要因コードの意味
01:定義情報管理テンプレート以外のファイルである
02:日本語版の場合に英語版JP1/AJS3 - Definition Assistantのファイルである,または英語版の場合に日本語版JP1/AJS3 - Definition Assistantのファイルである
03:マスターファイル,またはマスターファイルと同名のファイルである
NG(要因コード)
失敗
要因コードの意味
10:変換前ファイルの読み込みでエラー(処理続行)
11:変換後ファイルの保存でエラー
12:変換後実行結果ファイル格納フォルダに変換前ファイルと同名のファイルが存在して上書き確認のダイアログボックスが表示されたときに[いいえ]ボタンが押され上書き更新しなかった(処理続行)
13:変換処理中にエラー
99:その他特定不明のエラー
- 注※3
-
エラーが発生し,処理が途中で中断された場合,この行以降の情報は出力されません。
出力例
ajsdaconvertコマンドが正常終了した場合の出力例を次に示します。