付録D.2 クラスタ運用する場合の接続例と通信設定
複数のLANに接続した環境(ネットワークを分離した環境)で,クラスタ運用する場合の接続例と通信設定について説明します。JP1/AJS3 - Manager,およびJP1/AJS3 - Agentのそれぞれが,複数のLANに接続されている場合に分けて説明します。
なお,JP1/AJS3 Console機能を使用する場合,JP1/AJS3 - ViewをJP1/AJS3 Console Viewに,JP1/AJS3 - ManagerをJP1/AJS3 Console Managerに,JP1/AJS3 - AgentをJP1/AJS3 Console Agentに置き換えて解釈してください。
- 〈この項の構成〉
(1) クラスタ運用でJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続する場合
クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Managerを複数のLANと接続する場合,LAN上にあるJP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agent,またはJP1/AJS3 - Viewと接続して,JP1/AJS3を運用できます。なお,各ホストは相互にホスト名が解決できるOSの環境が必要です。
(a) クラスタ運用でJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Agentと連携する場合
クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,LAN上のJP1/AJS3 - Agentと連携する場合,物理ホストおよび論理ホストのどちらのホストからでもLAN上のJP1/AJS3 - Agentでジョブが実行できます。クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Agentでジョブを実行する場合の接続例を次の図に示します。
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JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されていて,クラスタ運用されています。また,それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Agentがインストールされていて,物理ホストhostX,論理ホストhostLのどちらのホストからもエージェントホストとして定義されています。
このシステム構成では,物理ホストhostX,または論理ホストhostLをマネージャーホストとして,管理LANにあるエージェントホストhost10,および業務LANにあるエージェントホストhostA,hostBに対して,ジョブが実行できます。
各ホストでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。
(b) クラスタ運用でJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Viewと連携する場合
クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,LAN上のJP1/AJS3 - Viewと連携する場合,LAN上のJP1/AJS3 - Viewから,物理ホストおよび論理ホストのどちらのホストに対してでも,ユニットを操作することができます。クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Viewからユニットを操作する場合の接続例を次の図に示します。
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JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されていて,クラスタ運用されています。また,それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Viewがインストールされています。
このシステム構成では,物理ホストhostX,および論理ホストhostLのマネージャーホストに対して,管理LANにあるホストhost10,および業務LANにあるホストhostA,hostBから,ユニットを操作することができます。
ホストhostXの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。
- 補足事項
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JP1/AJS3 - Managerのサービスが起動されていなくても(例えば,物理のJP1/AJS3サービスを使用しない運用でも),JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Managerを接続することができます。
(c) クラスタ運用でJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続し,JP1/AJS3 - Managerと連携する場合
JP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,LAN上のJP1/AJS3 - Managerと連携する場合,LAN上のJP1/AJS3 - Managerから物理ホスト,または論理ホストに対して,リモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりできます。
クラスタ運用でJP1/AJS3 - Managerを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Managerでリモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりする場合の接続例を次の図に示します。
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JP1/AJS3 - ManagerがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されていて,クラスタ運用されています。また,それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Managerがインストールされています。
このシステム構成では,物理ホストhostX,または論理ホストhostLのマネージャーホストに対して,管理LANにあるマネージャーホストhost10,および業務LANにあるhostA,hostBから,リモートジョブネットを実行したり,コマンドをリモート実行したりできます。
ホストhostXでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。
- 補足事項
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リモートジョブネットの実行,およびコマンドのリモート実行時のJP1/AJS3 - Manager同士の接続は,JP1/AJS3 - Viewからの接続ルールと同じです。
(2) クラスタ運用でJP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続してジョブを実行する場合
クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続して,LAN上のJP1/AJS3 - Managerと連携する場合,JP1/AJS3 - Managerから,物理ホストおよび論理ホストのどちらのホストに対してもジョブが実行できます。クラスタ運用で,JP1/AJS3 - Agentを複数のLANに接続して,JP1/AJS3 - Managerからジョブを実行する場合の接続例を次の図に示します。なお,各ホストは相互にホスト名が解決できるOSの環境が必要です。
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JP1/AJS3 - AgentがインストールされているホストhostXが,複数のLANに接続されていて,クラスタ運用されています。また,それぞれのLANに接続されたホストには,JP1/AJS3 - Managerがインストールされていて,物理ホストhostX,論理ホストhostLのどちらのホストに対しても,エージェントホストとして定義しています。
このシステム構成では,物理ホストhostX,または論理ホストhostLをエージェントホストとして,管理LANにあるマネージャーホストhost10,および業務LANにあるマネージャーホストhostA,hostBから,ジョブが実行できます。
各ホストでの通信設定については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例に記載されている設定を実施してください。
(3) 注意事項
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JP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - Agentは,クラスタ構成の場合,受信設定はIPバインド方式にする必要があります。これは受信設定をANYバインド方式にすると,物理ホストあてのデータを論理ホストが受け取ったり,論理ホストあてのデータを物理ホストが受け取ったりするようになり,ジョブが正常に実行できない問題が発生するためです。
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クラスタの設定直後は受信設定がIPバインド方式のため,複数のLANに接続しても,どちらか一方からのデータしか受信しません。そのため,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例を参照し,JP1/Baseの通信方式の設定を行う必要があります。
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クラスタの設定直後は送信設定がIPバインド方式のため,送信データが一方のLANだけにしか流れず,一方のLAN上のホストとしか連携できません。そのため,複数のLANに接続する場合は送信設定はANYバインド方式にする必要があります。詳細はマニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のクラスタ運用する場合の通信設定例を参照してください。
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JP1/AJS3 - ViewからJP1/AJS3 - Managerに接続する場合は,物理ホスト,論理ホストに関係なく,接続時に指定したIPアドレスと一致したホストに接続します。