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JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


2.3.6 WAN環境で使用する場合の通信

JP1/AJS3でWANを使用する場合は,通信の安全性と通信回線の安定性が確保された通信環境で使用してください。

通信の安全性が確保された通信環境とは,例えばVPNなどを使用する場合を指します。

また,通信回線の状況が不安定だと,原因の特定が難しいエラーやジョブの実行の遅延などが発生するおそれがあるため,回線速度が安定した通信回線を使用してください。

マネージャーホスト・エージェントホスト間の通信でWANを使用する場合は,JP1/AJS3 10-00以降の製品を使用してください。09-50以前の製品との接続では使用しないでください。

バージョンの組み合わせによるWANの使用可否を次の表に示します。

表2‒22 マネージャーホスト・エージェントホスト間のバージョンの組み合わせによるWANの使用可否

JP1/AJS3 - Manager

09-50以前

10-00以降

JP1/AJS3 - Manager

09-50以前

×

×

10-00以降

×

JP1/AJS3 - Agent

09-50以前

×

×

10-00以降

×

(凡例)

○:サポートしている

×:サポートしていない

なお,09-50以前の製品でも,次に示すプログラムやコンポーネントの接続にはWANを使用できます。

また,通信時間や通信量に応じて課金されるネットワークの使用は推奨しません。

従量制のWAN環境で運用する場合は,KeepAlive(常時通信し,相手の動作を確認する通信方法)を抑止するように環境設定するなどして,通信費を削減するように設定してください。ルーターなどの通信機器も,無通信監視での自動回線接続などを設定し,通信費を削減するようにしてください。ただし,JP1/AJS3 Console Viewでの監視には,回線が接続されている環境が必要です。無通信監視などで自動的に回線が切断される環境では使用できません。

従量制のWAN環境でJP1/AJS3 Console Viewから監視する場合は,次に示す点に注意してください。

  1. 回線が接続されたままになる。

  2. 監視対象の状態変化に応じて非同期に通信が発生する。

通信費を削減するには,使用していないJP1/AJS3 Console Viewをログアウトして終了させてください。JP1/AJS3 Console Viewでログインしていない状態では,通信が発生することはありません。